紫陽花亭日乗

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蘇小小墓     李賀

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/06 22:42 投稿番号: [23 / 735]
蘇小小墓        李賀(中唐・791〜817)


幽蘭露          幽蘭の露
如啼眼          啼眼の如し
無物結同心       物の同心を結ぶ無し
煙花不堪剪       煙花は剪るに堪えず

露を宿してしのびやかに咲く蘭
まるで涙を溜めた蘇小小の眼のようだ
愛し合うふたりを結ぶものとてなく
夕靄に包まれる花は切っておくるにしのびない


草如茵         草は茵(しとね)の如く
松如蓋         松は蓋(かさ)の如し
風為裳         風は裳(しょう)と為し
水為珮         水は珮(はい)と為す

草はしきもの
松は幌
風の音はきぬずれ
水の音は帶玉の触れあうひびき


油壁車         油壁の車(くるま)
夕相待         夕べに相待つ        「夕」は或いは「久」
冷翆燭         翆燭   冷やかに
労光彩         光彩を労(ろう)す
西陵下         西陵の下
風吹雨         風   雨を吹く

華麗な車は
たそがれに待つ
冷ややかな緑の灯火(ともしび)は
ただ、いたずらにかがやく
西陵橋のほとり
空は暗く   雨に風


★西湖・・・浙江省杭州

★5世紀末の歌妓・蘇小小の墓は西湖湖畔にある。
来ぬ恋人を待ち焦がれ死にした蘇小小の死後、志ある人によって
西冷橋(せいりょうきょう)の下、慕才亭が建てられた。

★蘇小小の死後、300年の歳月を経て、李賀によってこの詩が詠まれた。
墓のほとりで、恋人の訪れを300年ものあいだ待ちつづける
蘇小小の亡霊を、想像によって詠んだ詩。

★李賀の詩は、多彩で変化に富み奇抜です。
近代詩のような感じで型破りです。

★李賀は、27歳の若さで死んだ天才詩人です。

★結同心・・・紐の結び方に同心結びというのがある。
輪をつくり、二筋の紐を中へさしこむようにする。
固くてほどけない結び方。
男女が約束を交わすこと。


★石川忠久『夏の詩100選』NHK 出版

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