11月21日 6
投稿者: jgeilsbandfreak 投稿日時: 2008/11/22 08:27 投稿番号: [2754 / 4504]
2.流動性危機への対応
(1)危機後の国際支援
韓国は97年12月3日、IMF支援の受け入れで合意したが、直前の11月末現在でその対外債務は1,161億ドルに達し、対外資産の606億ドルを引いたネットの債務が555億ドルに達していた。93年の対外債務は439億ドル、純債務では79億ドルに過ぎなかったことから、4年の間に債務は約2.6倍、ネットでは7倍にも膨れ上がっていたこととなる。93年には対外債務の46.2%をカバーしていた外貨保有も21.0%水準(244.1億ドル)9に減少していた。
韓国の危機に対する支援はこの債務規模の大きさのみならず、韓国自身も金融仲介の担い手であったことによるグローバルな危機拡散への懸念が存在したこと10、これまで述べてきたように市場心理が極度に悪化していたことなどから、総額570億ドルと、IMF史上最大の規模となった。IMF本体の210億ドルに世銀100億ドル、アジア開銀40億ドルの計350億ドルが第一線となり、これに日本の100億ドル、米国の50億ドル、欧州などの70億ドルを併せた220億ドルが第二線として用意された。
しかしながら、韓国が合意する頃までにはIMF自身がタイ以降への対応で強く批判を浴び、17日には補充準備制度(SupplementReserve Facility=SRF)を導入するなど、世界金融秩序維持そのものへの懸念が強まっていた。これに加えて韓国政府が対外資産を含めて債務の実態把握に手間取り、金融監督の杜撰さが表面化したこと、さらに大統領選挙を17日に控えた政治展望の不透明さなど固有の事情もあり、合意後の流動性危機は加速した。IMFは12月8日までの一次分55億ドル、22日までの二次分35億ドルに加え、24日には翌98年分のうち20億ドルを前倒し実施せざるを得なくなった。また、24日の前倒し支援に際しては豪州などが新たに加わったことから、韓国向け支援はこの時点では583.5億ドルにまで膨張した。結局、韓国はSRFの初めての適用国となり、60億ドルのスタンドバイ・ローンに加えてこのSRF資金135億ドルを受けることとなった。
一次の支援を受けるに当り、韓国は緊縮型マクロ政策運営、金融改革、貿易・資本の自由化、企業の透明性改善、労働市場の流動化など極めて幅広い改革に取り組むことをコンディショナリティに盛り込んだが、24日の支援追加でさらに①外国人投資限度枠の98年内撤廃、②債券市場の全面開放、③金融市場開放の日程確定、④貿易補助金の禁止、⑤利子上限規制の撤廃など一層、具体的で急激な市場開放を求められることとなった。
(2)日本の支援
韓国に対し、日本は二線準備の後、上限50億ドルのスワップ取り決めによって韓国の流動性を支援し、さらに10月には日韓首脳会談における支援合意を受けて、新宮澤構想下で、3件・33.5億ドル相当円の支援が行われることとなった。
1件目は99年1月、韓国中小企業銀行に対して行われた支援13億ドル相当円で、中小企業の設備投資や中長期運転資金を同銀行が供与するのに使用された。2件目は2月に決定された韓国電力公社(8億ドル相当円)と韓国ガス公社に対する支援(2.5億ドル相当円)で、資源備蓄に乏しい韓国の発電燃料用石炭の確保や、天然ガスの供給確保を目指したものであった。さらに3件目としては3月に開発金融機関である韓国産業銀行に対し、10億ドル相当円のアンタイド・ツー・ステップ・ローンが実施された。これは韓国が投資環境を改善し、外資誘致を円滑に行えるよう電力、通信、交通インフラ、省エネ関連などに対する支援を謳う一方、日本企業とのビジネス提携が円滑に進むよう支援することを目指したものであった。
なお、新宮澤構想には含まれないが、この他に98年5月に日本からの短期輸入決済資金として、韓国政府の保証によって輸出入銀行向けのツー・ステップ・ローン10億ドル相当円(1,300億円)が供与された。「卒業国」である韓国にはタイやフィリピンなどとは異なり、円借款が実施できないため、日本との貿易や企業活動の円滑化の観点からなされた措置であった
7に続きます。
(1)危機後の国際支援
韓国は97年12月3日、IMF支援の受け入れで合意したが、直前の11月末現在でその対外債務は1,161億ドルに達し、対外資産の606億ドルを引いたネットの債務が555億ドルに達していた。93年の対外債務は439億ドル、純債務では79億ドルに過ぎなかったことから、4年の間に債務は約2.6倍、ネットでは7倍にも膨れ上がっていたこととなる。93年には対外債務の46.2%をカバーしていた外貨保有も21.0%水準(244.1億ドル)9に減少していた。
韓国の危機に対する支援はこの債務規模の大きさのみならず、韓国自身も金融仲介の担い手であったことによるグローバルな危機拡散への懸念が存在したこと10、これまで述べてきたように市場心理が極度に悪化していたことなどから、総額570億ドルと、IMF史上最大の規模となった。IMF本体の210億ドルに世銀100億ドル、アジア開銀40億ドルの計350億ドルが第一線となり、これに日本の100億ドル、米国の50億ドル、欧州などの70億ドルを併せた220億ドルが第二線として用意された。
しかしながら、韓国が合意する頃までにはIMF自身がタイ以降への対応で強く批判を浴び、17日には補充準備制度(SupplementReserve Facility=SRF)を導入するなど、世界金融秩序維持そのものへの懸念が強まっていた。これに加えて韓国政府が対外資産を含めて債務の実態把握に手間取り、金融監督の杜撰さが表面化したこと、さらに大統領選挙を17日に控えた政治展望の不透明さなど固有の事情もあり、合意後の流動性危機は加速した。IMFは12月8日までの一次分55億ドル、22日までの二次分35億ドルに加え、24日には翌98年分のうち20億ドルを前倒し実施せざるを得なくなった。また、24日の前倒し支援に際しては豪州などが新たに加わったことから、韓国向け支援はこの時点では583.5億ドルにまで膨張した。結局、韓国はSRFの初めての適用国となり、60億ドルのスタンドバイ・ローンに加えてこのSRF資金135億ドルを受けることとなった。
一次の支援を受けるに当り、韓国は緊縮型マクロ政策運営、金融改革、貿易・資本の自由化、企業の透明性改善、労働市場の流動化など極めて幅広い改革に取り組むことをコンディショナリティに盛り込んだが、24日の支援追加でさらに①外国人投資限度枠の98年内撤廃、②債券市場の全面開放、③金融市場開放の日程確定、④貿易補助金の禁止、⑤利子上限規制の撤廃など一層、具体的で急激な市場開放を求められることとなった。
(2)日本の支援
韓国に対し、日本は二線準備の後、上限50億ドルのスワップ取り決めによって韓国の流動性を支援し、さらに10月には日韓首脳会談における支援合意を受けて、新宮澤構想下で、3件・33.5億ドル相当円の支援が行われることとなった。
1件目は99年1月、韓国中小企業銀行に対して行われた支援13億ドル相当円で、中小企業の設備投資や中長期運転資金を同銀行が供与するのに使用された。2件目は2月に決定された韓国電力公社(8億ドル相当円)と韓国ガス公社に対する支援(2.5億ドル相当円)で、資源備蓄に乏しい韓国の発電燃料用石炭の確保や、天然ガスの供給確保を目指したものであった。さらに3件目としては3月に開発金融機関である韓国産業銀行に対し、10億ドル相当円のアンタイド・ツー・ステップ・ローンが実施された。これは韓国が投資環境を改善し、外資誘致を円滑に行えるよう電力、通信、交通インフラ、省エネ関連などに対する支援を謳う一方、日本企業とのビジネス提携が円滑に進むよう支援することを目指したものであった。
なお、新宮澤構想には含まれないが、この他に98年5月に日本からの短期輸入決済資金として、韓国政府の保証によって輸出入銀行向けのツー・ステップ・ローン10億ドル相当円(1,300億円)が供与された。「卒業国」である韓国にはタイやフィリピンなどとは異なり、円借款が実施できないため、日本との貿易や企業活動の円滑化の観点からなされた措置であった
7に続きます。
これは メッセージ 2753 (jgeilsbandfreak さん)への返信です.
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