つづき1
投稿者: crawlingchaos_g 投稿日時: 2005/09/25 23:29 投稿番号: [7658 / 62227]
2.アラスカの捕鯨文化
2.1.ホッキョククジラ捕鯨
アラスカの先住民イヌピアット(Inupiat)とユピット(Yupiit)は2000年以上にわたってホッキョククジラ捕鯨に従事しており(BRAUND1997:3)、今日においてもホッキョククジラ捕鯨は彼らの生活において中心的地位を占めている。アラスカでは伝統的にガンベル、サヴーンガ、ウェールズ、キヴァリナ、ポイント・ホープ、ウェインライト、バロー、ヌイクスット、カクトヴィクの9村落を中心にして捕鯨が行われてきており、1950年から1980年にかけて上記9村落他でホッキョククジラ505頭、コククジラ47頭が捕獲されている(MARQUETTE and BRAHAM 1982: 390)。
捕獲頭数を一瞥しただけでホッキョククジラの捕獲が圧倒的に優越していることがわかる。 1992年以降は上記9村落に加えて新たにリトル・ダイオミードでもホッキョククジラ捕鯨が開始され、2002年現在、10村落でホッキョククジラ捕鯨が行われている(FREEMAN
et al.1998: 119)。
冬をベーリング海で過ごしたホッキョククジラは、春にセント・ローレンス島とチュコト半島の間からベーリング海峡を通過し、アラスカ北西岸沿いに北上、ボーフオート海に入り、バンクス諸島付近およびマッケンジー川デルタ地帯で夏を過ごし、秋になると反転、アラスカ北岸をウランゲリ島付近まで西進し、そこからロシアの海岸沿いに南下し、北ベーリング海に戻ってくる(MARQUETTE 1978: 18-19)。
春の捕鯨シーズンは最南に位置するガンベル、サヴーンガで4月初頭に始まり、5月末から6月初頭にかけてポイント・ホープ、バローで終わる。一方、秋の捕鯨シーズンはカナダ国境沿いの最東端のカクトヴィクで8月末から9月初頭にかけて始まり、10月初
頭バローで終わる(MARQUETTE 1976, 1978)。 この定期的なホッキョククジラの回遊パターン、およびそれに合わせた捕鯨活動は人々に強く認識されており、鯨の所有権に関する慣習法の基礎となっている。全捕鯨村落における鯨の所有権に関する最も基本的な決まりは、一番銛を打ち込み、所有権を印したキャプテンおよびそのクルーに絶対的な権利を与えており、それはそのクルーが鯨を殺すことに成功しなかったとしても、あるいはそのクルーが追跡をやめ、他のクルーが鯨を回収してきたとしても変わりはない(WORL 1980: 315-316)。たとえ鯨から同時に複数の銛が見つかったとしても、春の回遊の場合は、鯨は南から北に向かうので最南に位置するグループが一番銛を打ち込んだと想定され、所有権が確定する(WORL1980: 315)。ただし、これは鯨の所有権に関する理論上の決まりであり、現実には鯨肉の分配時に、実質的に鯨の捕獲に功績のあったクルーに対して配慮を加えることによって労力が報われるシステムとなっている。すなわち、一番銛を打ち込んだけれども鯨を放棄した、あるいは亡失したキャプテンは、分配時に自らが受け取る権利のある部分の一部を実際に鯨を殺した、あるいは回収してきたグループに引き渡すのである(WORL 1980: 316)。
2.1.ホッキョククジラ捕鯨
アラスカの先住民イヌピアット(Inupiat)とユピット(Yupiit)は2000年以上にわたってホッキョククジラ捕鯨に従事しており(BRAUND1997:3)、今日においてもホッキョククジラ捕鯨は彼らの生活において中心的地位を占めている。アラスカでは伝統的にガンベル、サヴーンガ、ウェールズ、キヴァリナ、ポイント・ホープ、ウェインライト、バロー、ヌイクスット、カクトヴィクの9村落を中心にして捕鯨が行われてきており、1950年から1980年にかけて上記9村落他でホッキョククジラ505頭、コククジラ47頭が捕獲されている(MARQUETTE and BRAHAM 1982: 390)。
捕獲頭数を一瞥しただけでホッキョククジラの捕獲が圧倒的に優越していることがわかる。 1992年以降は上記9村落に加えて新たにリトル・ダイオミードでもホッキョククジラ捕鯨が開始され、2002年現在、10村落でホッキョククジラ捕鯨が行われている(FREEMAN
et al.1998: 119)。
冬をベーリング海で過ごしたホッキョククジラは、春にセント・ローレンス島とチュコト半島の間からベーリング海峡を通過し、アラスカ北西岸沿いに北上、ボーフオート海に入り、バンクス諸島付近およびマッケンジー川デルタ地帯で夏を過ごし、秋になると反転、アラスカ北岸をウランゲリ島付近まで西進し、そこからロシアの海岸沿いに南下し、北ベーリング海に戻ってくる(MARQUETTE 1978: 18-19)。
春の捕鯨シーズンは最南に位置するガンベル、サヴーンガで4月初頭に始まり、5月末から6月初頭にかけてポイント・ホープ、バローで終わる。一方、秋の捕鯨シーズンはカナダ国境沿いの最東端のカクトヴィクで8月末から9月初頭にかけて始まり、10月初
頭バローで終わる(MARQUETTE 1976, 1978)。 この定期的なホッキョククジラの回遊パターン、およびそれに合わせた捕鯨活動は人々に強く認識されており、鯨の所有権に関する慣習法の基礎となっている。全捕鯨村落における鯨の所有権に関する最も基本的な決まりは、一番銛を打ち込み、所有権を印したキャプテンおよびそのクルーに絶対的な権利を与えており、それはそのクルーが鯨を殺すことに成功しなかったとしても、あるいはそのクルーが追跡をやめ、他のクルーが鯨を回収してきたとしても変わりはない(WORL 1980: 315-316)。たとえ鯨から同時に複数の銛が見つかったとしても、春の回遊の場合は、鯨は南から北に向かうので最南に位置するグループが一番銛を打ち込んだと想定され、所有権が確定する(WORL1980: 315)。ただし、これは鯨の所有権に関する理論上の決まりであり、現実には鯨肉の分配時に、実質的に鯨の捕獲に功績のあったクルーに対して配慮を加えることによって労力が報われるシステムとなっている。すなわち、一番銛を打ち込んだけれども鯨を放棄した、あるいは亡失したキャプテンは、分配時に自らが受け取る権利のある部分の一部を実際に鯨を殺した、あるいは回収してきたグループに引き渡すのである(WORL 1980: 316)。
これは メッセージ 7657 (crawlingchaos_g さん)への返信です.
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