サイエンス誌2月13日
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2009/04/05 09:01 投稿番号: [33025 / 62227]
>つまり、あなたはScienceに掲載される全てが論文だと思っているのですね。
>違いますよ。
しょうがないですねえ、どうしても形式論議に拘泥して、実際にサイエンス誌
2月13日号にどんな深みがあるのかを見ようとなさらないのですね。
アーティクルでも論文でも、ペーパーでも何でもいいですけれど、要は
その中身がこの時代の知見の水準(ある程度の幅がある)を示していて、
行政官がこれを無視して水準以下、許容範囲外の知見で許認可行政や税金の
支出を行うと、あとで問題が起こった時に責任を問われる、というのが
ピアレビューペーパーの示す水準です。
こういう議論、見ていて退屈する人がいるといけないから、ガーバー、
モリセット、カシュナー、ポーリーが言ってることを、少しづつ日本語で
紹介します。
立場と方法論にねじれがあって非常に興味深いところからね。
(ガーバー教授のサイトからpdf ファイルが無料でダウンロードできる
ことがわかったので、説明しやすいな。)
http://www.public.asu.edu/~lrgerbe/Gerber%20et%20al.%202009,%20Science.pdf
(2頁目左欄、半ばあたり)
|「IWC科学委員会が持ち続けている見解は「生態系(エコシステム)
|モデルを海洋哺乳類と漁業の相互関係の予測に用いることはできない」
|というものだが(28−30)、他の研究は反対の証拠を提供しており、
|海洋哺乳類と漁業について生態系モデルで研究することができる
|としている(31−32)。
|科学的不確定性を取り扱う場合のわれわれのアプローチは、
|生態系構造に関する複数仮説の幅と、われわれが投入する
|データの質から生じてくる結果について広範な感度分析を行い、
|これを探索するというものである(table S2)。 =>Supporting
Online Material www.sciencemag.org/cgi/content/full/323/5916/880/DC1
というわけで、「反捕鯨派」が多数を占めるIWC科学委員会(注28−30)
は、生態系モデルは「鯨食害」論が正しいかどうかという議論には使えない
という意見なのだけれど、(注31−32)の、ノルウェー、アイスランド
捕鯨推進派は、生態系(エコシステム)モデルが使えるという立場ですね。
ここで、日本の「鯨食害論」を「批難している」ということになっている
ガーバー、モリセット、カシュナー、ポーリーは、方法論的には商業捕鯨派
と同じ側に立っています。
ところが結論となると、これが日本の主張や、ノルウェー、アイスランドが
導き出したいと努力している方向とはまったく逆になるのです。
For a wide range of assumptions ...以下
|鯨類の生息数、接餌率、魚類バイオマス(生物量)についての
|広い幅の仮説に対して、もしこの熱帯海域で完全に鯨類を根絶
|したとしても、商業的に捕獲可能な魚類のバイオマスは感知できる
|ほどには増加しない。
|それとは反対に、漁獲率のわずかな変化は魚類バイオマスの
|かなりの増加をもたらす(880頁図参照)
(=>最初のタイトル下にあるカラー写真をバックにした水色の棒グラフ6本です
グラフの詳しい意味はSupporting Online Material
www.sciencemag.org/cgi/content/full/323/5916/880/DC1 で見られます。)
このあたりのところ、今年のIWC科学委員会で、日本の東北、北海道沖の
ミンククジラ+イワシ&ニタリ鯨漁で、サバやサンマが増えるかという
大問題になるところなので、いずれまたじっくり検討します。
_________________________
注に誤記があるので訂正しておきます。
28. IWC, ICES J. Mar. Sci. 4, 325 (2002).
=>正しくはIWC, J. CETACEAN RES. MANAGE. 4 (SUPPL.), 325 (2002)
29. IWC, ICES J. Mar. Sci. 6(suppl.), 413 (2004).
=>正しくはIWC, J. CETACEAN RES. MANAGE.6 (SUPPL.), 413 (2004).
30. IWC, Annex K1: Ecosystem Modelling, in Scientific
Committee Report, 60th annual meeting, Santiago, Chile, 1
to 13 June 2008 (IWC, St. Kitts, 2008); www.iwcoffice.org/_
documents/sci_com/SCRepfiles2008/SCReportFINAL.pdf.
31. B. Bogstad, K. H. Hauge, O. Ulltang, J. Northwest Atl. Fish.
Sci. 22, 317 (1997).(ノルウェーの生態系モデル研究)
32. G. Stefansson, J. Sigurjonsson, G. A. Vikingsson, J. Northwest
Atl. Fish. Sci. 22, 357 (1997).(アイスランドの生態系モデル研究)
(北西大西洋水産学ジャーナルJ. Northwest Atl. Fish. Sci. は無料で見られるはずです。)
>違いますよ。
しょうがないですねえ、どうしても形式論議に拘泥して、実際にサイエンス誌
2月13日号にどんな深みがあるのかを見ようとなさらないのですね。
アーティクルでも論文でも、ペーパーでも何でもいいですけれど、要は
その中身がこの時代の知見の水準(ある程度の幅がある)を示していて、
行政官がこれを無視して水準以下、許容範囲外の知見で許認可行政や税金の
支出を行うと、あとで問題が起こった時に責任を問われる、というのが
ピアレビューペーパーの示す水準です。
こういう議論、見ていて退屈する人がいるといけないから、ガーバー、
モリセット、カシュナー、ポーリーが言ってることを、少しづつ日本語で
紹介します。
立場と方法論にねじれがあって非常に興味深いところからね。
(ガーバー教授のサイトからpdf ファイルが無料でダウンロードできる
ことがわかったので、説明しやすいな。)
http://www.public.asu.edu/~lrgerbe/Gerber%20et%20al.%202009,%20Science.pdf
(2頁目左欄、半ばあたり)
|「IWC科学委員会が持ち続けている見解は「生態系(エコシステム)
|モデルを海洋哺乳類と漁業の相互関係の予測に用いることはできない」
|というものだが(28−30)、他の研究は反対の証拠を提供しており、
|海洋哺乳類と漁業について生態系モデルで研究することができる
|としている(31−32)。
|科学的不確定性を取り扱う場合のわれわれのアプローチは、
|生態系構造に関する複数仮説の幅と、われわれが投入する
|データの質から生じてくる結果について広範な感度分析を行い、
|これを探索するというものである(table S2)。 =>Supporting
Online Material www.sciencemag.org/cgi/content/full/323/5916/880/DC1
というわけで、「反捕鯨派」が多数を占めるIWC科学委員会(注28−30)
は、生態系モデルは「鯨食害」論が正しいかどうかという議論には使えない
という意見なのだけれど、(注31−32)の、ノルウェー、アイスランド
捕鯨推進派は、生態系(エコシステム)モデルが使えるという立場ですね。
ここで、日本の「鯨食害論」を「批難している」ということになっている
ガーバー、モリセット、カシュナー、ポーリーは、方法論的には商業捕鯨派
と同じ側に立っています。
ところが結論となると、これが日本の主張や、ノルウェー、アイスランドが
導き出したいと努力している方向とはまったく逆になるのです。
For a wide range of assumptions ...以下
|鯨類の生息数、接餌率、魚類バイオマス(生物量)についての
|広い幅の仮説に対して、もしこの熱帯海域で完全に鯨類を根絶
|したとしても、商業的に捕獲可能な魚類のバイオマスは感知できる
|ほどには増加しない。
|それとは反対に、漁獲率のわずかな変化は魚類バイオマスの
|かなりの増加をもたらす(880頁図参照)
(=>最初のタイトル下にあるカラー写真をバックにした水色の棒グラフ6本です
グラフの詳しい意味はSupporting Online Material
www.sciencemag.org/cgi/content/full/323/5916/880/DC1 で見られます。)
このあたりのところ、今年のIWC科学委員会で、日本の東北、北海道沖の
ミンククジラ+イワシ&ニタリ鯨漁で、サバやサンマが増えるかという
大問題になるところなので、いずれまたじっくり検討します。
_________________________
注に誤記があるので訂正しておきます。
28. IWC, ICES J. Mar. Sci. 4, 325 (2002).
=>正しくはIWC, J. CETACEAN RES. MANAGE. 4 (SUPPL.), 325 (2002)
29. IWC, ICES J. Mar. Sci. 6(suppl.), 413 (2004).
=>正しくはIWC, J. CETACEAN RES. MANAGE.6 (SUPPL.), 413 (2004).
30. IWC, Annex K1: Ecosystem Modelling, in Scientific
Committee Report, 60th annual meeting, Santiago, Chile, 1
to 13 June 2008 (IWC, St. Kitts, 2008); www.iwcoffice.org/_
documents/sci_com/SCRepfiles2008/SCReportFINAL.pdf.
31. B. Bogstad, K. H. Hauge, O. Ulltang, J. Northwest Atl. Fish.
Sci. 22, 317 (1997).(ノルウェーの生態系モデル研究)
32. G. Stefansson, J. Sigurjonsson, G. A. Vikingsson, J. Northwest
Atl. Fish. Sci. 22, 357 (1997).(アイスランドの生態系モデル研究)
(北西大西洋水産学ジャーナルJ. Northwest Atl. Fish. Sci. は無料で見られるはずです。)
これは メッセージ 32994 (legal_guardian01 さん)への返信です.
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