Re: 非捕殺調査による食性研究の例
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/05/14 07:37 投稿番号: [34451 / 62227]
昨日の論文要約、かなり誤字脱字があったので訳し直そうかと思ったけど、
本文の最初のほうが要約よりもわかりやすいので、そっちを貼っときます。
これも2月にイタリア、シエナで開かれた「気候変動ワークショップ」で
取り扱われた論文だね。
=============================
http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/workshops/climate%20change/SC-60-BRG23.pdf
SC/60/BRG23
Foraging behaviour of southern right whales (Eubalaena
australis) inferred from variation of carbon stable isotope
ratios in their baleen
髭板の炭素安定同位体比率の変動から推定するミナミセミクジラの摂食行動
V.J. Rowntree, L.O. Valenzuela, P. Franco Fraguas, J. Seger
[導 入]
ミナミセミクジラは南大洋を広範にカバーする摂食経路を持つカイアシ類とオキアミ類の
主要な消費者である。
彼らは数千キロメートルも離れた繁殖地と摂食地の間を回遊する(Best et al., 1993)。
アルゼンチン、ヴァルデス半島周辺の内海を繁殖海域として利用するミナミセミクジラ
個体群は、サウスジョージア(南極)海域でオキアミ(Euphausia superba)の生息数が
少ない年に続く一年には、新生鯨数が期待値よりも低い(Leaper et al., 2006)。
エルニーニョに続く年には、サウスジョージア周辺の表層海水温が通常より高く、
オキアミ生息数は低下する(Trathan et al., 2006)。
オキアミは南大洋食物ウェブの鍵となる構成部分である。オキアミの幼生は海氷シートの
底面に繁殖する氷藻類(ice-algae)を食物として広範に利用する。
地球温暖化は南極圏の海氷シートを溶かし、オキアミに重大な影響を及ぼすと同時に、
その結果としてオキアミ補食者である大型鯨類にも影響を及ぼしうる。
Murphy et al. (2007)の立論によると、スコシア海で次の百年間に摂氏1°の温度上昇が起ると、
オキアミ生物量が95%減少するということである。
オキアミに依存する補食者たちはオキアミの減少に適応できるのだろうか?
パタゴニアのセミクジラから得られた皮膚バイオプシーの遺伝子および安定同位元素
分析によると、この個体群は摂食場所を母親たちから学び、同じ場所で摂食を続ける、
その結果潜在的に保守的な母系の家族摂食「伝統」を作り出している、ということが
示されている(Valenzuela et al., SC/60/BRG13)。
これら様々な視点から、セミクジラ摂食ストラテジーのあり得る帰結を理解するため
には、われわれはまずセミクジラたちが早春に繁殖地を離れて、個々にあるいは集団で
どこへ移動するのかということを知らなければならない。
ここではわれわらは、髭板の長手に沿った炭素同位体比率の変化を測ることによる
セミクジラ各個体の摂食経路研究の方法を説明する。
5頭の鯨のこの記録分析は、この鯨たちが少なくとも3通りの異なった摂食ストラテジー
を持っており、個々の摂食経過は年によっても変化するということを示した。
このような分析を毎年、知られている気候および餌種の生息数変動と合わせて
継続すると、セミクジラの気候および餌量の長期的変化に対する反応を知ることが
できる。
本文の最初のほうが要約よりもわかりやすいので、そっちを貼っときます。
これも2月にイタリア、シエナで開かれた「気候変動ワークショップ」で
取り扱われた論文だね。
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http://www.iwcoffice.org/_documents/sci_com/workshops/climate%20change/SC-60-BRG23.pdf
SC/60/BRG23
Foraging behaviour of southern right whales (Eubalaena
australis) inferred from variation of carbon stable isotope
ratios in their baleen
髭板の炭素安定同位体比率の変動から推定するミナミセミクジラの摂食行動
V.J. Rowntree, L.O. Valenzuela, P. Franco Fraguas, J. Seger
[導 入]
ミナミセミクジラは南大洋を広範にカバーする摂食経路を持つカイアシ類とオキアミ類の
主要な消費者である。
彼らは数千キロメートルも離れた繁殖地と摂食地の間を回遊する(Best et al., 1993)。
アルゼンチン、ヴァルデス半島周辺の内海を繁殖海域として利用するミナミセミクジラ
個体群は、サウスジョージア(南極)海域でオキアミ(Euphausia superba)の生息数が
少ない年に続く一年には、新生鯨数が期待値よりも低い(Leaper et al., 2006)。
エルニーニョに続く年には、サウスジョージア周辺の表層海水温が通常より高く、
オキアミ生息数は低下する(Trathan et al., 2006)。
オキアミは南大洋食物ウェブの鍵となる構成部分である。オキアミの幼生は海氷シートの
底面に繁殖する氷藻類(ice-algae)を食物として広範に利用する。
地球温暖化は南極圏の海氷シートを溶かし、オキアミに重大な影響を及ぼすと同時に、
その結果としてオキアミ補食者である大型鯨類にも影響を及ぼしうる。
Murphy et al. (2007)の立論によると、スコシア海で次の百年間に摂氏1°の温度上昇が起ると、
オキアミ生物量が95%減少するということである。
オキアミに依存する補食者たちはオキアミの減少に適応できるのだろうか?
パタゴニアのセミクジラから得られた皮膚バイオプシーの遺伝子および安定同位元素
分析によると、この個体群は摂食場所を母親たちから学び、同じ場所で摂食を続ける、
その結果潜在的に保守的な母系の家族摂食「伝統」を作り出している、ということが
示されている(Valenzuela et al., SC/60/BRG13)。
これら様々な視点から、セミクジラ摂食ストラテジーのあり得る帰結を理解するため
には、われわれはまずセミクジラたちが早春に繁殖地を離れて、個々にあるいは集団で
どこへ移動するのかということを知らなければならない。
ここではわれわらは、髭板の長手に沿った炭素同位体比率の変化を測ることによる
セミクジラ各個体の摂食経路研究の方法を説明する。
5頭の鯨のこの記録分析は、この鯨たちが少なくとも3通りの異なった摂食ストラテジー
を持っており、個々の摂食経過は年によっても変化するということを示した。
このような分析を毎年、知られている気候および餌種の生息数変動と合わせて
継続すると、セミクジラの気候および餌量の長期的変化に対する反応を知ることが
できる。
これは メッセージ 34380 (aplzsia さん)への返信です.
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