詩四首(二) 蘇武
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/23 23:27 投稿番号: [174 / 735]
詩四首(二)
蘇武(漢・前142〜前60)
妻に別れを述べる
結髪爲夫妻 結髪 夫妻と爲り
恩愛兩不疑 恩愛 兩(ふた)つながら疑はず
歡娯在今夕 歡娯 今夕に在り
燕婉及良時 燕婉 良時に及ばん
征夫懐遠路 征夫 遠路を懐ひ
起視夜何其 起って夜の何其(いかん)を視る
參辰皆已没 參辰 皆 已に没しぬ
去去從此辭 去去 此れより辭せん
行役在戦場 行役 戦場に在り
相見未有期 相見る 未だ期有らず
握手一長歎 手を握りて一たび長歎すれば
涙爲生別滋 涙は生別の爲に滋(しげ)し
努力愛春華 努力して春華を愛し
莫忘歡楽時 歡楽の時を忘るる莫れ
生當復來歸 生きては當に復た來り歸るべし
死當長相思 死しては當に長く相思ふべし
としごろとなり、そなたと夫婦となってから
互いに愛され、疑う心もなく、今日までくらしてきたが
喜び悲しみも今宵限りとなった
せめてまたなきこの一夜をあだにせず、むつみおうて過ごそう
旅立つわれ、行く先遠い路のりを思い
起ちあがって、夜のようすを見れば
星影はいつか消えて、はや暁(よあけ)に間近い
いざさらば、これより出かけるとしよう
我が身はお役で戦場に赴くことゆえ
また会う日はいつのことやら
かくて去りぎわに妻の手を握り、長く嘆息をもらせば
生き別れのために、涙はしきりに流れる
またいう、気をつけてその若い身そらをいつくしみ
楽しかったこの年月のことを忘れるなよ
命がありさえしたら、きっと再び帰ってくるぞ
もしもあの世に行ったなら、必ずいつまでも思いあおうぞ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
元服して 夫婦(めおと)となってより
互いの愛を疑わなかった
楽しみつくすも今宵かぎり
時をのがさず 睦みあおう
旅立つものは 前途をおもい
起ちあがり 更けゆく夜を伺う
星たちも もうみな沈んだ
いよいよ今が 別れの時
使いして 戦場へ行けば
再会は あてにはできぬ
手を握り 深いためいき
生身裂く別れに 涙はしとど
気をつけて 若い日を愛(いとお)しみ
睦みあった日々を 忘れまい
命があれば 帰りもしよう
命がつきても 思い思おう
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妻に別れを述べる
結髪爲夫妻 結髪 夫妻と爲り
恩愛兩不疑 恩愛 兩(ふた)つながら疑はず
歡娯在今夕 歡娯 今夕に在り
燕婉及良時 燕婉 良時に及ばん
征夫懐遠路 征夫 遠路を懐ひ
起視夜何其 起って夜の何其(いかん)を視る
參辰皆已没 參辰 皆 已に没しぬ
去去從此辭 去去 此れより辭せん
行役在戦場 行役 戦場に在り
相見未有期 相見る 未だ期有らず
握手一長歎 手を握りて一たび長歎すれば
涙爲生別滋 涙は生別の爲に滋(しげ)し
努力愛春華 努力して春華を愛し
莫忘歡楽時 歡楽の時を忘るる莫れ
生當復來歸 生きては當に復た來り歸るべし
死當長相思 死しては當に長く相思ふべし
としごろとなり、そなたと夫婦となってから
互いに愛され、疑う心もなく、今日までくらしてきたが
喜び悲しみも今宵限りとなった
せめてまたなきこの一夜をあだにせず、むつみおうて過ごそう
旅立つわれ、行く先遠い路のりを思い
起ちあがって、夜のようすを見れば
星影はいつか消えて、はや暁(よあけ)に間近い
いざさらば、これより出かけるとしよう
我が身はお役で戦場に赴くことゆえ
また会う日はいつのことやら
かくて去りぎわに妻の手を握り、長く嘆息をもらせば
生き別れのために、涙はしきりに流れる
またいう、気をつけてその若い身そらをいつくしみ
楽しかったこの年月のことを忘れるなよ
命がありさえしたら、きっと再び帰ってくるぞ
もしもあの世に行ったなら、必ずいつまでも思いあおうぞ
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元服して 夫婦(めおと)となってより
互いの愛を疑わなかった
楽しみつくすも今宵かぎり
時をのがさず 睦みあおう
旅立つものは 前途をおもい
起ちあがり 更けゆく夜を伺う
星たちも もうみな沈んだ
いよいよ今が 別れの時
使いして 戦場へ行けば
再会は あてにはできぬ
手を握り 深いためいき
生身裂く別れに 涙はしとど
気をつけて 若い日を愛(いとお)しみ
睦みあった日々を 忘れまい
命があれば 帰りもしよう
命がつきても 思い思おう
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これは メッセージ 173 (ajisai110701 さん)への返信です.
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