対日講和条約草案の変遷その2
投稿者: sakurazaka3000 投稿日時: 2003/05/27 23:44 投稿番号: [1852 / 18519]
一九四九・十一・二草案に対する意見書(文書)
右の電報で予告された文書でのコメントは、一九四九年十一月十九日付国務長官宛書簡
及び添付文書として送付された。「十一月二日条約草案に関する詳細なコメント」と題さ
れた添付文書は、第三条(日本の領土的範囲)について次のように記していた。《この条
の「規定の仕方」が日本の諦める領土及び日本の保持する領土を表現する実際的で便利な
方法であることは認める。
しかしながら、この条で用いられた線による画定方法は、深刻な心理的不利益を有する
と思われる。もし可能であれば、仮に付属書で数多くの領土を列挙する必要が生じるとし
てもなお、日本を線で取り囲むことを避ける別な表現方法を採用するよう勧告する。
我々は、積極的な文言で日本を領土的に定義する実際的な方法を探究することを提案す
る。すなわち、第三条をおおむね次のように変更する。草案第一項の最初の六行はその
ままにし、必要に応じ日本沖合の島名をさらに挙げ、続けて「及びそれらの島より日本
本土に近い他のすべての諸島」とし、「上記の区域内にあるすべての島は、三海里幅の
領海とともに、日本に属する。」という文言で第三条を閉じる。いずれにせよ、第二項
と地図の削除を勧告する。》
シーボルド駐日政治顧問は、続いて領土条項全般(放棄だけを規定して、帰属先は日本
以外の締約国間で定める等)、台湾の取扱い及び北方四島の取扱いについて提言したあと
、竹島について次のように述べた。《朝鮮方面で日本がかつて領有していた諸島の処分に
関し、リアンクール岩(竹島)が我々の提案にかかる第三条において日本に属するものと
して明記されることを提案する。この島に対する日本の領土主張は古く、正当と思われ、
かつそれを朝鮮沖合の島というのは困難である。また、合衆国の利害に関係のある問題と
して、安全保障の考慮からこの島に気象及びレーダー局を設置することが考えられるかも
しれない。》
一九四九・十二・二十九草案
シーボルド駐日政治顧問から竹島の領土であることについての指摘を受けた国務省は、
翌月すなわち一九四九年十二月二九日付の草案で、関係条文を修正した。まず、第二章
「領土条項」第三条の、日本の保持する島の列挙に竹島が加えられた。《日本の領土は、
四主要島である本州、九州、四国及び北海道並びに瀬戸内海の島々、対馬、竹島(リアン
クール岩)、隠岐列島、奥尻、佐渡、礼文、利尻及び対馬・竹島・礼文の外側の海岸を結ん
だ線の内側にある他のすべての日本海の諸島、五島列島、北緯二九度以北の琉球諸島
および東経一二七度以東北緯二九度以北の東シナ海にある他のすべての諸島、孀婦岩以北
の伊豆諸島及びフィリッピン海にあるこれより日本本土に近い他のすべての諸島、北緯
…〈中略〉…に引いた線より東南に位置する歯舞群島及び色丹を含むすべての隣接諸小島
からなる。上に掲げられたすべての諸島は、三海里幅の領海とともに日本に属する。》
次いで、朝鮮放棄条項である第六条から竹島が削除された。同条は、次のやうに規定す
る。
《日本は、ここに、朝鮮のために、朝鮮本土並びに済州島、巨文島、鬱陵島及び日本が
かねて権原を獲得したその他のすべての島嶼を含む、朝鮮のすべての沖合島嶼に対する
すべての権利及び権原を放棄する。》
(ここまでのまとめ)
竹島を朝鮮に含めていた米国務省の一九四九年十一月二日付け対日平和条約草案に対し、米駐日政治
顧問シーボルドは、電報及び文書によつてその誤りであることを指摘した。その結果、翌月すなわち
一九四九年十二月二九日付けで作成された平和条約草案においては、竹島が日本の保持する島に加えられ
、朝鮮放棄条項からは削除された。
(つづく)
右の電報で予告された文書でのコメントは、一九四九年十一月十九日付国務長官宛書簡
及び添付文書として送付された。「十一月二日条約草案に関する詳細なコメント」と題さ
れた添付文書は、第三条(日本の領土的範囲)について次のように記していた。《この条
の「規定の仕方」が日本の諦める領土及び日本の保持する領土を表現する実際的で便利な
方法であることは認める。
しかしながら、この条で用いられた線による画定方法は、深刻な心理的不利益を有する
と思われる。もし可能であれば、仮に付属書で数多くの領土を列挙する必要が生じるとし
てもなお、日本を線で取り囲むことを避ける別な表現方法を採用するよう勧告する。
我々は、積極的な文言で日本を領土的に定義する実際的な方法を探究することを提案す
る。すなわち、第三条をおおむね次のように変更する。草案第一項の最初の六行はその
ままにし、必要に応じ日本沖合の島名をさらに挙げ、続けて「及びそれらの島より日本
本土に近い他のすべての諸島」とし、「上記の区域内にあるすべての島は、三海里幅の
領海とともに、日本に属する。」という文言で第三条を閉じる。いずれにせよ、第二項
と地図の削除を勧告する。》
シーボルド駐日政治顧問は、続いて領土条項全般(放棄だけを規定して、帰属先は日本
以外の締約国間で定める等)、台湾の取扱い及び北方四島の取扱いについて提言したあと
、竹島について次のように述べた。《朝鮮方面で日本がかつて領有していた諸島の処分に
関し、リアンクール岩(竹島)が我々の提案にかかる第三条において日本に属するものと
して明記されることを提案する。この島に対する日本の領土主張は古く、正当と思われ、
かつそれを朝鮮沖合の島というのは困難である。また、合衆国の利害に関係のある問題と
して、安全保障の考慮からこの島に気象及びレーダー局を設置することが考えられるかも
しれない。》
一九四九・十二・二十九草案
シーボルド駐日政治顧問から竹島の領土であることについての指摘を受けた国務省は、
翌月すなわち一九四九年十二月二九日付の草案で、関係条文を修正した。まず、第二章
「領土条項」第三条の、日本の保持する島の列挙に竹島が加えられた。《日本の領土は、
四主要島である本州、九州、四国及び北海道並びに瀬戸内海の島々、対馬、竹島(リアン
クール岩)、隠岐列島、奥尻、佐渡、礼文、利尻及び対馬・竹島・礼文の外側の海岸を結ん
だ線の内側にある他のすべての日本海の諸島、五島列島、北緯二九度以北の琉球諸島
および東経一二七度以東北緯二九度以北の東シナ海にある他のすべての諸島、孀婦岩以北
の伊豆諸島及びフィリッピン海にあるこれより日本本土に近い他のすべての諸島、北緯
…〈中略〉…に引いた線より東南に位置する歯舞群島及び色丹を含むすべての隣接諸小島
からなる。上に掲げられたすべての諸島は、三海里幅の領海とともに日本に属する。》
次いで、朝鮮放棄条項である第六条から竹島が削除された。同条は、次のやうに規定す
る。
《日本は、ここに、朝鮮のために、朝鮮本土並びに済州島、巨文島、鬱陵島及び日本が
かねて権原を獲得したその他のすべての島嶼を含む、朝鮮のすべての沖合島嶼に対する
すべての権利及び権原を放棄する。》
(ここまでのまとめ)
竹島を朝鮮に含めていた米国務省の一九四九年十一月二日付け対日平和条約草案に対し、米駐日政治
顧問シーボルドは、電報及び文書によつてその誤りであることを指摘した。その結果、翌月すなわち
一九四九年十二月二九日付けで作成された平和条約草案においては、竹島が日本の保持する島に加えられ
、朝鮮放棄条項からは削除された。
(つづく)
これは メッセージ 1841 (hangetsujoh さん)への返信です.
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