紫陽花亭日乗

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正氣歌     文天祥

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/20 20:41 投稿番号: [136 / 735]
◆正氣歌     文天祥(南宋・1236〜1283)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/p20.htm

  1282年、文天祥は長期にわたる獄中生活で体こそ弱っていたものの、
浩然の気を奮って、世に名高い「正気歌」を書き上げました。
その序には
「幽暗の獄中には七つの悪気があるが、
孟子のいうところの浩然の気によって、これらを克服できる。
浩然の気はすなわち天地の正気である」
と述べられています。

  この歌のあらましは次のとおりです。

「天地に正気有りて千変万化す。
地に有りて山河となり、天に有りて日星となる。
人においては浩然の気となり、発揚すれば天地に充つる。
国家太平の時は祥瑞を現し、時局危難の時は忠節を現す。
故事にその例多し。
斉の太史、蓁の董狐、漢の張良、蘇武、厳將軍、張巡、
顔巣卿、管軍と遼東の民、諸葛亮、祖荻、殷秀実らは皆、
正気の発揚により、日月のごとく、千万年も人々の遵(したが)うところとなる。

正気は天を支え、地を安んずる。人間の倫理、人生の道義の基となる。

我、艱難の時、能力微弱にして国の衣冠に値せず、
囚犯として最北の幽燕に到る。
粉身砕骨、吃糖して戻るを得ず。何ぞ埋恩か有る。
陰暗の囚房、鬼火、鎖門の庭、春無き長夜、犯者と共に同食同飲し、
鳳凰と鶏と同臥し、潮湿受け、尸の如く両年の災害避けるを得ず。

潮湿泥糖は我が安楽の郷、邪気も我を害する能わず。
低頭すれば心霊の光明、抬頭すれば白雲の浮動、祖国の憂い無辺無岸なり。
蒼天は何時開けるや、古代の聖賢すでに遠しといえども我忘れず。
房窓の下、古書を開き、英賢我と同歌同哭するを看る。


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★文天祥処刑の折り衣帯の布に書かれていた絶筆

孔曰成仁   孟曰取義       孔子曰く仁を成す   孟子曰く義を取る
惟其義盡   所以仁至       惟だその義を盡くせば   仁の至る所以なり
讀聖賢書   所學何事       聖賢の書を讀みて   何事をか學ぶ
而今而後   庶幾無愧       而るに今   而して後   幾ばくも愧無し

★「正気歌」は、屈原の「離騒」、岳飛の「滿天紅」、
諸葛孔明の「前出師表」とともに、中国の四大名文の一つとされています。


★鐘 清漢『人物50人で読む中国の思想』PHP 文庫

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