便衣兵の処刑は違法なのか(3)
投稿者: nmwgip 投稿日時: 2005/11/15 22:16 投稿番号: [7661 / 41162]
便衣兵の処刑は裁判手続を経ていないので違法である、とする論者の代表は吉田裕教授でしょう。吉田教授は『南京大虐殺否定論13のウソ』の中で立作太郎博士の『戦時国際法論』から次の文章を引用して、違法論を展開しています。
「凡そ戦時重罪人は、軍事裁判所又は其他の交戦国の任意に定むる裁判所に於て審間すべぎものである。然れども全然審問を行はずして処罰を為すことは、現時の国際慣習法規上禁ぜらるる所と認めねばならぬ。」
なるほど、この部分だけを読めば、立博士は無裁判の処刑を国際法違反と解釈しているような印象を受けます。
しかし、立博士は本当に、便衣兵の処刑に裁判手続を必要と考えていたのでしょうか。
ここで、『戦時国際法論』から関係すると思われる箇所をいくつか引用してみます。
「・・・正規の兵力に属する者も、不正規兵中、民兵又は義勇兵団に必要とする後述の四条件を備えざるを得るものではない。正規の兵力たるときは、是等の条件は、当然是を具備するものと思惟せらるるのである。正規の兵力に属する者が、是等の条件を欠くときは、交戦者たるの特権を失うに至るのである。例えば正規の兵力に属する者が、敵対行為を行うに当たり、制服の上に平人の服を着け又は全く交戦者たるの特殊徽章を附したる服を着せざるときは、敵により交戦者たる特権を認められざることあるべきである。」
「交戦法規の基本観念の主要なるものの一は、交戦者と非交戦者の区別である。現実国際法は、依然此の区別を認むるものと為さねばならぬ。此の区別を廃するときは、戦争の惨酷の程度が廃止するところを知らざるに至るの虞あるを以て、現実の戦争の実際の状態に於いて此の区別を維持することの困難を加えたるを認めざるべからざるなるも、容易に此の区別を廃するを得ないのである。」
「故に非交戦者は、之を殺傷し得ざるのみならず、又原則として之を俘虜とすることも為し得ぬのである。但し(平和的人民が例外的に交戦者となることを認められるる特別の場合を除き)平和的人民にして敵対行為を行うときは、交戦者の権利を認められずして、俘虜として取り扱わるることを主張し得ずして、戦時犯罪人として処罰せらるるに至るのである。」
「上述の如き諸種の俘虜を通じて考えうるときは、俘虜とは犯罪に関する等他の要因に基づかずして、軍事上の理由により自由を奪わるる敵人なりと言うを得べきである。軍人又は之に準ずる者に非ざれば、俘虜と為すを得ずと為すの説は、今日に於いて之を維持し得ざること、上述の諸種の俘虜を見るも、又海戦の際、敵商船の乗員を俘虜とすることの認めらるるに徴するも、明白なりと言うべきである。然れども、ハーグの陸戦条規及び1929年の俘虜の待遇に関する条約等に定められた所謂俘虜の資格は、交戦者及び一定の従軍者に限りて認めらるることに注意せねばならぬ。」
このように、立博士は明らかに、便衣兵には国際条約に認められた捕虜としての待遇を要求する権利を持たず、戦時犯罪人として処罰されても仕方がないと考えているのです。
吉田教授の引用は誤用と言わざるを得ません。
「凡そ戦時重罪人は、軍事裁判所又は其他の交戦国の任意に定むる裁判所に於て審間すべぎものである。然れども全然審問を行はずして処罰を為すことは、現時の国際慣習法規上禁ぜらるる所と認めねばならぬ。」
なるほど、この部分だけを読めば、立博士は無裁判の処刑を国際法違反と解釈しているような印象を受けます。
しかし、立博士は本当に、便衣兵の処刑に裁判手続を必要と考えていたのでしょうか。
ここで、『戦時国際法論』から関係すると思われる箇所をいくつか引用してみます。
「・・・正規の兵力に属する者も、不正規兵中、民兵又は義勇兵団に必要とする後述の四条件を備えざるを得るものではない。正規の兵力たるときは、是等の条件は、当然是を具備するものと思惟せらるるのである。正規の兵力に属する者が、是等の条件を欠くときは、交戦者たるの特権を失うに至るのである。例えば正規の兵力に属する者が、敵対行為を行うに当たり、制服の上に平人の服を着け又は全く交戦者たるの特殊徽章を附したる服を着せざるときは、敵により交戦者たる特権を認められざることあるべきである。」
「交戦法規の基本観念の主要なるものの一は、交戦者と非交戦者の区別である。現実国際法は、依然此の区別を認むるものと為さねばならぬ。此の区別を廃するときは、戦争の惨酷の程度が廃止するところを知らざるに至るの虞あるを以て、現実の戦争の実際の状態に於いて此の区別を維持することの困難を加えたるを認めざるべからざるなるも、容易に此の区別を廃するを得ないのである。」
「故に非交戦者は、之を殺傷し得ざるのみならず、又原則として之を俘虜とすることも為し得ぬのである。但し(平和的人民が例外的に交戦者となることを認められるる特別の場合を除き)平和的人民にして敵対行為を行うときは、交戦者の権利を認められずして、俘虜として取り扱わるることを主張し得ずして、戦時犯罪人として処罰せらるるに至るのである。」
「上述の如き諸種の俘虜を通じて考えうるときは、俘虜とは犯罪に関する等他の要因に基づかずして、軍事上の理由により自由を奪わるる敵人なりと言うを得べきである。軍人又は之に準ずる者に非ざれば、俘虜と為すを得ずと為すの説は、今日に於いて之を維持し得ざること、上述の諸種の俘虜を見るも、又海戦の際、敵商船の乗員を俘虜とすることの認めらるるに徴するも、明白なりと言うべきである。然れども、ハーグの陸戦条規及び1929年の俘虜の待遇に関する条約等に定められた所謂俘虜の資格は、交戦者及び一定の従軍者に限りて認めらるることに注意せねばならぬ。」
このように、立博士は明らかに、便衣兵には国際条約に認められた捕虜としての待遇を要求する権利を持たず、戦時犯罪人として処罰されても仕方がないと考えているのです。
吉田教授の引用は誤用と言わざるを得ません。
これは メッセージ 7660 (nmwgip さん)への返信です.