第14章 その2
投稿者: goikenbanNO1 投稿日時: 2001/08/19 15:36 投稿番号: [19878 / 196466]
『餓鬼』その2
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大躍進の時期には、国中のさまざまな地方に人肉食の記録が残っていることから、人肉食は、特定の地域や階級、民族に限っておこなわれたのではないことがわかる。農民は人肉を食べただけでなく、売買し、自分の子供、他人の子供を殺して食べた。このときの飢饉の規模を考慮すると、二十世紀において前例のない規模で人肉食がおこなわれたことは容易に想像がつく。
・・・
中国では、しかし、人肉食は飢饉のときに限られたことではなかった。この間題に詳しい人の話によれば、人肉食は、中国文化に独特の位置を占め、「何世紀ものあいだ称賛された行為」だった。7メリカの学者ケイ・レイ・チョンは、中国の歴史、文学、あるいは医学書に現れた人肉食について調査した。一九九○年に出版された『中国のカニパリズム」(Cannibalism in Chaina)で、彼は、人肉食を二種類に分けている。最後の手段としての「生きるため」の人肉食と、別の理由による「身についた」人肉食である。後者は、中国独特のものである。チョンによると、「彼らはきわめて特異な感覚をもっており、彼らの歴史には、さまざまな形の身についた人肉食があった」。中国の歴史を振りかえると、人肉を珍床とした時期がたびたびあった。古代には、料理人はごちそうを会べ飽きた上流階級のために、人肉の珍味を用意した。チョンは、一章をさいて、人肉のさまざまな料理法を説明している。たとえば,元時代の作家陶宗儀は、『輟耕録』で、子供の肉が}番おいしいと言い、丸ごと、骨まで食べるように勧めている。そして、男女を二本足の羊になぞらえ、女の肉は羊の肉よりおいしいと言っている。中国文学には、人肉を美食として食ぺている記述がいたるところに見られる。もっとも有名な中国文学の一つ、『水滸伝』には、人肉の売買や人肉食がしばしば出てくる。調理法もきわめて写実的に描写されている。主人公の一人、武松が酒屋を訪れると、ある部屋に案内された。そこでは、「人間が切り刻まれ、壁には人間の皮膚が釘でびったりと張られていた。天井の梁からは人間の足が何本もぶら下がっていた」。
人肉は、食物であり、薬でもあった。一五七八年に、李時珍は、医学参考書『本草綱目』を出版した。そこには三十五の人体器官が示され、それぞれの器官がどのような病気の治療に有効かが記されていた。体のある部分は、性的スタミナを持続させるのに効能があるとして、とくに貴重だとされた。明の時代は、宦官が性機能を回復させるために、青年の脳ミノを食べた。最後の王朝清では、人間の血液を飲むと性欲増強に効果があると信じられていたことが、当時の西洋人の記録に多く残されている。公開処刑が執行されたときには、性的不能の夫を持つ女性たちが、処刑されたばかりの死体からとった血液に浸したバンを買い求めた。十九世紀になっても、死刑執行人が死体の心臓と脳ミソを食べることはまれではなかった。
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大躍進の時期には、国中のさまざまな地方に人肉食の記録が残っていることから、人肉食は、特定の地域や階級、民族に限っておこなわれたのではないことがわかる。農民は人肉を食べただけでなく、売買し、自分の子供、他人の子供を殺して食べた。このときの飢饉の規模を考慮すると、二十世紀において前例のない規模で人肉食がおこなわれたことは容易に想像がつく。
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中国では、しかし、人肉食は飢饉のときに限られたことではなかった。この間題に詳しい人の話によれば、人肉食は、中国文化に独特の位置を占め、「何世紀ものあいだ称賛された行為」だった。7メリカの学者ケイ・レイ・チョンは、中国の歴史、文学、あるいは医学書に現れた人肉食について調査した。一九九○年に出版された『中国のカニパリズム」(Cannibalism in Chaina)で、彼は、人肉食を二種類に分けている。最後の手段としての「生きるため」の人肉食と、別の理由による「身についた」人肉食である。後者は、中国独特のものである。チョンによると、「彼らはきわめて特異な感覚をもっており、彼らの歴史には、さまざまな形の身についた人肉食があった」。中国の歴史を振りかえると、人肉を珍床とした時期がたびたびあった。古代には、料理人はごちそうを会べ飽きた上流階級のために、人肉の珍味を用意した。チョンは、一章をさいて、人肉のさまざまな料理法を説明している。たとえば,元時代の作家陶宗儀は、『輟耕録』で、子供の肉が}番おいしいと言い、丸ごと、骨まで食べるように勧めている。そして、男女を二本足の羊になぞらえ、女の肉は羊の肉よりおいしいと言っている。中国文学には、人肉を美食として食ぺている記述がいたるところに見られる。もっとも有名な中国文学の一つ、『水滸伝』には、人肉の売買や人肉食がしばしば出てくる。調理法もきわめて写実的に描写されている。主人公の一人、武松が酒屋を訪れると、ある部屋に案内された。そこでは、「人間が切り刻まれ、壁には人間の皮膚が釘でびったりと張られていた。天井の梁からは人間の足が何本もぶら下がっていた」。
人肉は、食物であり、薬でもあった。一五七八年に、李時珍は、医学参考書『本草綱目』を出版した。そこには三十五の人体器官が示され、それぞれの器官がどのような病気の治療に有効かが記されていた。体のある部分は、性的スタミナを持続させるのに効能があるとして、とくに貴重だとされた。明の時代は、宦官が性機能を回復させるために、青年の脳ミノを食べた。最後の王朝清では、人間の血液を飲むと性欲増強に効果があると信じられていたことが、当時の西洋人の記録に多く残されている。公開処刑が執行されたときには、性的不能の夫を持つ女性たちが、処刑されたばかりの死体からとった血液に浸したバンを買い求めた。十九世紀になっても、死刑執行人が死体の心臓と脳ミソを食べることはまれではなかった。
これは メッセージ 19868 (stik_inakuma さん)への返信です.
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