対日講和条約草案の変遷その5
投稿者: sakurazaka3000 投稿日時: 2003/05/27 23:46 投稿番号: [1855 / 18519]
韓国政府の修正要求と米国による拒否
(韓国政府の意見書)
一九五一年三月の米国草案は、韓国にも交付された。これに対し韓国政府は、戦勝国としての
条約署名、対馬の「返還」、太平洋安保システムへの参加、在韓日本資産の接収等十一項目に
わたる要求を提出した。この段階では、竹島の領有にかかわる項目はなかつた。
次いで、韓国政府は、一九五一年六月の改訂米英草案(より正確にはその七月三日の時点での
改訂版)に対し、同年七月十九日付けで、再度意見書を提出した。梁祐燦(ヤンユチャン)駐米
大使から国務長官にあてた公文は次のとおりであつた。
《書簡を持って啓上いたします。本大使は、近時の改訂された対日平和条約草案に関する次の
要望を国務省において検討されたく、我が政府の訓令に基き閣下に提出する光栄を有します。
一 我が政府は、第二条a項の「放棄する」という語を、「朝鮮並びに済州島、巨文島、鬱陵島
、ドク島およびバラン島を含む日本による朝鮮の併合前に朝鮮の一部であつた島々に対する
すべての権利、権原および請求権を、一九四五年八月九日に放棄したことを確認する」と
置き換えるよう要望します。
二 …〈在韓日本資産接収・移転の承認〉…
三 …〈マッカーサー・ラインの存続〉
本官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。》
(駐米韓国大使とダレスとの会談)
右の(上の)韓国政府の意見書は、一九五一年七月十九日に行なはれた梁祐燦大使とダレスと
の会談の席上、米国側に手交された。同会談には、韓国側から韓豹?(ハンピョウク)一等書記官
、米国側から国務省のエモンズ(Arthur B. Emons、 3rd)朝鮮担当事務官が同席した。エモンズに
よる会談記録中、関係箇所は次のとおりである。
国大使は、本日午後二時、事前の面会約束によつてダレス氏を訪問した。会談の開始に際し、
韓国政府が対日平和条約中に組み入れることを考慮して欲しいと希望するいくつかの点を掲げる
国務長官あての公文(コピー添付)をダレス氏に提出した。
大使の伝達文を読んだ後、ダレス氏は、そこに掲げられた三点を議論した。第一点に関し、
ダレス氏は、日本の朝鮮に対する領土権放棄を確定する方式を、大韓民国の提案する形式で条約
に入れることができるか疑問であるとした。彼は、一九四五年八月九日の日本降伏文書の文言は
自動的にこの問題の正式かつ最終の決定を技術的には構成しないと説明した。しかし彼は、国務
省が日本の領土権放棄に一九四五年八月九日への遡及的効果を与える条項を条約中に入れること
を考慮するであろうと付け加えた。韓国大使は、もしそうなったなら彼の政府によって提起され
た点は満足されるであろうと思うと答えた。
ダレス氏は、韓国大使の伝達文第一項が対馬島に言及していないことを指摘し、韓国大使は
これが撤回されたことに同意した。次いでダレス氏は、ドク島およびパラン島二島の位置に
ついて尋ねた。ハン氏は、これらは日本海にある小島であり、だいたい鬱陵島の近くだと思うと
述べた。ダレス氏は、これらの島が日本の朝鮮併合前のものであつたかどうかを尋ね、大使は
肯定した。ダレス氏は、もしさうであれば条約中の日本による韓国領土の領土権放棄に関する
適当な箇所にこれらの島を入れることについて、特に問題はないとした。
大使の伝達文の第二項に関し、ダレス氏は、…〈以下省略。第二項は問題ない、第三項は言下
に不可能ということができる云々〉…
(つづく)
(韓国政府の意見書)
一九五一年三月の米国草案は、韓国にも交付された。これに対し韓国政府は、戦勝国としての
条約署名、対馬の「返還」、太平洋安保システムへの参加、在韓日本資産の接収等十一項目に
わたる要求を提出した。この段階では、竹島の領有にかかわる項目はなかつた。
次いで、韓国政府は、一九五一年六月の改訂米英草案(より正確にはその七月三日の時点での
改訂版)に対し、同年七月十九日付けで、再度意見書を提出した。梁祐燦(ヤンユチャン)駐米
大使から国務長官にあてた公文は次のとおりであつた。
《書簡を持って啓上いたします。本大使は、近時の改訂された対日平和条約草案に関する次の
要望を国務省において検討されたく、我が政府の訓令に基き閣下に提出する光栄を有します。
一 我が政府は、第二条a項の「放棄する」という語を、「朝鮮並びに済州島、巨文島、鬱陵島
、ドク島およびバラン島を含む日本による朝鮮の併合前に朝鮮の一部であつた島々に対する
すべての権利、権原および請求権を、一九四五年八月九日に放棄したことを確認する」と
置き換えるよう要望します。
二 …〈在韓日本資産接収・移転の承認〉…
三 …〈マッカーサー・ラインの存続〉
本官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。》
(駐米韓国大使とダレスとの会談)
右の(上の)韓国政府の意見書は、一九五一年七月十九日に行なはれた梁祐燦大使とダレスと
の会談の席上、米国側に手交された。同会談には、韓国側から韓豹?(ハンピョウク)一等書記官
、米国側から国務省のエモンズ(Arthur B. Emons、 3rd)朝鮮担当事務官が同席した。エモンズに
よる会談記録中、関係箇所は次のとおりである。
国大使は、本日午後二時、事前の面会約束によつてダレス氏を訪問した。会談の開始に際し、
韓国政府が対日平和条約中に組み入れることを考慮して欲しいと希望するいくつかの点を掲げる
国務長官あての公文(コピー添付)をダレス氏に提出した。
大使の伝達文を読んだ後、ダレス氏は、そこに掲げられた三点を議論した。第一点に関し、
ダレス氏は、日本の朝鮮に対する領土権放棄を確定する方式を、大韓民国の提案する形式で条約
に入れることができるか疑問であるとした。彼は、一九四五年八月九日の日本降伏文書の文言は
自動的にこの問題の正式かつ最終の決定を技術的には構成しないと説明した。しかし彼は、国務
省が日本の領土権放棄に一九四五年八月九日への遡及的効果を与える条項を条約中に入れること
を考慮するであろうと付け加えた。韓国大使は、もしそうなったなら彼の政府によって提起され
た点は満足されるであろうと思うと答えた。
ダレス氏は、韓国大使の伝達文第一項が対馬島に言及していないことを指摘し、韓国大使は
これが撤回されたことに同意した。次いでダレス氏は、ドク島およびパラン島二島の位置に
ついて尋ねた。ハン氏は、これらは日本海にある小島であり、だいたい鬱陵島の近くだと思うと
述べた。ダレス氏は、これらの島が日本の朝鮮併合前のものであつたかどうかを尋ね、大使は
肯定した。ダレス氏は、もしさうであれば条約中の日本による韓国領土の領土権放棄に関する
適当な箇所にこれらの島を入れることについて、特に問題はないとした。
大使の伝達文の第二項に関し、ダレス氏は、…〈以下省略。第二項は問題ない、第三項は言下
に不可能ということができる云々〉…
(つづく)
これは メッセージ 1841 (hangetsujoh さん)への返信です.
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