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目的は商業捕鯨再開ではなく調査捕鯨継続

投稿者: r13812 投稿日時: 2009/04/05 07:48 投稿番号: [33024 / 62227]
http://bk2.kkuri.cache.waseda.ac.jp/~kkuri/seeps2008/abst/2039_rtufaLN3.pdf

3.分析結果
IWCの議事録や公式文書、筆者らが実際にIWCにオブザーバー参加した参与観察のデータを分析した結果、日本は調査捕鯨を開始した1980年代後半から、いずれの外交戦略も遂行したことはないことが判明した。それよりはむしろ、調査捕鯨を優先させる形で対立を煽り、モラトリアムの解除がいっそう困難になるように外交を展開してきたとみるほうが妥当である。第一の戦略に関しては例えば、日本は豪州に対し、捕鯨条約の精神を尊重していないとして前代未聞の脱退勧告を行っている。第二点に関しては、調査捕鯨が激しい批判を受けていることから一目瞭然である。第三点に関する具体例としては、反捕鯨国だけでなく、日本の味方になってくれるはずの沿岸捕鯨を容認する国々も調査捕鯨の根拠となっている捕鯨条約第8条の改正を要求しているが、日本はこの要求を含めて、譲歩したことは一切ない。第四の戦略に関しては、日本が具体的な脱退戦略を構築した形跡はまったくない。
ウォルフレンと米本のモデルから導出されたインセンティブは、行政の無謬性神話を維持することと、行政の管轄、予算、人員の拡大、である。これらのインセンティブはすべて、商業捕鯨再開(捕鯨産業の民営化)ではなくIWCの現状維持(現状維持による無謬性の確保と、実質的に国有化されている捕鯨産業の維持)によってもたらされるものである。
4.結論
モラトリアム解除のための必要条件すべて棄却され、水産庁のインセンティブを充足させるためには、IWCの現状維持が最も好ましい選択肢であることが明らかとなった。本研究で用いたウォルフレンと米本の概念モデルは日本の捕鯨外交のケースに対し、非常に高い説明力を有していることから、いまだに明らかにされていない日本の環境政策における意思決定過程を表す有力な概念モデルとして広く検証されるべきである。
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