Re: グリーンピース海賊化事件
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/11/13 19:08 投稿番号: [39388 / 62227]
>で、「政治的目的であれば海賊とはされない」という例はまだなんですか?
はは、話は簡単ですよ。
この判決の1986年以後、船を持った環境保護団体がほとんど毎年いたるところで
似たような事件を起こしているけれど、どの国の司法当局もそういう事件を
海賊事件として立件してません。
「私的目的」という海賊の要件を満たしていないという判断からでしょう。
「海賊」と定義できるならば、世界のすべての裁判所に司法管轄権が
発生するのだから、寄港先いたるところで訴訟が起って当然という
状況です。
これだけでもうあなたとの話は終わってます。
日本で海賊対策法を立法するにあたり、海賊の定義をきちんとやらずに、
「自衛隊が」、「自衛隊の」、「自衛隊による」という部分にばかり
論議が集中したのは異常だったですが、こういう偏向を正してゆくのは
現在の国会議員の国内法/国際法に関するコンセプチュアルな能力水準
向上という「異変」が起らなければ不可能でしょう。
国によって「海賊」の定義が異なるというのは理論的にも可能だし、
実際歴史的にはそうだったのですが、国際法上の定義を統一化し、
各国国内法定義の違いを明確化しておかないと、国際協力で常に齟齬が
生じ、国内に原因不明の欲求不満世論を作り出すということになります。
ベルギーの司法について言っておくと、1990年代後半からこの国では、
人道犯罪に関しては事件発生地、被害者、加害者の国籍と関係なく、
ベルギーの裁判所にはただちに司法管轄権が生ずるという、きわめて
国際普遍性の高い理論を採用しています。
米国人がイラクでイラク人に対して行った人道犯罪容疑に関しても、
ブリュッセルの司法当局に直接的に司法管轄権が生ずるという構図です。
1986年の破棄院グリーンピース判決も、こういう方向へ至る一つの試行
錯誤の過程と見ることができます。
おそらく自民党や日本の国家官僚の常識からすると受け入れがたい
法意識かと思われますが。
これは メッセージ 39387 (marique625 さん)への返信です.
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