島根県『フォトしまね』批判4
投稿者: ban_wol_seong 投稿日時: 2006/10/09 19:57 投稿番号: [14959 / 18519]
注目点;その5、国際司法裁判所
『フォトしまね』の巻頭言において島根県の澄田信義知事は、国際司法裁判所に関してこう記しました。
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もとより領土問題は、すぐれて国家間の問題であり、両国の外交努力により平和的に解決されるべきものです。このため、国に対しては、国民の理解を深める努力をお願いするとともに、国際司法裁判所に判断を仰ぐべきではないかとの提案を行っているところです。
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島根県の知事は国際司法裁判所による解決も考慮にいれているようですが、「竹島問題研究会」がまとめたと思われる『フォトしまね』本文の方には国際司法裁判所の話は、年表以外にまったく登場しません。
それというのも「竹島問題研究会」の下條座長がそうした解決に反対しているので自然な成りゆきです。同氏は、かつてCSスカパー256ch「ニュースの深層」5月15日放送の番組「竹島問題 現状と今後の課題」で30分以上熱弁をふるいましたが、その中で裁判による解決に反対し、こう語りました(注4)。
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それ(国際司法裁判所による解決)はやめたほうがいいと思いますね。韓国との間ではそこまでもっていかないで、交流をつづけるなかで問題を解決する道をさぐっていくのが賢明だと思っています。これは100年、200年後のことを考えて。
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ちなみに国際司法裁判所による解決は、現時点では日韓条約の精神に反します。同条約の交換公文は、外交で解決できない紛争は「両国政府が合意する手続に従い,調停によつて解決を図るものとする」と定めており、国際司法裁判所へ提訴する前に第3国へ調停を依頼する必要があります。これは韓国政府の主張を強く反映した結果でした(注5)。
注目点;その6、サンフランシスコ条約
外務省のホームページは同条約について簡単に<日本がその独立を承認し、すべての権利、権原及び請求権を放棄した「朝鮮」に竹島が含まれていないことは、米国記録公開文書等で明らかである>と記すのみでした。
これでは最近の外務省が、竹島=独島をサンフランシスコ講和条約で日本領に確定したと考えるのかどうか、あるいはSCAPIN 677号を引き継いで竹島=独島を統治している韓国の既得権益をどう考えるのかなどについては何も知ることはできません。
これに対し『フォトしまね』は、サンフランシスコ講和条約を積極的に解釈し、小見出しで「条約の締結、発効で日本領土に」と断定しました。そうした解釈が成り立つのかどうか、たぶんに疑問です。それを内藤正中氏はこう述べました。
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問題は、一九四九年(昭和二十四)十二月の第六次草案で、日本が保持する領土に竹島を加える修正が行われたが、それがそのまま平和条約に反映されたわけではないということである。
一九五一年(昭和二十六)四月のイギリス案では、経度緯度により線引きをして日本が保持する島を特定する方式がとられ、竹島はその線の外側、すなわち韓国側に位置づけられていたのである。この案を支持していたニュージーランドは、「主権紛争を残さないようにすることを確保する必要性」を主張していた。しかしアメリカはこれに反対し、日本が主権を放棄する領域だけを挙げることで連合国の合意をとりつけ、最終案をまとめたのである。
そのためもあってか、竹島については何らの記述もされなかった。竹島を明確に日本領としようとした日本の要求は認められなかったのである。一方、平和条約の非調印国である韓国も、独島(竹島)を韓国領とするようにアメリカに働きかけをしていたが、この韓国の要求も実現しなかった。アメリカは、日本領と断定しなかったことで、韓国にも配慮したというわけである。
要するに、対日平和条約に竹島についての言及がないのは、アメリカが竹島(独島)の領有権について決着させないで、意図的にアイマイにした結果であるといってよい。外務省の川上健三が「未解決地域の一つ」になったとする所以である。
したがって、報告書がいうように、国際法の原則が、領土問題は平和条約によるものとしても、平和条約に何らの記述もないものを「竹島が含まれたと読み解くのが適切である」などと、勝手な解釈をするのは如何かと思われる。まさに未解決のままで残されている問題というべきであろう(注6)。
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(つづく)
『フォトしまね』の巻頭言において島根県の澄田信義知事は、国際司法裁判所に関してこう記しました。
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もとより領土問題は、すぐれて国家間の問題であり、両国の外交努力により平和的に解決されるべきものです。このため、国に対しては、国民の理解を深める努力をお願いするとともに、国際司法裁判所に判断を仰ぐべきではないかとの提案を行っているところです。
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島根県の知事は国際司法裁判所による解決も考慮にいれているようですが、「竹島問題研究会」がまとめたと思われる『フォトしまね』本文の方には国際司法裁判所の話は、年表以外にまったく登場しません。
それというのも「竹島問題研究会」の下條座長がそうした解決に反対しているので自然な成りゆきです。同氏は、かつてCSスカパー256ch「ニュースの深層」5月15日放送の番組「竹島問題 現状と今後の課題」で30分以上熱弁をふるいましたが、その中で裁判による解決に反対し、こう語りました(注4)。
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それ(国際司法裁判所による解決)はやめたほうがいいと思いますね。韓国との間ではそこまでもっていかないで、交流をつづけるなかで問題を解決する道をさぐっていくのが賢明だと思っています。これは100年、200年後のことを考えて。
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ちなみに国際司法裁判所による解決は、現時点では日韓条約の精神に反します。同条約の交換公文は、外交で解決できない紛争は「両国政府が合意する手続に従い,調停によつて解決を図るものとする」と定めており、国際司法裁判所へ提訴する前に第3国へ調停を依頼する必要があります。これは韓国政府の主張を強く反映した結果でした(注5)。
注目点;その6、サンフランシスコ条約
外務省のホームページは同条約について簡単に<日本がその独立を承認し、すべての権利、権原及び請求権を放棄した「朝鮮」に竹島が含まれていないことは、米国記録公開文書等で明らかである>と記すのみでした。
これでは最近の外務省が、竹島=独島をサンフランシスコ講和条約で日本領に確定したと考えるのかどうか、あるいはSCAPIN 677号を引き継いで竹島=独島を統治している韓国の既得権益をどう考えるのかなどについては何も知ることはできません。
これに対し『フォトしまね』は、サンフランシスコ講和条約を積極的に解釈し、小見出しで「条約の締結、発効で日本領土に」と断定しました。そうした解釈が成り立つのかどうか、たぶんに疑問です。それを内藤正中氏はこう述べました。
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問題は、一九四九年(昭和二十四)十二月の第六次草案で、日本が保持する領土に竹島を加える修正が行われたが、それがそのまま平和条約に反映されたわけではないということである。
一九五一年(昭和二十六)四月のイギリス案では、経度緯度により線引きをして日本が保持する島を特定する方式がとられ、竹島はその線の外側、すなわち韓国側に位置づけられていたのである。この案を支持していたニュージーランドは、「主権紛争を残さないようにすることを確保する必要性」を主張していた。しかしアメリカはこれに反対し、日本が主権を放棄する領域だけを挙げることで連合国の合意をとりつけ、最終案をまとめたのである。
そのためもあってか、竹島については何らの記述もされなかった。竹島を明確に日本領としようとした日本の要求は認められなかったのである。一方、平和条約の非調印国である韓国も、独島(竹島)を韓国領とするようにアメリカに働きかけをしていたが、この韓国の要求も実現しなかった。アメリカは、日本領と断定しなかったことで、韓国にも配慮したというわけである。
要するに、対日平和条約に竹島についての言及がないのは、アメリカが竹島(独島)の領有権について決着させないで、意図的にアイマイにした結果であるといってよい。外務省の川上健三が「未解決地域の一つ」になったとする所以である。
したがって、報告書がいうように、国際法の原則が、領土問題は平和条約によるものとしても、平和条約に何らの記述もないものを「竹島が含まれたと読み解くのが適切である」などと、勝手な解釈をするのは如何かと思われる。まさに未解決のままで残されている問題というべきであろう(注6)。
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(つづく)
これは メッセージ 14958 (ban_wol_seong さん)への返信です.
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