紫陽花亭日乗

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Re: 垓下曲(垓下歌)     項羽

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/19 21:08 投稿番号: [131 / 735]
虞美人(?〜前202)前漢代――死して花に名を止める千古の美女

死ぬべきときに死ぬ、潔ぎよく、美しく死ぬ、その覚悟の気高さ。
今、自分がどうすべきかわきまえ、そのとおりに立派に演ずる力量。
これだからこそ、なお千古の美女と称えられ、
極めつきの悲劇のヒロインとされてきたのである。

「虞や、虞や、なんじを奈何せん」とは、

お前をわが手にかけなくてはならないのか、という通哭の思いと同時に、

「虞よ、お前をどうしても連れて行きたい。
一度だってお前を離したことはなかったのだから。どうしたらよいのか」

という心のゆれも込められていたに相違ない。


項羽は名詩をつくろうと考えていたはずはない。
それだけに、その詩は自分の気持ちを正直に吐露したものとみてよい。

虞美人に、お前を連れて行きたいが、名馬の騅すらも、騅ですらも、
もはや重囲を突破することができないかもしれぬ、
だから、だからあきらめてもらいたい、と告げようとしている。


一方、虞美人も「一緒に死んでほしい」などと、役柄をわきまえぬ最低の
セリフなど、一つとして吐いていない。この覚悟の清冽さ。健気さ。


やがて廻ってきた春、虞美人の血が滴った土の上に、
端麗清楚な花が咲いた。
人々はこの花を、虞美人の生まれ代わりだと考え、
虞美人草(ひなげし)と呼んだのである。



★以上、駒田信二監修・林亮著『中国人物史100話』立風書房、より抜粋

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