続き(5)
投稿者: thunnus_thynnus_mejimaguro 投稿日時: 2003/06/05 20:30 投稿番号: [2006 / 62227]
3.食品衛生上の問題点の整理
我が国では、昭和43年に西日本においてPCBが混入したライスオイルによる食中毒油症事件が発生し、患者の主な症状は、眼脂過多、ニキビ様皮疹、爪の黒変あるいは皮膚色の変化・色素沈着など多岐にわたる。油症患者では、体重59 kg の人が120日間にわたってPCBを総量0.5 g摂取して発症したのが最少量とみなされている。この数値に動物と人の種差などいくつかの安全係数を掛けて、我が国のPCB暫定的耐容摂取量が定められている。PCBは脂溶性が高く、難代謝性の同族体が多く体内蓄積性が高いため、PCBによる健康影響を受ける可能性のあるハイリスク者は、妊婦、胎児、新生児・乳幼児である。油症事件の患者妊婦においては、原因ライスオイルの多量摂取による死産児が、認められている。油症妊婦胎児の特徴的な症状は、発育遅延と新生児油症と呼ばれる色素沈着である。免疫抑制作用と考えられる症状や経母乳油症児の症例も報告されている。またin vitroにおいて弱いエストロゲン様作用のあることも報告されている。
PCBは脂溶性の化学物質であり脂肪の多い部分に蓄積するため、食物連鎖と共に濃縮され、メチル水銀と同様、食物連鎖の上位の鯨には蓄積しやすいと考えられる。PCBは主に鯨の皮の部位に蓄積され、赤肉にはほとんど蓄積されない。赤肉の部位はPCBは少なく、検出限界値以下のものもあったが、皮には赤肉よりも高濃度(数ppm単位)のPCBが検出されている試料もある。従って、クジラの食性、品種、部位による汚染実態を把握し、特にクジラ多食者のリスク低減への対策が必要である。
わが国では過去に、不知火海沿岸および阿賀野川流域において2回にわたるメチル水銀による広域な環境汚染が発生し、不幸にも多数の犠牲者、中毒患者を出すなど取り返しのつかない大規模かつ悲惨な被害を経験した。これらの原因は、直接鰓からまたは食物連鎖を通じて魚介類にメチル水銀が濃縮され、これらの魚介類を地域住民が多食することにより発生したものである。水俣病の病像は中枢神経を中心とする神経系が障害されるメチル水銀による中毒性疾患で、主要な臨床症候は四肢末端の感覚障害、小脳性運動失調、求心性視野狭窄、中枢性眼球運動障害、中枢性聴力障害、中枢性平衡機能障害等である。また、母親が妊娠中にメチル水銀の曝露を受けたことにより、脳性小児マヒ様の障害を来す胎児性の水俣病も発生している。食品の中では魚介類の可食部に含まれる水銀の殆んどがメチル水銀(95〜100%)の形態で存在し、魚介類及びその加工品が日本人のメチル水銀の主要な曝露源である。メチル水銀曝露の指標として血液中メチル水銀濃度及び毛髪中水銀濃度も良く使用されている。
厚生省は、1973年、内外の研究資料に基づき十分な安全率を見込んで検討した結果、体重50kgの成人の一週間のメチル水銀の暫定的摂取量限度を0.17mgと決め、これを前提とし、魚介類の毎日平均摂食量を108.9gとし、魚肉中メチル水銀濃度を0.3ppm以下とする魚介類の暫定的基準値を定めている。但し、当時のメチル水銀測定技術上の問題を考慮し、実際的な基準は総水銀量で定めることとし、当時の魚介類中水銀中メチル水銀の占める割合を約75%と仮定し、総水銀量として0.4ppmとする魚介類の暫定的基準値を定めている。
クジラ肉中水銀濃度は種、大きさ(年齢)、捕獲地ごとに水銀含有量が異なり、厚生省が定めた暫定基準値を遥かに超えているものが多く、日本で食される対象クジラ毎の肉部のメチル水銀を測定するとともに、実際上の摂取量調査結果を踏まえた上で安全性の評価を行う必要がある。更にクジラ内臓中水銀濃度は種、大きさ(年齢)、捕獲地ごとに水銀含有量が異なるが異常に高い水銀濃度を持つ事例がみられ、クジラ肉以上に安全性上の評価に対する配慮が必要である。特に胎児はメチル水銀曝露に対するリスクが成人よりはるかに高く、魚介類を多食する集団及びメチル水銀汚染の危惧される地域住民では、妊娠可能な年齢にある女性への考慮が最重要項目とされている。平均的な日本人はフェロー諸島の人たちほどにはクジラ肉を食べる量は多くは無いと考えられるがクジラ肉摂食頻度の多い人に対してその回数の低減。妊婦及び小児に対してはクジラ肉の摂食を控えることの勧告が必要と思われる。特に、クジラ内蔵の摂食には厳重な注意が必要である。
我が国では、昭和43年に西日本においてPCBが混入したライスオイルによる食中毒油症事件が発生し、患者の主な症状は、眼脂過多、ニキビ様皮疹、爪の黒変あるいは皮膚色の変化・色素沈着など多岐にわたる。油症患者では、体重59 kg の人が120日間にわたってPCBを総量0.5 g摂取して発症したのが最少量とみなされている。この数値に動物と人の種差などいくつかの安全係数を掛けて、我が国のPCB暫定的耐容摂取量が定められている。PCBは脂溶性が高く、難代謝性の同族体が多く体内蓄積性が高いため、PCBによる健康影響を受ける可能性のあるハイリスク者は、妊婦、胎児、新生児・乳幼児である。油症事件の患者妊婦においては、原因ライスオイルの多量摂取による死産児が、認められている。油症妊婦胎児の特徴的な症状は、発育遅延と新生児油症と呼ばれる色素沈着である。免疫抑制作用と考えられる症状や経母乳油症児の症例も報告されている。またin vitroにおいて弱いエストロゲン様作用のあることも報告されている。
PCBは脂溶性の化学物質であり脂肪の多い部分に蓄積するため、食物連鎖と共に濃縮され、メチル水銀と同様、食物連鎖の上位の鯨には蓄積しやすいと考えられる。PCBは主に鯨の皮の部位に蓄積され、赤肉にはほとんど蓄積されない。赤肉の部位はPCBは少なく、検出限界値以下のものもあったが、皮には赤肉よりも高濃度(数ppm単位)のPCBが検出されている試料もある。従って、クジラの食性、品種、部位による汚染実態を把握し、特にクジラ多食者のリスク低減への対策が必要である。
わが国では過去に、不知火海沿岸および阿賀野川流域において2回にわたるメチル水銀による広域な環境汚染が発生し、不幸にも多数の犠牲者、中毒患者を出すなど取り返しのつかない大規模かつ悲惨な被害を経験した。これらの原因は、直接鰓からまたは食物連鎖を通じて魚介類にメチル水銀が濃縮され、これらの魚介類を地域住民が多食することにより発生したものである。水俣病の病像は中枢神経を中心とする神経系が障害されるメチル水銀による中毒性疾患で、主要な臨床症候は四肢末端の感覚障害、小脳性運動失調、求心性視野狭窄、中枢性眼球運動障害、中枢性聴力障害、中枢性平衡機能障害等である。また、母親が妊娠中にメチル水銀の曝露を受けたことにより、脳性小児マヒ様の障害を来す胎児性の水俣病も発生している。食品の中では魚介類の可食部に含まれる水銀の殆んどがメチル水銀(95〜100%)の形態で存在し、魚介類及びその加工品が日本人のメチル水銀の主要な曝露源である。メチル水銀曝露の指標として血液中メチル水銀濃度及び毛髪中水銀濃度も良く使用されている。
厚生省は、1973年、内外の研究資料に基づき十分な安全率を見込んで検討した結果、体重50kgの成人の一週間のメチル水銀の暫定的摂取量限度を0.17mgと決め、これを前提とし、魚介類の毎日平均摂食量を108.9gとし、魚肉中メチル水銀濃度を0.3ppm以下とする魚介類の暫定的基準値を定めている。但し、当時のメチル水銀測定技術上の問題を考慮し、実際的な基準は総水銀量で定めることとし、当時の魚介類中水銀中メチル水銀の占める割合を約75%と仮定し、総水銀量として0.4ppmとする魚介類の暫定的基準値を定めている。
クジラ肉中水銀濃度は種、大きさ(年齢)、捕獲地ごとに水銀含有量が異なり、厚生省が定めた暫定基準値を遥かに超えているものが多く、日本で食される対象クジラ毎の肉部のメチル水銀を測定するとともに、実際上の摂取量調査結果を踏まえた上で安全性の評価を行う必要がある。更にクジラ内臓中水銀濃度は種、大きさ(年齢)、捕獲地ごとに水銀含有量が異なるが異常に高い水銀濃度を持つ事例がみられ、クジラ肉以上に安全性上の評価に対する配慮が必要である。特に胎児はメチル水銀曝露に対するリスクが成人よりはるかに高く、魚介類を多食する集団及びメチル水銀汚染の危惧される地域住民では、妊娠可能な年齢にある女性への考慮が最重要項目とされている。平均的な日本人はフェロー諸島の人たちほどにはクジラ肉を食べる量は多くは無いと考えられるがクジラ肉摂食頻度の多い人に対してその回数の低減。妊婦及び小児に対してはクジラ肉の摂食を控えることの勧告が必要と思われる。特に、クジラ内蔵の摂食には厳重な注意が必要である。
これは メッセージ 2005 (thunnus_thynnus_mejimaguro さん)への返信です.
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