国共内戦
投稿者: tokyo_cachito3 投稿日時: 2008/02/11 23:14 投稿番号: [1447 / 3149]
本は横に積んでおくのがいいらしいが取り出すのが面倒だ。田中角栄が中南海の毛沢東の私邸に「伺候」したのは随分まえの話だが、この中国の「帝王」の部屋には「和綴じ」の書物が本棚に山のように積まれていた。角栄さんはその中から「楚辞集註」という本を貰ってきたが、なんだか、皇帝から蔵書を下賜されたというふうで「誠に恐憚の至りに耐えず」であった。当時の日本は佐藤内閣の長く重苦しい時代が終わり、田中角栄人気とともに日中国交回復の熱に浮かされていて、そうした光景もにこやかに迎えられたのである。しかし、糸で綴じた昔の本は中国語ではなんというのだろうか。ただ「書」というだけかもしれない。成金趣味のコテコテした調度品や骨董を並べておくより、積み上げた古本の山のほうがよほど凄みがある。田中とその一行を「帝王の間」に案内したのは、昔、ハマーショルド国連事務総長をして、「まれにみる優雅な人物で、自分が野蛮人のように思えた」と言わしめた周恩来である。このとき、この人物が毛氏のまえで身を捩(よじ)り、人見知りをする幼稚園児のように含羞(はにか)んでいる姿がテレビに映っている。これには田中とその番頭たちが驚いたらしいが、むろん、「こんな者たちが拝謁に参りましたが…」という周恩来一流の演技である。この程度の才覚がなければ権力闘争の渦のような中南海では生きてゆけない。お追従だって本気でやれば誰も気がつかない。こうした飛び切り一級の者たちが、つまり、国民党政府のいう「流族集団」が、「戦争の疲弊に乗じて」瞬く間に中国大陸を奪取してしまった。そのあたりはまるで大掛かりなマジックを見るようで、百万を越す戦死者が出たであろうその「国共内戦」と言われる戦史を詳しく知りたいのだが、日本語で出版されたものはなぜかまったく見つからない。その一方で、望みもしないのに負け戦の敗残兵や難民を大量に抱え込んでしまった人々の苦難も併せて知らなければならないだろう。
これは メッセージ 1446 (tokyo_cachito3 さん)への返信です.
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