紫陽花亭日乗

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詠荊軻     陶淵明

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/03 19:48 投稿番号: [247 / 735]
詠荊軻          陶淵明((六朝東晋・365〜427))
荊軻を詠む


燕丹善養士       燕丹は善(よ)く士を養う
志在報強●       志は強●(きょうえい)に報ずるに在り
招集百夫良       百夫の良を招集して
歳暮得荊軻       歳暮に荊軻を得たり
君子死知己       君子は知己に死す
提劔出燕京       劔を提(ひっさげ)て燕京(えんけい)を出づ

●上に「亡」、下に「月女凡」、   秦始皇帝の姓

燕の国の太子丹は人物を養うことが上手であった
その志は強国秦の王●政(えいせい)に仕返しをするにあった
百人にすぐれた士を招き集めたのであるが
遅くなってから荊卿を手に入れることができた
徳のすぐれた人物は、
自分を心からよく知ってくれる人のために死ぬといわれる
荊軻もまた太子丹の恩に感じて、秦王を殺そうと、
生命を捨てても剣をひっさげて燕のみやこを出発した


素驥鳴廣陌       素驥(そき)は廣陌(こうはく)に鳴き
慷慨送我行       慷慨(こうがい)我が行(こう)を送る
雄髪指危冠       雄髪は危冠を指し
猛氣衝長纓       猛氣は長纓(ちょうえい)を衝く
飲餞易水上       易水の上(ほとり)に飲餞するに
四座列羣英       四座に羣英(ぐんえい)を列(つら)ぬ

死出の旅を送るように、白い馬は広い大通りに鳴き
人々はこの旅立ちを心たかぶりなげいて見送るのであった
荊軻の雄々しい髪の毛は逆立って高くそびえる冠を指し
はげしい元気は長い冠のひもを衝きあげるほどであった
易水のほとりではなむけの酒盛りをしようと
四方に座をしめて、多くの英雄たちが並んでいた


つづく

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★>君子死知己       君子は知己に死す<
>徳のすぐれた人物は、
自分を心からよく知ってくれる人のために死ぬといわれる<

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