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姓と苗字(大村益次郎の場合)

投稿者: gades_pluton_1930 投稿日時: 2004/07/05 01:54 投稿番号: [9449 / 43168]
以下は、司馬遼太郎の小説「花神」に登場するエピソードです。

百姓身分であった村田蔵六が
長州藩で正規の藩士の身分(士分)にとりたてられた際、
面倒だと思いながらも、藩士としての名乗りを考える場面があります。
結局、彼は「大村益次郎」(1824-1869)と名乗るわけですが、
厳密には名の構成は、下のようになります。

姓・・・藤原
苗字・・・大村
諱(いみな)・・・永敏
通称・・・益次郎

「花神」では、村田蔵六が父の孝益に対して、
自分の新しい名を報告する場面がありますが、
このやりとりが結構笑えます。

-- (以下、原文を抜粋) --
「で、姓はどうした」
と、孝益はきいた。
「大村ですが」
蔵六は、不審そうにいった。
「いや、源平藤橘のほうだ」
「ああ、そのほうは藤原氏にしました」
と、蔵六はいったが、正規の藩士ともなればそういうものまで要る。
-- (抜粋終わり) --

上記の会話は、司馬遼太郎の創作ではありますが、
もう幕末となると、言葉の使い方として、
姓と苗字の厳密な区別はおこなっていなかったのではないかと、思われます。

実際、明治初年に布告された太政官令によって、
姓と苗字、諱と通称は統合され、
そして夫婦は同一の苗字を使用することになりました。
当の明治の元勲たち自身が、姓と苗字の区別を煩わしいと思っていたのではないでしょうか。
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