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蒲松齢 『聊斎志異』 「聶政」

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/02 22:23 投稿番号: [243 / 735]
清代の怪奇小説『聊斎志異』のなかに「聶政」という話があります。
短いお話ですので、ついでにご紹介しておきましょう。
簡体字で古典ではあるはずのない記号が使用してあるのがいやだなあ、
と思います。
いろいろなことがまだよく認識できなかったときに買った本に
簡体字使用のものがあります。今だったら絶対に買いませんが。


蒲松齢『聊斎志異』「聶政」
テキストは人民文学出版社『聊斎志異』中、です。


懐慶●王, 有昏紱。時行民間, 窺有好女子, 輒奪之。
有王生妻, 爲王所睹, 遣輿馬直入其家。女子号泣不伏, 強異而出。
王亡去, 隠身聶政之墓, 冀妻経過, 得一遥訣。無何, 至, 望見夫, 大哭投地。
王惻動心懐, 不覚失声。従人知其王生, 之, 將加○掠。
忽墓中一丈夫出, 手握白刃, 気象威猛, 励声曰 :
“我聶政也 ! 良家子豈可強占 ! 念汝輩不能自由, 姑且宥恕。
寄語無道王 : 若不改行, 不日將抉其首 ! ”
衆大駭, 棄車而走。丈夫亦入墓中而没。夫妻叩墓歸, 猶惧王命復臨。
過十余日, 竟無消息, 心始安。王自是淫威亦少殺云。

●「さんずい」+「路」
○「てへん」+「旁」


懐慶の●王(ろおう)、紱に昏(くら)きところ宥り。時に民間に行きて、
好女子の有るを窺い、輒(すなわ)ちこれを奪う。

王生に妻有り。王の睹(み)る所と爲る。
輿馬を遣(や)りて直ちに其の家に入る。
女子号泣し伏せず。 強いて異にして出づ。

王亡(に)げ去り、身を聶政の墓に隠し、
妻の経過するに、一(いつ)に遥かに訣(わか)れを得んことを冀(こいねが)う。

無何(ほどなく)至り、望みて夫を見、大いに哭して地に投ず。
王惻して心懐動き、覚えず声を失す。

従人、其の王生を知りて、これを執(とら)え將に○掠(ぼうりょう)を
加えんとす。

忽(たちま)ち墓中の一丈夫出づ。
手に白刃を握り、気象(きしょう)威にして猛(たけだけ)し。
声を励まして曰く、

「我れは聶政なり ! 良家の子、豈に強いて占むべけんや !
念(おも)うに汝輩、自由能(あた)わざらん。
姑(しばら)く且つ宥恕(ゆうじょ)し、語を無道の王に寄せん。
『若(も)し行い改めざれば、日に將(まさ)に其の首を抉(えぐ)らんとす』と。

衆大いに駭(おどろ)き、車を棄てて走(に)ぐ。丈夫亦た墓中に入りて没す。

夫妻、墓を叩きて歸すも、猶お王命の復(また)臨するを惧(おそ)る。
十余日を過ぐ。竟(つい)に消息無し。心始めて安らかなり。
王自ら是れ淫威亦た少殺せりと云へり。

つづく

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