否決されたモナコ案
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/03/30 20:33 投稿番号: [43244 / 62227]
あれだけ大騒ぎして否決しちゃったんだから、日本国民としては
否決したモナコ案の概要ぐらいは知っておくべきでしょうね。
アルベール2世からして海洋生物学に造詣の深い人だから、非常に
しっかりした内容ですよ。
http://www.cites.org/eng/cop/15/prop/E-15-Prop-19.pdf
CoP15 Prop. 19
ワシントン野生動植物取引規制条約
第15回締約国会議、ドーハ(カタール)
2010年3月13−25日
附則書IおよびII改正のための提案協議
【条約第2条1にもとづきタイセイヨウクロマグロ (Thunnus
thynnus (Linnaeus, 1758))をCITES 附属書Iに加える提案】
[要 約]
1.タイセイヨウクロマグロは北大西洋とその接続海域、特に
地中海に生息する。通常沿岸部と外洋の表層および表層下部に
おり、海表から水深200mのところに生息する。
2.この魚種は大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT) により、
2系群(東系群と西系群)として管理されているが、これは
産卵場が離れていること、遺伝子的に違いがあること、性的成熟
に達する年齢が違うこと、北大西洋中央部では産卵しないという
ことが明らか、という理由による。しかし両系群の回遊域は
相当程度にオーバーラップしている。
3.成熟年齢に達するのは、東大西洋と地中海では4−6歳、
西大西洋では8−12歳である。産卵が始まるのはメキシコ湾では
3月。地中海東部では5−6月に産卵が行われ、地中海中央部と
西部では6−7月に産卵する。
4.最近の遺伝子研究、Riccioni et al. (2009) は地中海に強い空間的
遺伝構造があることを示しており、これは再生産に関して別離している
複数の亜系群あるいは下位個体群があることを示唆している。
これらの亜系群または下位個体群は遺伝子的に有効個体数が低い
(Ne=400ー700)ことを特徴としいる。これは長期的に見て、
遺伝子多様性と進化のポテンシャルを維持する上でのリスクを
ともなっているということを意味する。
5.2008年に ICCATの科学者たちが行った東大西洋・地中海
系群の、1955―2007年の期間を対象とする捕獲推定数に基づく
ヴァーチャル個体数分析は、2007年の産卵群バイオマスを
78,724トンと推定した。この数値は1958年と推定される
ピーク時のバイオマス量305,136トン、および1997年に対して
推定された201,476トンと比較しうる。
1957年から2007年にかけての50年の歴史的区間で起った減少の
絶対幅が74.2%と推定され、そのうちの大きな部分(60.9%)が
最近の10年間で起っている。
6.西部大西洋系群でのこれに対応する分析は、2007年の産卵群
バイオマスを8,693トンと推定しており、これは1970年の49,482トン
と比較可能であり、38年間の歴史的経過で82.4%の減少幅を見た
ことになる。
1970年代と1980年代の過剰漁獲がこの減少を招いた。
管理努力はいまだに資源の回復をもたらしてはいない。
減少時以降産卵群バイオマスは比較的安定して推移しており、
漁獲以前のバイオマスの約15−18%にとどまっている。
7.Taylor et al. (2009) の研究は、東西大西洋双方の系群で、
歴史的減少幅がICCATによる推定より大きい可能性があることを
示している(産卵群は現在歴史的ベースライン#の20%以下)。
___
<<#歴史的ベースライン:ここでは初期資源量と同義。>>
否決したモナコ案の概要ぐらいは知っておくべきでしょうね。
アルベール2世からして海洋生物学に造詣の深い人だから、非常に
しっかりした内容ですよ。
http://www.cites.org/eng/cop/15/prop/E-15-Prop-19.pdf
CoP15 Prop. 19
ワシントン野生動植物取引規制条約
第15回締約国会議、ドーハ(カタール)
2010年3月13−25日
附則書IおよびII改正のための提案協議
【条約第2条1にもとづきタイセイヨウクロマグロ (Thunnus
thynnus (Linnaeus, 1758))をCITES 附属書Iに加える提案】
[要 約]
1.タイセイヨウクロマグロは北大西洋とその接続海域、特に
地中海に生息する。通常沿岸部と外洋の表層および表層下部に
おり、海表から水深200mのところに生息する。
2.この魚種は大西洋まぐろ類保存国際委員会 (ICCAT) により、
2系群(東系群と西系群)として管理されているが、これは
産卵場が離れていること、遺伝子的に違いがあること、性的成熟
に達する年齢が違うこと、北大西洋中央部では産卵しないという
ことが明らか、という理由による。しかし両系群の回遊域は
相当程度にオーバーラップしている。
3.成熟年齢に達するのは、東大西洋と地中海では4−6歳、
西大西洋では8−12歳である。産卵が始まるのはメキシコ湾では
3月。地中海東部では5−6月に産卵が行われ、地中海中央部と
西部では6−7月に産卵する。
4.最近の遺伝子研究、Riccioni et al. (2009) は地中海に強い空間的
遺伝構造があることを示しており、これは再生産に関して別離している
複数の亜系群あるいは下位個体群があることを示唆している。
これらの亜系群または下位個体群は遺伝子的に有効個体数が低い
(Ne=400ー700)ことを特徴としいる。これは長期的に見て、
遺伝子多様性と進化のポテンシャルを維持する上でのリスクを
ともなっているということを意味する。
5.2008年に ICCATの科学者たちが行った東大西洋・地中海
系群の、1955―2007年の期間を対象とする捕獲推定数に基づく
ヴァーチャル個体数分析は、2007年の産卵群バイオマスを
78,724トンと推定した。この数値は1958年と推定される
ピーク時のバイオマス量305,136トン、および1997年に対して
推定された201,476トンと比較しうる。
1957年から2007年にかけての50年の歴史的区間で起った減少の
絶対幅が74.2%と推定され、そのうちの大きな部分(60.9%)が
最近の10年間で起っている。
6.西部大西洋系群でのこれに対応する分析は、2007年の産卵群
バイオマスを8,693トンと推定しており、これは1970年の49,482トン
と比較可能であり、38年間の歴史的経過で82.4%の減少幅を見た
ことになる。
1970年代と1980年代の過剰漁獲がこの減少を招いた。
管理努力はいまだに資源の回復をもたらしてはいない。
減少時以降産卵群バイオマスは比較的安定して推移しており、
漁獲以前のバイオマスの約15−18%にとどまっている。
7.Taylor et al. (2009) の研究は、東西大西洋双方の系群で、
歴史的減少幅がICCATによる推定より大きい可能性があることを
示している(産卵群は現在歴史的ベースライン#の20%以下)。
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<<#歴史的ベースライン:ここでは初期資源量と同義。>>
これは メッセージ 43241 (monnkuii5gou さん)への返信です.
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