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動物油は北欧州食文化/ナチスと日新丸3

投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/08/23 19:20 投稿番号: [46988 / 62227]
J. N. TONNESSEN   &   A.O. JOHNSEN著『THE HISTORY OF MODERN WHALING』
367ページ以下
【第21章/1927-1931年の拡大】つづき


ドイツは欧州油脂市場において、4つの違った意味で主要な役割を
果たしていた。

第一に、ドイツはかなりの量のマーガリン生産を行っていたが、
その98%は輸入原材料に頼っていた。欧州全体でのマーガリン生産は
1930年で年間120万トンだったが、ドイツはこの3分の一強を
生産していた。たとえば1928年にはドイツのマーガリン生産量は
49万6000トンであり、1931年には45万トンだった。生産量第二位は
英国で、三位はオランダだった。

第二に、米国に次いで、ドイツは世界第二のバター生産国だった。
1931年には両国はそれぞれ97万6000トンと42万トンのバターを
生産していた。デンマークがこれに次ぎ、19万5000トンを生産した。

第三に、ドイツは膨大な量のバターを生産していたにもかかわらず、
これで国内需要をまかなうことができず、著しい量を輸入していた。
1930年の輸入量は13万1000トンだった(英国は34万1000トン)。

第四に、ドイツは他の欧州諸国一国の二倍以上の固形油性植物原料を
輸入しており、これを原料として巨大な北ドイツ搾油産業が成立して
いた。この産業は国内で必要とする以上の植物油を生産し、かなりの
部分を輸出していた。ある意味でこの「余剰」植物油は副産物だった。
同時に生産される搾り滓が、膨大な量のバターを生産するドイツ農業に
とって決定的に重要だったのである。

ドイツ1930年代の油脂問題と通貨(外為)政策を理解するためには
マーガリン生産の98%とバター生産の48%が輸入原料に依存していた
ということを思い起こすのが決定的に重要である。

この関係のいかなる変化も、直接、間接にドイツの鯨油輸入、捕鯨政策に
影響を与える。

1934年まで、ドイツの油脂輸入は実際にはユニリーバ社が自社の
ドイツ油脂産業に供給する油脂とまったく同じものだということを
意味していた。ユニリーバはノルウェー鯨油生産のほとんど全部を
買い上げていたので、英国が主要な買い手だとの印象に根拠を与えた。

しかしその大部分はユニリーバドイツ社の工場に送られていた
のである。1934年以前には英国、オランダ、ドイツが欧州マーガリン
生産の四分の三を生産していた。しかしどの国が輸入国になろうとも、
輸入業者はいつも同じだった。ユニリーバである(形式的にはその
系列会社、ユニリーバローマテリアル社;Unilever Raw Materials Ltd)。

1929-30年に大トラストが成立すると、ユニリーバグループはマーガリン
販売とその利益で記録を樹立する。ユニリーバ社は手当たり次第、
すべての鯨油を購入する必要があり、1929−30年と1930−31年の
すべての鯨油生産を比較的良い価格で青田買いしていた。

(つづく)
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