さあ!諸君!捕鯨問題だ!

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つづき6

投稿者: crawlingchaos_g 投稿日時: 2005/09/26 21:42 投稿番号: [7675 / 62227]
  19世紀半ばから終わりにかけての商業捕鯨者によるホッキョククジラの乱獲の結果、ベーリング海峡の両側でホッキョククジラが捕れにくくなり、チュコト半島では1940〜1950年代にかけてホッキョククジラ捕鯨からコククジラ捕鯨に移行し、ユピット、チュクチの鯨捕りたちのホッキョククジラ捕鯨に基づく伝統的文化は変わらざるを得なかったが、さらに共産主義政権下では政治的要因も加わり、政府の捕鯨船による先住民のための捕鯨が採用され、捕鯨文化は一層歪められてしまった。
  この政府の捕鯨船による国営捕鯨もある見方からすれば、「亡失鯨問題を除去し、苛酷で危険な仕事から人々を救済した」(IVASHIN and MINEEF 1981: 504)となる。確かに捕獲成功率の観点からはそうかもしれない。しかし、同時に人々から生きる意味を奪ってしまったのも事実である。自らを育んできた文化から切り離され、生のみ与えられたとしてもそこに人生を見い出せるであろうか。
  シレニキの住民が1972年に最後のホッキョククジラを捕った時、村にある5捕鯨チーム全てが捕鯨、曳航、解体に積極的に参加し、捕獲された鯨は昔と同様に一番銛を打ち込んだキャプテンから名前を受け取り、全村民が鯨肉、脂皮の加工に参加し、その製品の一部は近隣の村にも分配された(KRUPNIK 1987:28-29)。当然のことではあるが国営捕鯨からはこういう姿は見られない。
  そもそもホッキョククジラ資源の涸渇についても、ユピットやチュクチとは全く関係のない商業捕鯨者の乱獲に起因するものであり、その災いがチュコトカの鯨捕りたちにホッキョククジラ捕鯨からコククジラ捕鯨への移行という形になってあらわれた。そのうえ、自国政府あるいは国際捕鯨委員会から捕鯨に制限を加えられてはたまったものではない。困難な状況下で自らの伝統的捕鯨文化の存続に苦闘している人々には特別の配慮が与えられてしかるべきである。文化を根絶やしにされ生きる意味が失われる前に、ホッキョククジラ捕鯨は復活させられなければならない。
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