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11月21日 5

投稿者: jgeilsbandfreak 投稿日時: 2008/11/22 08:24 投稿番号: [2753 / 4504]
③「財閥」への経済力集中と小さな外資系企業のプレゼンス
  第三の点は危機以前の韓国が伝統的にそれほど直接投資に積極的ではなく、この姿勢を反映して借り手の大半が相対的に信用度の高い多国籍企業より、韓国の金融機関もしくは内部取引の発達した「財閥」系企業に集中したことである。従って韓国への民間資金の流れは米系企業が大量に進出し、多国籍企業への投融資を含んだメキシコや、日系企業が多く、融資の大半に親会社の保証がついたタイなどに比べ、貸し手と借り手間の情報の非対称性や資産のリスク評価の点で大きく異なるものとなっていた。しかも大口融資規制が「財閥」の内部取引構造によって形骸化するなか、危機以前には5大市中銀行資金の60%以上が上位10「財閥」に集中していたともいわれ、「財閥」の連鎖破綻は韓国の銀行の信用に大きな影を落とした。さらに海外投資の失敗を多く抱えた総合金融会社の3分の1程度も「財閥」系であり、タイやロシア、ブラジル危機などが「財閥」の財務基盤に与える影響は早くから懸念されたが、「財閥」は連結財務諸表を発表しておらず、当局による民間債務実態の発表も遅れた。
  以上のような構造は、いったん「財閥」系大企業の経営難が伝えられると、グループ全体の破綻が連想され、貸し手にとっては実態確認の手立てが少なく、また保証がないことから資金は急激に引き上げられることにつながった。また政府支援においても米国が94年のメキシコ危機で示したような果断で徹底した協力はどの国からも得られなかった。
  韓国内では日系金融機関による資金回収が危機の引き金となったとする説がほぼ定着しているが7、既に格付けの悪化によって自身のドル調達の途がかなり細り、香港当局の厳しい要請にも直面していた日系金融機関8の当時の状況では、親会社の保証がついた東南アジアの日系企業が優先されたのは自然ともいえた。また、韓国はIMF支援要請直前に日本に二カ国間救済を求めたが、日本がこれに応じることはなかった。在韓の日系企業が少ないこと、或いは多くの企業が日本企業と競合的な関係にあることは危機後、日系企業の資金調達難解消が大きな支援分野となったタイなどと比べ、日本にとっての支援名目が少なかったことを意味した。過去の排外的経済運営とこれに付随した流動性危機の体験は、韓国が後日の構造改革で東南アジア以上の積極性とスピードで直接誘致を進める一つのきっかけになった、と考えられる。

6に続きます。
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