続き(6)
投稿者: thunnus_thynnus_mejimaguro 投稿日時: 2003/06/05 20:46 投稿番号: [2007 / 62227]
4.リスクコミュニケーションの検討
4.1 鯨類の摂食実態と流通の現状
【背景】
鯨類はおよそ4500万年前に陸上哺乳類から分化し、現世鯨類はヒゲクジラ類(亜目)とハクジラ類(亜目)に大別され、最近の分類体系では2亜目15科83種に整理されている。
我が国では食の観点から見れば鯨類は魚類の一部として認識され、有史以前より鯨食文化が認められている。16世紀中頃より組織的な捕鯨が中部地方で発祥し西日本に伝播し、突取り式捕鯨、網取式捕鯨、近代捕鯨を経て、世界に類を見ない鯨食文化が形成されてきた。また、このことは、食料科学の面からも我が国における食料原料の多様性を産みだし、また高蛋白低脂肪の健康食品供給の観点からも、鯨食文化は独自の地位を築いてきた。
【実態と分析】
伝統的な鯨多食地域は、年代や対象鯨類がことなるものの、和歌山県太地町、長崎県有川町、下関市ほか西日本に存在し、県単位で見ると、和歌山県、長崎県、高知県、山口県、大阪府、福岡県が伝統的鯨多食域である。一方、千葉県、岩手県、宮城県、北海道には現行漁業(小型捕鯨、いるか漁業)根拠地があり、やはり鯨の多食域を形成している。摂食形態は、対象種や臓器によって異なるが、ヒゲクジラ類は刺身やベーコン、ハクジラ類では煮込みやステーキとして食される。
国際捕鯨委員会(IWC)の管轄する種類は、ヒゲクジラ全10種(学術区分では13種)とハクジラ類のマッコウクジラ及びキタトックリクジラ、計12種である。IWCの決議によって、現在商業捕鯨は停止されている。しかし、我が国は国際捕鯨取締条約八条に基づいて、鯨類捕獲調査を実施し、2001年現在、南極海でクロミンククジラ400頭、北西太平洋でニタリクジラ50頭、ミンククジラ100頭、マッコウクジラ10頭を捕獲している。
我が国にはこのほか、IWC管轄種以外の鯨類を捕獲する小型捕鯨業(農林水産大臣許可漁業)とイルカ漁業(県知事許可漁業)があり、それぞれ中型及び小型のハクジラ類を捕獲している。また、2001年7月よりDNA登録ほかの手続きを行えば、混獲した鯨類の流通が可能になった。
2001年度に我が国で生産された鯨由来食品は、およそ3,500〜4,100トン程度と推定され、国民一人あたりに換算した年間摂食量は、わずか28〜30gにすぎない。三手法によって求めた在庫市場に流通する鯨類由来製品は、南極海のクロミンククジラが流通の大きな部分を占めており(45.0〜51%)、次いで、イシイルカも全体の8〜20%に相当する量が市場に出荷されている。鯨類由来食品は我が国の伝統的食料源ではあるが、伝統的鯨食地域でさえ鯨類食品の摂取量は少なく、日常的な畜肉や魚類、さらに穀類と比べれば流通量、摂取量共に比較にならないほどの少ない。また、全国流通は大半が南極産の汚染度の低いヒゲクジラ類であり、その他の生産物はきわめてローカル色の強い食材である。
こうした希少流通(摂取)食品を、日常的食品の基準で取り扱うことは妥当ではなく、また鯨由来食品の危険性が科学的に明らかになっていない状況下で、これまた日常食品と同基準でのプレコーショナルな扱いも妥当とは考えにくい。
2001年7月の省令改正によって定置網による混獲鯨が合法的に一般市場に流通できるようになり、今後はこのような混獲鯨の流通が増加することが予測される。しかし、これらのクジラもすべてがDNA登録されているので、市場調査における鯨種判別とともに個体識別も同時に行うことで、密漁や密輸の監視のみならず、鯨製品の流通過程を調べることが可能である。
鯨製品の店頭展示品の大半が鯨種及び産地が十分に明記されておらず、全鯨製品の60−75%が鯨種名の表示がない。また、全体のおよそ10%程度が誤った鯨種名が表示されており、正しい鯨種が表記されたラベルは16−25%にすぎない。
4.1 鯨類の摂食実態と流通の現状
【背景】
鯨類はおよそ4500万年前に陸上哺乳類から分化し、現世鯨類はヒゲクジラ類(亜目)とハクジラ類(亜目)に大別され、最近の分類体系では2亜目15科83種に整理されている。
我が国では食の観点から見れば鯨類は魚類の一部として認識され、有史以前より鯨食文化が認められている。16世紀中頃より組織的な捕鯨が中部地方で発祥し西日本に伝播し、突取り式捕鯨、網取式捕鯨、近代捕鯨を経て、世界に類を見ない鯨食文化が形成されてきた。また、このことは、食料科学の面からも我が国における食料原料の多様性を産みだし、また高蛋白低脂肪の健康食品供給の観点からも、鯨食文化は独自の地位を築いてきた。
【実態と分析】
伝統的な鯨多食地域は、年代や対象鯨類がことなるものの、和歌山県太地町、長崎県有川町、下関市ほか西日本に存在し、県単位で見ると、和歌山県、長崎県、高知県、山口県、大阪府、福岡県が伝統的鯨多食域である。一方、千葉県、岩手県、宮城県、北海道には現行漁業(小型捕鯨、いるか漁業)根拠地があり、やはり鯨の多食域を形成している。摂食形態は、対象種や臓器によって異なるが、ヒゲクジラ類は刺身やベーコン、ハクジラ類では煮込みやステーキとして食される。
国際捕鯨委員会(IWC)の管轄する種類は、ヒゲクジラ全10種(学術区分では13種)とハクジラ類のマッコウクジラ及びキタトックリクジラ、計12種である。IWCの決議によって、現在商業捕鯨は停止されている。しかし、我が国は国際捕鯨取締条約八条に基づいて、鯨類捕獲調査を実施し、2001年現在、南極海でクロミンククジラ400頭、北西太平洋でニタリクジラ50頭、ミンククジラ100頭、マッコウクジラ10頭を捕獲している。
我が国にはこのほか、IWC管轄種以外の鯨類を捕獲する小型捕鯨業(農林水産大臣許可漁業)とイルカ漁業(県知事許可漁業)があり、それぞれ中型及び小型のハクジラ類を捕獲している。また、2001年7月よりDNA登録ほかの手続きを行えば、混獲した鯨類の流通が可能になった。
2001年度に我が国で生産された鯨由来食品は、およそ3,500〜4,100トン程度と推定され、国民一人あたりに換算した年間摂食量は、わずか28〜30gにすぎない。三手法によって求めた在庫市場に流通する鯨類由来製品は、南極海のクロミンククジラが流通の大きな部分を占めており(45.0〜51%)、次いで、イシイルカも全体の8〜20%に相当する量が市場に出荷されている。鯨類由来食品は我が国の伝統的食料源ではあるが、伝統的鯨食地域でさえ鯨類食品の摂取量は少なく、日常的な畜肉や魚類、さらに穀類と比べれば流通量、摂取量共に比較にならないほどの少ない。また、全国流通は大半が南極産の汚染度の低いヒゲクジラ類であり、その他の生産物はきわめてローカル色の強い食材である。
こうした希少流通(摂取)食品を、日常的食品の基準で取り扱うことは妥当ではなく、また鯨由来食品の危険性が科学的に明らかになっていない状況下で、これまた日常食品と同基準でのプレコーショナルな扱いも妥当とは考えにくい。
2001年7月の省令改正によって定置網による混獲鯨が合法的に一般市場に流通できるようになり、今後はこのような混獲鯨の流通が増加することが予測される。しかし、これらのクジラもすべてがDNA登録されているので、市場調査における鯨種判別とともに個体識別も同時に行うことで、密漁や密輸の監視のみならず、鯨製品の流通過程を調べることが可能である。
鯨製品の店頭展示品の大半が鯨種及び産地が十分に明記されておらず、全鯨製品の60−75%が鯨種名の表示がない。また、全体のおよそ10%程度が誤った鯨種名が表示されており、正しい鯨種が表記されたラベルは16−25%にすぎない。
これは メッセージ 2006 (thunnus_thynnus_mejimaguro さん)への返信です.
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