Re: 森博達『日本書紀の秘密』つづき
投稿者: bosintang 投稿日時: 2006/09/13 00:23 投稿番号: [3082 / 3669]
全30巻より成る〈日本書紀〉を,森教授は「アルファ群」(巻14〜21,巻24〜27)と「ベータ群」(巻1〜13,巻22〜23,巻28〜29),そしてどちらにも属さない巻30に分類し,続いてそれぞれの執筆者を追跡した。アルファ群を執筆した人物は中国の「正統的漢文」に精通していたものの日本の事情には疎かった,唐の学者というのが彼の結論だ。一方ベータ群の〈日本書紀〉を執筆したのは「正統的漢文」は下手だが仏教の漢文の教養を備えた学者だ。
驚くべきことに森教授は,一歩踏み込んでそれぞれの執筆者を特定した。さまざまな歴史書の記録を研究した結果を土台として,彼はアルファ群の執筆者が新羅・唐連合軍と百済の戦いで百済の捕虜になり,後に日本に渡って来た唐の学者「ソクスオン(ショクシュゲン)」と「サルホングガク(サツゴガク)」であると断定した。さらには二人が分担して執筆したそれぞれの巻を明らかにした。
ベータ群は,この二人の学者の死後に書かれた。今度は山田史御方 (ヤマダノフヒトミガタ)という学者が主導して〈日本書紀〉を執筆した。ミガタは新羅に留学した僧侶だった。 森教授は「フヒト(史)」という姓からわかるように,ミガタは韓半島からの渡来人がその先祖」であり「ベータ群の表記と文章には新羅漢文の影響がある」と書いた。
さらにはベータ群に書かれた一部の漢字は中国にはなく,韓半島の三国時代に作られた異体字で,いくつかの文章は新羅時代の吏読の用法と一致するという点も明らかにした。 新羅人もしくは新羅人二世あたりの人が新羅で勉強してから帰国し,新羅式漢文を取り混ぜて〈日本書紀〉を書いたという推定が可能だ。そして最後の巻30はキノアソミキヨヒトという日本人学者が仕上げた。
この研究が示唆することは少なくない。彼は〈日本書紀〉のさまざまな歴史の叙述に対してはまったく言及していないが,「神道が〈日本書紀〉を聖なるものに祭り上げ自らの宗教観を説明するのに利用」した結果,〈日本書紀〉が科学的研究の対象ではなく神格化された文書として受けとられてきたことを批判した。〈日本書紀〉の実証的研究に先鞭をつけた18世紀の学者,本居宣長についても「編纂の意図を無批判に信じたため〈日本書紀〉に創作(操作)があるということから目をそむけた」と批判した。つまるところ,森教授が挙げた学問的業績は〈日本書紀〉の「神話」を越え,事実と虚構を腑分けできる新しい道を開拓したことにある。
アンスチャン記者 ahn@hani.co.kr
http://www.hani.co.kr/arti/culture/book/153460.html
今度本屋で探してみます。結語のアナグラムがどう訳されているか、見たくもあるし。
驚くべきことに森教授は,一歩踏み込んでそれぞれの執筆者を特定した。さまざまな歴史書の記録を研究した結果を土台として,彼はアルファ群の執筆者が新羅・唐連合軍と百済の戦いで百済の捕虜になり,後に日本に渡って来た唐の学者「ソクスオン(ショクシュゲン)」と「サルホングガク(サツゴガク)」であると断定した。さらには二人が分担して執筆したそれぞれの巻を明らかにした。
ベータ群は,この二人の学者の死後に書かれた。今度は山田史御方 (ヤマダノフヒトミガタ)という学者が主導して〈日本書紀〉を執筆した。ミガタは新羅に留学した僧侶だった。 森教授は「フヒト(史)」という姓からわかるように,ミガタは韓半島からの渡来人がその先祖」であり「ベータ群の表記と文章には新羅漢文の影響がある」と書いた。
さらにはベータ群に書かれた一部の漢字は中国にはなく,韓半島の三国時代に作られた異体字で,いくつかの文章は新羅時代の吏読の用法と一致するという点も明らかにした。 新羅人もしくは新羅人二世あたりの人が新羅で勉強してから帰国し,新羅式漢文を取り混ぜて〈日本書紀〉を書いたという推定が可能だ。そして最後の巻30はキノアソミキヨヒトという日本人学者が仕上げた。
この研究が示唆することは少なくない。彼は〈日本書紀〉のさまざまな歴史の叙述に対してはまったく言及していないが,「神道が〈日本書紀〉を聖なるものに祭り上げ自らの宗教観を説明するのに利用」した結果,〈日本書紀〉が科学的研究の対象ではなく神格化された文書として受けとられてきたことを批判した。〈日本書紀〉の実証的研究に先鞭をつけた18世紀の学者,本居宣長についても「編纂の意図を無批判に信じたため〈日本書紀〉に創作(操作)があるということから目をそむけた」と批判した。つまるところ,森教授が挙げた学問的業績は〈日本書紀〉の「神話」を越え,事実と虚構を腑分けできる新しい道を開拓したことにある。
アンスチャン記者 ahn@hani.co.kr
http://www.hani.co.kr/arti/culture/book/153460.html
今度本屋で探してみます。結語のアナグラムがどう訳されているか、見たくもあるし。
これは メッセージ 3081 (bosintang さん)への返信です.
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