国際法や司法裁判所による解決2
投稿者: ban_wol_seong 投稿日時: 2007/09/23 09:37 投稿番号: [15832 / 18519]
ひるがえって、現時点ではどうでしょうか。もし国際司法裁判所へ竹島=独島問題が付託されたら、はたして日本に勝ち目はあるでしょうか?
前章「松島渡海免許」論争に書いたように、今や「松島渡海免許」なるものは存在しなかったことが明らかにされました。
さらに必ずや新たな争点になるであろう太政官の竹島=独島版図外指令に関しては、外務省は「歴史的な事実などに対しては現在調査、分析中で、現時点では日本政府の立場でコメントできない((4))」というありさまです。
このコメントに端的に見られるように、日本政府は最近の研究成果に評価を決めかねている状態であり、とても裁判に臨めるような状況にはないようです。さらに、裁判になった場合はその報道をつうじて、明治政府が竹島=独島を版図外にした史実などが広く日本国民に知られるようになりますが、それに矛盾する「固有領土」説を主張していた外務省の立場は苦しくなるのは目に見えています。
そんな実状からすると、外務省が国際司法裁判所での解決を韓国に提案することは、実際にはあり得ないと思われます。
他方、日本が国際司法裁判所による解決を提案することは日韓条約に反します。同条約の交換公文は「両国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとし、これにより解決することができなかつた場合は、両国政府が合意する手続に従い、調停によって解決を図るものとする」と定めており、国際司法裁判所へ提訴する前に第三国へ調停を依頼する必要があります。
国際法を重視するなら、まずは日韓条約を順守して、国際司法裁判所を云々すべきではありません。また、たとえ日本が日韓条約を無視して一方的に国際司法裁判所に竹島=独島問題を提訴したとしても、韓国はそれに応じる義務はなく、それは単に政治宣伝の効果しかありません。それを国際法学者の芹田氏はこう記しました。
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国際司法裁判所に紛争を付託して解決するためには両当事国の合意がなければならない。日本は国際司法裁判所規程 第三十六条二項に基づく同裁判所の義務的管轄権 受諾宣言を一九五八年九月に行っており、「この宣言の日付以後の事態または事実に関して同日以後に発生するすべての紛争」については同一の相互条件で、相手国に訴えられた場合には、受けて立つことにしている。
しかし、韓国は、国連加盟以後も、裁判所の義務的管轄権を受諾する宣言を行っていない。たとえ韓国が加盟時に受諾宣言を行っていたとしても、紛争が李ライン設定によって一九五二年に発生したものと考えられれば、日本の受諾宣言が「この宣言の日付以後の事態または事実に関して同日以後に発生するすべての紛争」に限定している以上、特別の合意がない限り、裁判所による裁判で紛争を解決することはできない。
残された方法は、日本が一方的に国際司法裁判所に訴えるものである。しかし、現在の日本にはこの方法を採る意思があるとは思えないし、政治的には一方的付託はしてはならないものと思われる。
なぜなら、一方的付託の例は、冷戦時代にあったが、アルバニア領海のコルフ海峡における英国艦船の触雷事件に関して国連安全保障理事会の決議等もあり、英国が一方的にアルバニアを訴えて応訴意思を確認されたコルフ海峡事件以外には、米国が旧ソ連を相手に航空機撃墜事件を一方的に訴えた事件など応訴が無く、裁判所によって訴訟の中止の決定がなされているからである。
そして、こうした一方的提訴は、相手国が裁判所の管轄権を受諾していないことを知りつつ、相手国が裁判による平和的解決を回避する国であることを世界に知らしめようとするもので、裁判所の政治的利用として必ずしも好ましいものではないからである。
冷戦時代の敵対関係にある国同士ならいざ知らず、現在の日韓の関係はあえて相手国を貶めようとするような関係では全くない。ましてや、冷戦時代でさえ友好国であり、潜在的敵国関係にはない。((5))
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(つづく)
さらに必ずや新たな争点になるであろう太政官の竹島=独島版図外指令に関しては、外務省は「歴史的な事実などに対しては現在調査、分析中で、現時点では日本政府の立場でコメントできない((4))」というありさまです。
このコメントに端的に見られるように、日本政府は最近の研究成果に評価を決めかねている状態であり、とても裁判に臨めるような状況にはないようです。さらに、裁判になった場合はその報道をつうじて、明治政府が竹島=独島を版図外にした史実などが広く日本国民に知られるようになりますが、それに矛盾する「固有領土」説を主張していた外務省の立場は苦しくなるのは目に見えています。
そんな実状からすると、外務省が国際司法裁判所での解決を韓国に提案することは、実際にはあり得ないと思われます。
他方、日本が国際司法裁判所による解決を提案することは日韓条約に反します。同条約の交換公文は「両国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとし、これにより解決することができなかつた場合は、両国政府が合意する手続に従い、調停によって解決を図るものとする」と定めており、国際司法裁判所へ提訴する前に第三国へ調停を依頼する必要があります。
国際法を重視するなら、まずは日韓条約を順守して、国際司法裁判所を云々すべきではありません。また、たとえ日本が日韓条約を無視して一方的に国際司法裁判所に竹島=独島問題を提訴したとしても、韓国はそれに応じる義務はなく、それは単に政治宣伝の効果しかありません。それを国際法学者の芹田氏はこう記しました。
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国際司法裁判所に紛争を付託して解決するためには両当事国の合意がなければならない。日本は国際司法裁判所規程 第三十六条二項に基づく同裁判所の義務的管轄権 受諾宣言を一九五八年九月に行っており、「この宣言の日付以後の事態または事実に関して同日以後に発生するすべての紛争」については同一の相互条件で、相手国に訴えられた場合には、受けて立つことにしている。
しかし、韓国は、国連加盟以後も、裁判所の義務的管轄権を受諾する宣言を行っていない。たとえ韓国が加盟時に受諾宣言を行っていたとしても、紛争が李ライン設定によって一九五二年に発生したものと考えられれば、日本の受諾宣言が「この宣言の日付以後の事態または事実に関して同日以後に発生するすべての紛争」に限定している以上、特別の合意がない限り、裁判所による裁判で紛争を解決することはできない。
残された方法は、日本が一方的に国際司法裁判所に訴えるものである。しかし、現在の日本にはこの方法を採る意思があるとは思えないし、政治的には一方的付託はしてはならないものと思われる。
なぜなら、一方的付託の例は、冷戦時代にあったが、アルバニア領海のコルフ海峡における英国艦船の触雷事件に関して国連安全保障理事会の決議等もあり、英国が一方的にアルバニアを訴えて応訴意思を確認されたコルフ海峡事件以外には、米国が旧ソ連を相手に航空機撃墜事件を一方的に訴えた事件など応訴が無く、裁判所によって訴訟の中止の決定がなされているからである。
そして、こうした一方的提訴は、相手国が裁判所の管轄権を受諾していないことを知りつつ、相手国が裁判による平和的解決を回避する国であることを世界に知らしめようとするもので、裁判所の政治的利用として必ずしも好ましいものではないからである。
冷戦時代の敵対関係にある国同士ならいざ知らず、現在の日韓の関係はあえて相手国を貶めようとするような関係では全くない。ましてや、冷戦時代でさえ友好国であり、潜在的敵国関係にはない。((5))
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(つづく)
これは メッセージ 15831 (ban_wol_seong さん)への返信です.
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