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つづき7

投稿者: crawlingchaos_g 投稿日時: 2005/09/26 21:43 投稿番号: [7676 / 62227]
3.2.先住民捕鯨復活
  1991年12月25日ゴルバチョフ大統領が辞任し、ソビエト社会主義共和国連邦は崩壊した。社会主義国家としてのソ連邦、あるいは共産主義のイデオロギーの功罪は歴史が判断するのでここでは触れない。ただ、一般的に言えることは、全体としての国家の維持・発展のために、少数民族の権利がないがしろにされてきたことは事実である。もちろん国家の援助による少数民族の最低限の生活は保障されていたが、文化の多様性は一切考慮されなかった。その一例が政府の捕鯨船による先住民生存捕鯨であった。鯨を捕獲できない(してはならない)捕鯨民。そういう文化的抑圧がまかり通ったのである。
  ところが、ソ連邦が崩壊、ロシアが誕生して状況は一転した。ソ連邦時代の市場原理を無視した計画経済の結果、財政は破綻、十分な社会保障は不可能となり、社会のあらゆる局面において規制緩和、自由化が余儀なくされたのである。
  チュコト半島の先住民も表面的には政治的・経済的自由を回復した。そのかわりロシア政府からの援助は乏しくなった。生きる自由は取り戻したが、命の保障はなくなったのである。以下、チュコト半島の先住民ユピット、チュクチの今日的姿をみていく(地図1)。
  チュコト半島のアナディール湾側に位置するシレニキは人口約550人(1997年)、そのうちユピットが63%、チュクチが29%を占めるユピット中心の村である(RUSSIAN FEDERATION 2002: 14)。
  ソ連邦崩壊の結果、かつては2万頭以上飼育され、主要食料源・収入源であったトナカイの遊牧は存続不可能となり、シレニキの住民は経済的に大打撃を受け、野生食料資源(wildlife resources)に大きく依存するようになった(RUSSIAN FEDERATION 2002:13)。
  2001年の住民1人当たり年間野生食料資源消費量は141kg、そのうち海産哺乳類が54%を占め、その海産哺乳類の中ではセイウチが62%、アゴヒゲアザラシが19%、コククジラが15%となっている(RUSSIAN FEDERATION 2002:19)。かつては忌避されていたコククジラも近年、重要な食料資源の一部となりつつある。
  1989年以降、米ソ(米ロ)のユピットの相互交流が再開され、チュコトカのユピットのもとに米国アラスカのユピットから現代的な捕鯨道具が入ってくるようになり、ホッキョククジラ捕鯨への関心が再生してきた(KERTTULA 2000: 159)。
  その結果、1994年にはアラスカのユピットから提供されたボンブ・ランスを用いて1972年以来久々にホッキョククジラ1頭が捕獲されている。そのホッキョククジラには若者が一番銛を打ち込み、別人が仕留めたが、ホッキョククジラは一番銛を打ち込んだ若者に帰属すると考えられていた(KERTTULA 2000: 160)。最後のホッキョククジラがシレニキで捕獲されてから20年以上が経過していたが、一番銛を打ち込んだ者を中心とするホッキョククジラ捕鯨の伝統は継承されていたのであった。
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