紫陽花亭日乗

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七夕(しちせき)     李賀

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/06 22:33 投稿番号: [22 / 735]
七夕           李賀(中唐・791〜817)


別浦今朝暗       別浦(べっぽ)   今朝より暗し
羅帷午夜愁       羅帷(らい)に午夜愁う
鵲辭穿線月       鵲(かささぎ)は辭す   線を穿(うが)つ月を
花入曝衣樓       花は入る   衣を曝(さら)す樓に
天上分金鏡       天上に金鏡分かる
人間望玉鉤       人間(じんかん)玉鉤(ぎょくこう)を望む
錢塘蘇小小       錢塘の蘇小小(そしょうしょう)
更値一年秋       更に値(あ)う   一年の秋に

七夕の日、あなたと別れた水べは朝から薄暗い

夜もふけて、帳の中で、訪ね来ぬあなたを思って悲しみにくれる

針穴に五色の糸を通すのを照らしていた月に、
鵲たちは別れを告げて帰ってゆく

昼間、衣服を日に曝した高楼(たかどの)の中へ、花びらが飛んでゆく

天の上では、黄金の鏡を真っ二つに割り

それを地上の者たちは、玉でできた鉤のようだと眺めている

わたくし錢塘の蘇小小は

あれからまた一年たった七夕を迎えました


★片思いの織女を詠う「古詩十九首」其の十を下敷きにしている。
織女でさえ、年に一度の逢瀬を許され、愛しき人と逢える。
それなのにこのわたしは、あの日あの水べで、あの人と別れてからという
もの、ずっと一人っきり、今宵もあの人はわたしのもとには帰ってこない。


★穿線・・・七夕の晩に庭先に出て、女性が七本の針に糸を通し、
手先が器用になるよう祈る風習


★石川忠久『夏の詩100選』NHK 出版

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