先達の苦労2
投稿者: samurai_03_japanjp 投稿日時: 2005/10/09 01:42 投稿番号: [28496 / 49973]
【貿易不振の要因】
為替の手段が全く無いわけではないが、その手数料が不当に高くてこれに頼ることは難しいと言う。
[思うに不規則にして恐るべき事情もあるだろう。]
これらの事情により貿易の振興は甚だ期し難いものである。
しかしながら今後、東莢府中などを自由に往き来し、貸し売り等の方途が開け
[東莢府中には諸地方から公館に貿易する者は多いが、日本人に慣れ親しんでいないところから東莢府の人に託して貿易をすることがあるが、
仲買人などで日本商民が門を出て直接に責め到る恐れが無いのをよいことに詐欺をする者があり、
ために日本商民は危ぶんで存分の貿易をする事が出来ない。]
又は韓銭相場が自然と下がれば金銀なども買って引き合うことに至り、諸物貨も併せて今日よりも進歩する日もあろうか。
官吏の貿易を障害する者を排除し[甚だ難しいが]、我が国の商民を近村の人民と互いに往来自由にさせれば一層の進歩となろう。
しかしそうなっても予想するに、朝鮮政府はひとつの変革もしないので、
本港だけの所では出入り物価の高も年間6、70万ないし8、90万円を越すことはないだろう。
今朝鮮が最も需要の多いのは金巾類であり、それでも年に僅かに13、4万円の高を輸入する。
思うにこの国は全体に綿花の産が少ない国柄であり、国産の木綿は粗悪であり、
[上品もあるが頗る高価である。]
晴れ着などに使うのは金巾類を要するのが一般慣習となっている。
されば、当面国中の人民およそ8分の1ぐらいは年に一揃いぐらいの衣裳は必ず用いるものと思われるにより、
ここに国中8道の人口を少なくとも1800万人と仮定し、そのうち慶尚、全羅、忠清、江原の4道は日本から輸入するとすれば
この人口は900万人であるから、この8分の1の人口すなわち112万5千人にて、金巾1本を4人で用いるとするなら、
[我が国で(1人)1着と称するが、朝鮮は1人分には2着分以上なければ不足となる]
その数28万1250本であり、その値[朝鮮での相場]は102万4500余円である。それであるから、
朝鮮が今輸入するところの金巾類一年分の需要の額を引いても
[8、90万円分の金巾類が不足していると見積もって]
なお日本から輸入する金巾類が4道の需要から甚だ不足していると見る事が出来る。
そのほか、我が国の物貨を朝鮮の商人が求めていて得られず、我が国の商人が売ろうとして出来ない、
などの事情が勝っていることは言うまでもない。
[朝鮮の民は皆貧しさに落ち着いていて何も強く求めない情実がある。
しかし勿論これらは生産者でもあるが、金巾にあれ何にあれ、
目の前に商品を見せねば買う意欲も出ないところから、
我が国の商人が朝鮮の小商人を使って仕入れと称して貸し売りをするが、
この者どもは甚だ悪弊あって、その為に我が国の商人が倒れるに至る者がある。]
今、これら貿易が進展しない理由をまとめれば、朝鮮は国産品が多くない上に運送の便がなく、
金銀貨の通用がなく、政府は外国人が多く入国するのを忌み、新珍なる物を嫌い
[賄賂用には奇なる物を求める者が無いわけではないが、もっぱら庶民のそれを扱うことを嫌うと見える。]、
日朝人民の交際を妨げ、本港の全体は昔の人家離れて和館内で固まっていた時と異ることがないなどによる。
そもそも、貿易振興の為に緊急を要する事は、朝鮮の官吏に条約を信守遵奉させて
[朝鮮側は日本を拒む事においては(条項を楯に)「条約金石の如し」と言って
その他の条項はないかのように言いつのってしきりにこちらを弱めようとする。]、
東莢府および遊歩範囲内は両国人民往来を平均化させることにある。
しかし、古来から朝鮮の吏民は日本人を忌み嫌い蔑視するの情がある。
今なおそうなのでこの件は殊に至難である。
(続く)
為替の手段が全く無いわけではないが、その手数料が不当に高くてこれに頼ることは難しいと言う。
[思うに不規則にして恐るべき事情もあるだろう。]
これらの事情により貿易の振興は甚だ期し難いものである。
しかしながら今後、東莢府中などを自由に往き来し、貸し売り等の方途が開け
[東莢府中には諸地方から公館に貿易する者は多いが、日本人に慣れ親しんでいないところから東莢府の人に託して貿易をすることがあるが、
仲買人などで日本商民が門を出て直接に責め到る恐れが無いのをよいことに詐欺をする者があり、
ために日本商民は危ぶんで存分の貿易をする事が出来ない。]
又は韓銭相場が自然と下がれば金銀なども買って引き合うことに至り、諸物貨も併せて今日よりも進歩する日もあろうか。
官吏の貿易を障害する者を排除し[甚だ難しいが]、我が国の商民を近村の人民と互いに往来自由にさせれば一層の進歩となろう。
しかしそうなっても予想するに、朝鮮政府はひとつの変革もしないので、
本港だけの所では出入り物価の高も年間6、70万ないし8、90万円を越すことはないだろう。
今朝鮮が最も需要の多いのは金巾類であり、それでも年に僅かに13、4万円の高を輸入する。
思うにこの国は全体に綿花の産が少ない国柄であり、国産の木綿は粗悪であり、
[上品もあるが頗る高価である。]
晴れ着などに使うのは金巾類を要するのが一般慣習となっている。
されば、当面国中の人民およそ8分の1ぐらいは年に一揃いぐらいの衣裳は必ず用いるものと思われるにより、
ここに国中8道の人口を少なくとも1800万人と仮定し、そのうち慶尚、全羅、忠清、江原の4道は日本から輸入するとすれば
この人口は900万人であるから、この8分の1の人口すなわち112万5千人にて、金巾1本を4人で用いるとするなら、
[我が国で(1人)1着と称するが、朝鮮は1人分には2着分以上なければ不足となる]
その数28万1250本であり、その値[朝鮮での相場]は102万4500余円である。それであるから、
朝鮮が今輸入するところの金巾類一年分の需要の額を引いても
[8、90万円分の金巾類が不足していると見積もって]
なお日本から輸入する金巾類が4道の需要から甚だ不足していると見る事が出来る。
そのほか、我が国の物貨を朝鮮の商人が求めていて得られず、我が国の商人が売ろうとして出来ない、
などの事情が勝っていることは言うまでもない。
[朝鮮の民は皆貧しさに落ち着いていて何も強く求めない情実がある。
しかし勿論これらは生産者でもあるが、金巾にあれ何にあれ、
目の前に商品を見せねば買う意欲も出ないところから、
我が国の商人が朝鮮の小商人を使って仕入れと称して貸し売りをするが、
この者どもは甚だ悪弊あって、その為に我が国の商人が倒れるに至る者がある。]
今、これら貿易が進展しない理由をまとめれば、朝鮮は国産品が多くない上に運送の便がなく、
金銀貨の通用がなく、政府は外国人が多く入国するのを忌み、新珍なる物を嫌い
[賄賂用には奇なる物を求める者が無いわけではないが、もっぱら庶民のそれを扱うことを嫌うと見える。]、
日朝人民の交際を妨げ、本港の全体は昔の人家離れて和館内で固まっていた時と異ることがないなどによる。
そもそも、貿易振興の為に緊急を要する事は、朝鮮の官吏に条約を信守遵奉させて
[朝鮮側は日本を拒む事においては(条項を楯に)「条約金石の如し」と言って
その他の条項はないかのように言いつのってしきりにこちらを弱めようとする。]、
東莢府および遊歩範囲内は両国人民往来を平均化させることにある。
しかし、古来から朝鮮の吏民は日本人を忌み嫌い蔑視するの情がある。
今なおそうなのでこの件は殊に至難である。
(続く)
これは メッセージ 28495 (samurai_03_japanjp さん)への返信です.
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