紫陽花亭日乗

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詩四首(一)     蘇武

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/23 23:24 投稿番号: [173 / 735]
>在漢蘇武節       漢に在りては   蘇武の節<

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詩四首(一)       蘇武(漢・前142〜前60)
これを蘇武の作とするには古来異説があり、後人の擬作とするのが定説に近い。


兄弟に別れを述べる
骨肉縁枝葉       骨肉   枝葉に縁(よ)り
結交亦相因       交りを結ぶも亦相因(よ)る
四海皆兄弟       四海皆兄弟
誰爲行路人       誰か行路の人と爲さん
況我連枝樹       況んや   我は連枝の樹
與子同一身       子と同じく一身なるをや
昔爲鴛與鴦       昔は鴛と鴦と爲り
今爲參與辰       今は參(しん)と辰(しん)と爲る
昔者長相近       昔者(むかし)は長く相近づきしに
●若胡與秦       ●(ばく)として胡と秦との若(ごと)し
惟念當乖離       惟(ただ)念(おも)ふ   乖離するに當りて
恩情日以新       恩情   日に以て新(あらた)なるを
鹿鳴思野草       鹿鳴きて野草を思ふ
可以喩嘉賓       以て嘉賓に喩ふ可し
我有一尊酒       我に一尊の酒有り
欲以贈遠人       以て遠人に贈らんと欲す
願子留斟酌       願はくは   子   留まりて斟酌し
叙此平生親       此の平生の親を叙せよ

●・・・しんにょう   +   「貌」   バク

兄弟は同じ根から出た枝や葉と同じく
友だちもまたお互い頼りあうもの
古人も四海の内はみな兄弟だといったのであるから
誰でも路傍の人と見なすべきではない
ましてわたしと君とは枝をつらねた樹の如き
肉親の間柄なのだから、なおさらのことである
昔は鴛と鴦とのようによりそうてくらしたのに
今は東西あい隔たる參星(オリオンの三ツ星)と辰星(さそり座アンタレス)の如く遠ざかり
昔はいつも離れずに、あい親しんだのに
今は北の胡(えびす)と西の秦のように、はるか隔たる身となった
いよいよ別れるにあたっては
愛情のいやますを覚える
鹿が鳴いて野の草を求めるのを聞いて、賓客との宴会を思う詩がある
そのようにここで君を嘉賓とみなして、惜別の宴を張ろう
わたしにはここに一樽の酒がある
これをば遠く旅立つ君に贈ろう
君よ、どうぞしばらくとどまってこれを酌みかわし
平素のしたしみを心ゆくまでのべつくしてほしい

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肉親は   枝と葉のような仲
友人もまた   互いに寄りそう
四海の人は   みな兄弟           
誰も路傍の人ではない
まして二人は   枝を連ねた樹        
君とは一心同体の間柄
かつては   つがいの鴛鴦だったが      
今は參と辰の離れ星に
むかしはいつも   そばにいたのに      
胡(えびす)と秦のごと   はるかに隔たる
別れの時に   ひたすらに思う        
友情を日々に新たに
鹿は鳴きかわし   野の草を共に食む     
そのように   君をお客に別れの宴を
ここにひと樽の酒がある          
遠く旅立つ人に贈ろう
いましばらく   留まって酌み        
来し方の   仲を語ろう


★解釈、上段は、内田泉之助『古詩源』上, 集英社, 漢詩大系4
★解釈、下段は、伊藤正文・一海知義編訳『漢・魏・六朝詩集』
平凡社, 中国古典文学大系16


>鹿鳴思野草       鹿鳴きて野草を思ふ<
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835412&tid=bbgmdb2vdbffcbeh&sid=1835412&mid=11


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