近代産業の野生生物利用不能論
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/07/26 06:49 投稿番号: [36754 / 62227]
(つづき)
過去の出来事や、将来の出来事に関して合意形成が難しいことの原因は、
大規模システム内で制御された、再現可能な実験をやってみることが
不可能だというところにある。将来事象に関しては特に難しい。
したがって異なった解釈が入り込む大きな範囲が存在する。
管理への実験的アプローチは、それがいかなるものでも大きな障害を
ともなう。実験は生産を(少なくとも短期間)縮小させることになり、
しかも将来の生産増加を保証したりはしない(8)。
永年にわたり周到なモニタリングが行われている太平洋シャケの系群において
さえ、現在の捕獲が多かれ少なかれ最適量に近いところにあるということを、
何らかの信頼度で主張することはできない。なぜならばそう言うために必要な
実験は、産業に短期間のロスをもたらすからである(9)。
漁獲努力を削減せずして持続的な生産量を推定することは不可能だ
ということは、統計的な論議から提示すことができる(10)。
まず最初に資源が過剰収穫されるということがないと、持続可能捕獲量
は達成できないないというのがこの議論の示すところだ。
漁業の理解と予測で経験したような難しさは、地球温暖化やその他、
大気圏内の諸変化等、主要な懸念材料を理解し、予測しようという時にも
より大きなスケールで桎梏となる。
時間スケールが長過ぎて、観察研究が適宜にとるべき処方を提示したり、
補正手段をとらないときの結果予測をおこなうことが出来ないということも
よくある。
科学的確実性と合意が、それ自体資源の乱獲と破壊を阻止するわけではない。
行われている操業が究極的に破壊的であるという十分な量の科学的証拠が
あっても、事業は継続される。
乾燥地への灌漑がこの例として顕著だ。3000年ほど前のシュメールで、
かつては生産性の高かった小麦畑が大麦生産へと切り替えられた。
大麦のほうが塩に強かったからである。土地の塩分上昇は灌漑の結果
だった。
1899年にE. W.ヒルガードは、計画されていたカリフォルニアの灌漑に
関して似たような予測をしていた(12)。彼の警告は聞き入れられな
かった(13)。
3000年に及ぶ経験と現象、原因、予防手段に関する良好な科学知識は
資源の誤用とその結果としての破壊を妨げるには十分ではなかったのである。
これは メッセージ 36753 (aplzsia さん)への返信です.
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