「ナショナリズム」「科学者の孤立化」
投稿者: r13812 投稿日時: 2009/04/05 07:32 投稿番号: [33023 / 62227]
http://bk2.kkuri.cache.waseda.ac.jp/~kkuri/seeps2008/abst/2126_EmwxwLSn.pdf
国内的にはナショナリズム規範と接合し、これに即した言説の編成によって、捕
鯨支持の世論を国内的に形成することに成功したものの、接合したものがナショナリズム
という対外的には訴求力に乏しいものであり、またこうした言説がともすれば反捕鯨側に
極めて対決的なものであったことが、ますます日本国内と欧米各国との間における意見の
分極化を招いたと考えられる。
さらに捕鯨推進側が敗北した最大の要因の一つは、科学論議において反捕鯨側にしばし
ば「敗北」を喫したことが挙げられなければならない。1972年のIWC 科学委員会は商業捕
鯨モラトリアム提案を退けているが、以降反捕鯨国側は1974年に採択された新たな捕獲枠
管理スキームに関して、新たな論文・報告書等を多数提出、日本側科学者と激しい論争と
なった。しかしながら南極海捕鯨を行うという意味で利害関係を同じくするソ連側科学者
はこうした科学論争に十分ついて行くことができず、日本側科学者は往々にして孤立し、
こうした場合科学委員会は多数意見として捕獲枠の削減措置を勧告した。反捕鯨国側はこ
れにより自らの立場を科学的観点から正当化し、南極海捕鯨に直接利害関係を有さない他
のIWC 加盟国は、こうした見解に同調、本会議で採択されるに至ったのである。
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