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関川夏央『退屈な迷宮』

投稿者: bosintang 投稿日時: 2002/09/20 13:40 投稿番号: [1222 / 3669]
関川夏央『退屈な迷宮−「北朝鮮」とは何だったのか』(新潮社,1992)

79年頃から始まった関川のコリア研究の,その時点での総決算の書。今となってはもう古い(金日成がまだ生きていた)本だけど,現代の神権国家,北朝鮮を理解するための最良の書の一つ。
巻末の「朝鮮半島および関連事項略年表」は詳細を極め,資料的価値が高い。

サブタイトルの「「北朝鮮」とは何だったのか」は過去形になっているが,これについて著者は
「〜かつての冷戦下のような近隣国の援助が事実上絶たれた以上,現在あるような体制での国家形態持続が困難なのは自明である。副題をあえて過去形にしたのはそういう見通しを示したのであるとともに,80年代前半まで日本社会に伏流して一時的情緒的な加担さえさせた北朝鮮への幻想は,この際はっきり打ち消し拭いさったほうがよいという遠慮がちな提案をも含ませたためである」
と述べている。

しかし,この本が出て,10年。北朝鮮は健在である。
人道的に見て,北朝鮮は,もっと早くに滅びるべき国家だった。このような国家が21世紀になってもまだ生きながらえているのは,人類に対する犯罪である。

北の延命にもっとも責任が重いのは金大中の太陽政策だが(金大中は,後世,非人道国家北朝鮮を延命させたという失策のみによって記憶される可能性が高い),北への弱腰外交を続けてきた日本の責任も大きい。
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