刺客列傳 第五話 「荊軻」 起の段 1
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/03 20:05 投稿番号: [249 / 735]
第五話「荊軻」(けいか)前三世紀
★原文は、瀧川資言『史記會注考證』です。
★宮崎市定先生は『史記を語る』中において、
「荊軻の事蹟はやはり戯曲的な構成をもち、
起・承・転・結四段のリズムに乗っている」
と述べておられます。
よって、段の変わり目には、
この「起・承・転・結を挿入していきたいと思っています。
起の段
荊軻者衞人也。其先乃齋人、徒於衞。衞人謂之慶卿。
而之燕。燕人謂之荊卿。
荊卿好讀書撃劔。以述説衞元君。衞元君不用。
其後秦伐魏置東郡、徒衞元君之支屬於野王。
荊軻なる者は衞人(えいひと)なり。その先、すなわち齋人(せいひと)なり。
衞に徒す。衞人これを慶卿と謂う。
而(しこう)して燕にゆく。燕人(えんびと)これを荊卿と謂う。
荊卿、讀書撃劔を好む。術を以て衞・元君に説く。衞・元君用いず。
その後、秦、魏を伐ちて東郡を置き、衞・元君の支屬を野王に徒(うつ)す。
荊軻は衛の人である。荊軻の先祖は斉の人であった。
それから衛に移住した。衛の人々は荊軻のことを慶卿と呼んだ。
それからまた燕に行った。燕の人々は荊軻のことを荊卿と呼んだ。
荊卿は読書と剣術を好んだ。
その学んだ書や剣術について衛の元君に説いたが、
衛の元君は用いなかった。
その後、秦は魏を討伐し東郡を置き、
衛の元君の支族を野王(河南)に移住させた。
★衛の元君・・・荊軻を不認知
★衞人(えいひと)・齋人(せいひと)・燕人(えんびと)
日本語の読みぐせとして、「ん」のあとに続く言葉の音は
おおむね濁音か半濁音になります。
つづく
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