Re: 『史記』「管晏列傳第二」
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/30 20:59 投稿番号: [222 / 735]
〔原文〕
越石父賢、在縲紲中。晏子出遭之塗、解左驂贖之、載歸。弗謝、入閨。
久之越石父請絶。晏子懼然。攝衣冠謝曰。
嬰雖不仁、免子於●。何子求絶之速也。
石父曰。不然。吾聞君子<言出>於不知己、而信於知己者。
方吾在縲紲中、彼不知我也。
夫子既已感寤而贖我。是知己。知己而無禮、固不如在縲紲之中。
晏子於是延入爲上客。
●「戸」のなかに「乙」 ヤク くびき
〔訓読〕
越石父(エツセキホ)賢にして、縲紲(ルイセツ)の中に在り。
晏子出でてこれに塗(みち)に遭う。
左驂(ササン)を解きてこれを贖(あがな)い、載せ歸る。
謝せず。閨に入る。
これを久しうして越石父絶を請う。
晏子懼然(カクゼン)たり。
衣冠を攝(おさ)め謝して曰く、
嬰、不仁と雖も、子を①に免(まぬか)れしむ。
何ぞ子、絶を求むるの速(すみやか)なるや。
石父曰く、
然(しか)らず。吾れ聞く、君子は己を知らざるものに<言出>(クツ)して、
己を知る者に信(の)ぶ。
方(まさ)に吾れ縲紲(ルイセツ)の中に在るに、彼れ我れを知らず。
夫子(フウシ)既に已に感寤(カンゴ)して我れを贖(あがな)えり。
是れ己を知るなり。
己を知るものにして禮無くば、固(もと)より縲紲の中(うち)に在るに如(し)かず。
晏子是(ここ)に於いて延(ひ)き入れて上客と爲す。
〔解釈〕
越石父(エツセキホ)は賢人であったが、囚人として繋がれていた。
晏子は外出途中に、越石父に遭遇した。
晏子は左の副え馬をはずして身の代として越石父を贖(あがな)い、
自分の車に同乗させて帰宅した。
ところが晏子は越石父に挨拶もせず、奥に入ってしまった。
するとほどなく越石父が絶交を申し出た。
晏子は驚いた。そこで服装を整えあらためて挨拶をしてこう言った。
「嬰は、仁徳に欠けているかも知れませんが、
あなたを災厄からお救いしてさしあげたではありませんか。
どうしてあなたは、性急に絶交を求められるのですか」と。
すると越石父が答えて言うのに、
「そうではありません。わたくしはこのように聞いております。
君子は、自分を認知しないものに対しては目立たないようにして、
自分を認めてくれる者に対しては能力を発揮すると。
わたしは罪人としてくびきに繋がれておりましたが、わたしを捕えた者は
わたしという者を知らなかったからそれでいいのです。
あなたは、あのときわたしに何かをお感じになられ、
わたしを買い求めて自由の身にしてくださったのです。
これはわたしを認知してくださったということです。
ところがわたしを認めてくださっておきながら礼をないがしろにされては、
もとより囚人として牢獄にったほうがずっとましです」と。
それを聞いて晏子は、越石父をひき入れて上客として待遇した。
★認知・・・その人間の価値、真価を知る。
「知」という字が何度もくりかえし出ています。
君子<言出>於不知己、而信於知己者。
方吾在縲紲中、彼不知我也。
夫子既已感寤而贖我。是知己。知己而無禮、
つづく
3004
越石父賢、在縲紲中。晏子出遭之塗、解左驂贖之、載歸。弗謝、入閨。
久之越石父請絶。晏子懼然。攝衣冠謝曰。
嬰雖不仁、免子於●。何子求絶之速也。
石父曰。不然。吾聞君子<言出>於不知己、而信於知己者。
方吾在縲紲中、彼不知我也。
夫子既已感寤而贖我。是知己。知己而無禮、固不如在縲紲之中。
晏子於是延入爲上客。
●「戸」のなかに「乙」 ヤク くびき
〔訓読〕
越石父(エツセキホ)賢にして、縲紲(ルイセツ)の中に在り。
晏子出でてこれに塗(みち)に遭う。
左驂(ササン)を解きてこれを贖(あがな)い、載せ歸る。
謝せず。閨に入る。
これを久しうして越石父絶を請う。
晏子懼然(カクゼン)たり。
衣冠を攝(おさ)め謝して曰く、
嬰、不仁と雖も、子を①に免(まぬか)れしむ。
何ぞ子、絶を求むるの速(すみやか)なるや。
石父曰く、
然(しか)らず。吾れ聞く、君子は己を知らざるものに<言出>(クツ)して、
己を知る者に信(の)ぶ。
方(まさ)に吾れ縲紲(ルイセツ)の中に在るに、彼れ我れを知らず。
夫子(フウシ)既に已に感寤(カンゴ)して我れを贖(あがな)えり。
是れ己を知るなり。
己を知るものにして禮無くば、固(もと)より縲紲の中(うち)に在るに如(し)かず。
晏子是(ここ)に於いて延(ひ)き入れて上客と爲す。
〔解釈〕
越石父(エツセキホ)は賢人であったが、囚人として繋がれていた。
晏子は外出途中に、越石父に遭遇した。
晏子は左の副え馬をはずして身の代として越石父を贖(あがな)い、
自分の車に同乗させて帰宅した。
ところが晏子は越石父に挨拶もせず、奥に入ってしまった。
するとほどなく越石父が絶交を申し出た。
晏子は驚いた。そこで服装を整えあらためて挨拶をしてこう言った。
「嬰は、仁徳に欠けているかも知れませんが、
あなたを災厄からお救いしてさしあげたではありませんか。
どうしてあなたは、性急に絶交を求められるのですか」と。
すると越石父が答えて言うのに、
「そうではありません。わたくしはこのように聞いております。
君子は、自分を認知しないものに対しては目立たないようにして、
自分を認めてくれる者に対しては能力を発揮すると。
わたしは罪人としてくびきに繋がれておりましたが、わたしを捕えた者は
わたしという者を知らなかったからそれでいいのです。
あなたは、あのときわたしに何かをお感じになられ、
わたしを買い求めて自由の身にしてくださったのです。
これはわたしを認知してくださったということです。
ところがわたしを認めてくださっておきながら礼をないがしろにされては、
もとより囚人として牢獄にったほうがずっとましです」と。
それを聞いて晏子は、越石父をひき入れて上客として待遇した。
★認知・・・その人間の価値、真価を知る。
「知」という字が何度もくりかえし出ています。
君子<言出>於不知己、而信於知己者。
方吾在縲紲中、彼不知我也。
夫子既已感寤而贖我。是知己。知己而無禮、
つづく
3004
これは メッセージ 221 (ajisai110701 さん)への返信です.
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