自由と真実の破壊とのたたかい
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2009/12/21 23:45 投稿番号: [30305 / 41162]
【特別寄稿】
★自由と真実の破壊とのたたかい
家永三郎
「東京裁判史観」「自虐史観」などのレッテルはり攻撃をまともな教科書にはりつけて、「大東亜戦争肯定史観」――それはやがて「皇国史観」にたどりつく危険をはらんでいる――の復活を企てる動きの活発になっているのを見せつけられるのは、まことに腹立たしい。
そのきっかけは、中学校の教科書に「従軍慰安婦」が登場してきたことはあるが、彼らは中学校の教科書から「従軍慰安婦」の名が消えれば、それで満足するのだろうか。そんなはずは絶対ない。
「東京裁判史観」「自虐史観」といった形容句で検定済みの教科書を攻撃している彼らが、アジア・太平洋戦争を「聖戦」化し、戦前の国定教科書なみの軍国主義・植民地支配賛美の教育への逆もどりを終局の目的としていることは、火を見るより明らかである。
私は、本来ならば彼らと同じ次元で論争したくはない。学問の上で見れば、彼らの主張は全然根拠がなく、ヒステリックな大声をあげているだけにすぎないのだから、そんな連中を相手にまじめに論争するのは、ばかばかしいきわみだからである。
されぱとて、彼らの妄論を放置しておいてよいのだろうか。
「自由主義史観」を唱えている東大教授某の所論だけなら黙殺してもよいかもしれないが、彼らは『産経』『諸君』その他のタカ派ジャーナリズムと結びついており、彼らの機関誌が現場の第一線の教師たちの間に相当数のひろまりを見せていると聞くし、さらに自民党の札つきの右翼国会議員や、自民党右翼の別動隊である右翼集団なども背後で動いているようであるから、やはり徹底的にたたきのめしておかねばならないだろう。
杉本判決の言うとおり、教育内容は国家権力の及ばない領域であり、国家権力をかりて自分たちのウルトラ右翼教育を復活させようとする企てに対し、三十余年法廷でたたかってきた私としても、到底黙過するわけにはいかないのである。
(いえなが さぶろう 東京教育大学名誉教授)
http://www.ne.jp/asahi/tyuukiren/web-site/backnumber/01/ienaga_tatakai.htm
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