紫陽花亭日乗

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早發白帝城     李白

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/04 22:16 投稿番号: [15 / 735]
早發白帝城          李白(盛唐・701〜762)
早(つと)に白帝城を發す

朝辭白帝彩雲間       朝(あした)に辭す白帝彩雲の間
千里江陵一日還       千里の江陵一日にして還る
兩岸猿声啼不住       両岸の猿声啼いて住(や)まざるに
輕舟已過萬重山       輕舟已(すで)に過ぐ萬重の山


朝焼けに美しい雲がたなびく白帝城に別れを告げて長江を下る
遠く離れた江陵までわずか一日の河の流れ
両岸で啼く猿の声が悲しくこだまする
ふと気がつくと私の乗った小船は、幾重にも重なった山々を通り抜けていた


★彩雲は、あさやけぐもです。

★白帝城は、四川省当節県にあり、山峡の上部、瞿唐峡に臨む城です。
前漢の末、公孫述がここに拠って自ら白帝と称したので、この名がつきました。

http://www.carlos.or.tv/2002jf/gallery-j4.html

山峡ダムの建設で、今どうなっているでしょうか。


★江陵は、一名荊州、湖北省江陵県。千里とは概略をいったもので、
白帝城から江陵までは約300キロ。


★李白25歳の時の作。
青雲の志を抱き、故郷四川から都長安をめざし長江を下ったときの作。
あるいは、晩年に夜郎へ流される途中、許されて帰るときの作。
と二説あります。


★「猿声」は古来悲しいものとされていました。
猿の鳴き声に後ろ髪を引かれる思いである、
という旅する李白の開放感と悲しみを表現しています。


★この「猿声」と、舟のスピードとの関係にまた諸説あります。
代表的なものは、猿が一声キャッと啼いて絶えぬ間に、
自分の乗った舟は、万里の山を過ぎてしまったほどである、と。

しかし、「千里の際、両岸皆山、猿声断えず、惨愴の想、知る可し」
というのが穏当なようです。


★の解説は『唐詩選』下,集英社, 漢詩大系7を参考にしました。

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