第3回議事概要(6月1日)(3)
投稿者: r13812 投稿日時: 2011/07/08 19:44 投稿番号: [54819 / 62227]
そこで本題に入っていきたいと思います。捕鯨紛争の発端が1972年6月、
ストックホルム国連人間環境会議、このときの捕鯨10年停止決議。モラトリ
アムというのは、もともとは経済用語で、紙幣と金との交換を一時停止する
ということに使われたのが初めでありますけれども、「一時停止」と訳すの
が正しいわけですね。これが発端になります。けれども、極めて政治的な提
案でありましたから、その後この問題は急速に解決に向かいます。
また、1972年にはもう一つ大きな国連会議が開催されています。国連海洋
法会議がそれで、1958年ジュネーブで国連海洋法4条約に代わる新しい海洋
法条約をつくるための審議がカラカスで開始されたのが同じ年の8月です。
だから、1970年代を要約しますと、一方では欧米を中心に反捕鯨運動がもっ
とも激しく燃え盛った10年であったと同時に、それを背景に、世界の新しい
国際法秩序を決めるための努力が重ねられた10年ということになります。国
連海洋法会議は10年という年月をかけて1982年国連海洋法条約を完成させて
います。
IWCと国連海洋法会議の双方の実務的責任者として、私にももっとも印象
的な10年でした。
ストックホルムでは反捕鯨は大変政治的な問題になりますけれども、IW
Cではこの問題はあっさり解決いたしました。ストックホルム会議が終わっ
て2週間後にIWC会議がありまして、私もストックホルムからIWCのほ
うに参ったわけでありますけれども、科学委員会が開かれ、ここでストック
ホルム決議が付託されました。私は見ていまして、これは大変な議論になる
ぞということを覚悟していたのですけれども、開会の一番初めにアメリカの
ワシントン大学の教授であったダグラス・チャップマンという議長が、スト
ックホルムの捕鯨10年停止決議には科学的な根拠がない、そういう決議を採
択しようではないかと提案したわけです。
ストックホルム会議で活躍したウィリアム・アロン博士なども出席されて
いましたから、何か波乱があるのではないかと思ったのですが、あっさりこ
の決議には科学的な根拠がないということになった。根拠と言わないで、英
語では“Justification”(正当性)というのが正確な文言でありますけれ
ども。翌年にも同じ決議をしていますけれども、翌年には文言が足されまし
た。“ Scientific Justification”のほかに、生物学的な必要性もない、
“Biological needs”という言葉を使っています。ということになって、科
学委員会が、ストックホルム決議に科学的根拠なしと判定し、以後、この問
題は急速に収束にいくわけです。
1973年には、実質的にはアメリカの提案でありますけれども、豪州から新
しい資源管理方式が提案されました。日本としてはすぐには賛成しえなかっ
たのですけれども―科学的な問題を抱えていますし、論争を複雑にするので
はないかということで、もっと明確な基準にしたほうがいいのではないかと
思っていたのですけれども―背に腹は換えられないし、当時は17カ国であり
まして、南氷洋捕鯨をしているのは日本とソ連だけで、科学委員会にしろ、
本会議にしろ、日本が違った主張をしても通らないわけですから、日本もこ
れを飲んだわけであります。それで一応収拾をしたということになります。
これを「NMP」とよんでいます、NMPのNはNEW(新しい)、Mは
Management(管理)、PというのはProcedures(手続)ということです。
ストックホルム国連人間環境会議、このときの捕鯨10年停止決議。モラトリ
アムというのは、もともとは経済用語で、紙幣と金との交換を一時停止する
ということに使われたのが初めでありますけれども、「一時停止」と訳すの
が正しいわけですね。これが発端になります。けれども、極めて政治的な提
案でありましたから、その後この問題は急速に解決に向かいます。
また、1972年にはもう一つ大きな国連会議が開催されています。国連海洋
法会議がそれで、1958年ジュネーブで国連海洋法4条約に代わる新しい海洋
法条約をつくるための審議がカラカスで開始されたのが同じ年の8月です。
だから、1970年代を要約しますと、一方では欧米を中心に反捕鯨運動がもっ
とも激しく燃え盛った10年であったと同時に、それを背景に、世界の新しい
国際法秩序を決めるための努力が重ねられた10年ということになります。国
連海洋法会議は10年という年月をかけて1982年国連海洋法条約を完成させて
います。
IWCと国連海洋法会議の双方の実務的責任者として、私にももっとも印象
的な10年でした。
ストックホルムでは反捕鯨は大変政治的な問題になりますけれども、IW
Cではこの問題はあっさり解決いたしました。ストックホルム会議が終わっ
て2週間後にIWC会議がありまして、私もストックホルムからIWCのほ
うに参ったわけでありますけれども、科学委員会が開かれ、ここでストック
ホルム決議が付託されました。私は見ていまして、これは大変な議論になる
ぞということを覚悟していたのですけれども、開会の一番初めにアメリカの
ワシントン大学の教授であったダグラス・チャップマンという議長が、スト
ックホルムの捕鯨10年停止決議には科学的な根拠がない、そういう決議を採
択しようではないかと提案したわけです。
ストックホルム会議で活躍したウィリアム・アロン博士なども出席されて
いましたから、何か波乱があるのではないかと思ったのですが、あっさりこ
の決議には科学的な根拠がないということになった。根拠と言わないで、英
語では“Justification”(正当性)というのが正確な文言でありますけれ
ども。翌年にも同じ決議をしていますけれども、翌年には文言が足されまし
た。“ Scientific Justification”のほかに、生物学的な必要性もない、
“Biological needs”という言葉を使っています。ということになって、科
学委員会が、ストックホルム決議に科学的根拠なしと判定し、以後、この問
題は急速に収束にいくわけです。
1973年には、実質的にはアメリカの提案でありますけれども、豪州から新
しい資源管理方式が提案されました。日本としてはすぐには賛成しえなかっ
たのですけれども―科学的な問題を抱えていますし、論争を複雑にするので
はないかということで、もっと明確な基準にしたほうがいいのではないかと
思っていたのですけれども―背に腹は換えられないし、当時は17カ国であり
まして、南氷洋捕鯨をしているのは日本とソ連だけで、科学委員会にしろ、
本会議にしろ、日本が違った主張をしても通らないわけですから、日本もこ
れを飲んだわけであります。それで一応収拾をしたということになります。
これを「NMP」とよんでいます、NMPのNはNEW(新しい)、Mは
Management(管理)、PというのはProcedures(手続)ということです。
これは メッセージ 54818 (r13812 さん)への返信です.
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