各派の計算・誤算:オルマート内閣
投稿者: adventureoftheultraworld 投稿日時: 2006/07/11 07:01 投稿番号: [9874 / 20008]
>兵士解放の引き換えに事件後拘束した閣僚や議員の釈放を求めたが、イスラエルのオルメルト首相は〔ハマスとは交渉しない〕と述べ、応じない立場を協調した。
難しい判断かと思いますが、イスラエル側が交換に応じないのは主に2つの理由があるようです。
1
これに似た事件が増えること。
実は今年頭から「パレスチナ各組織がイスラエルの兵士や市民を誘拐し、人質交渉のネタに使うのではないか」という懸念が、イスラエル各紙に出ていました。
結局、今回はトンネルからの奇襲という形で兵士がさらわれましたが、その数週間前にも、ヒッチハイクをしようとした入植者(女子高生3名)が誘拐未遂にあっています。「これで譲歩すると、当然味を占めた連中がまたやるだろう」というわけです。
2
アッバスらファタハの権力が落ち、ハマスが盛り返すこと
例の囚人文書問題や、懸案の援助停止などでハマス政権はパレスチナ市民からその手腕や威信に疑問符が出されてきていました。
ここで人質交換に成功すると「アッバスの対話路線じゃ、ぜんぜん囚人は釈放されなかったのに。やっぱハマスは偉い」と一気に盛り返します。もちろんイスラエル政府としてこれは嫌な展開です。
3
西岸からの入植地撤退に暗雲がかかる
これは拉致だけでなく、カッサム砲にも大いに関わってきますが、イスラエル内では今回の情勢で「ガザ撤退は間違いだった」という声が高まってきています。占領、入植地維持の重荷から解放され、「ガザはパレスチナ人が勝手に上手く運営してくれるだろう」という幻想が崩れ、「単に過激派の牙城が出来ただけじゃないか」と。
オルマート内閣は西岸からの入植地撤退(全面撤退ではなく部分的な撤去だけですが)を目指しています。今回の事件を上手く解決しないと、「こんな弱腰内閣が進めている入植地撤去って、本当はヤバイんじゃないの?」という方向に世論が行くでしょう。オルマートは「治安問題の経験不足」がネックとされていましたし。
以上のような計算がイスラエル政府にはあるようです。ただ、閣僚の一部は「人質交換の用意がある」と表明していますが、オルマート自身は強硬な声明を繰り返しています。
これは実ははったりで、裏ではエジプトを仲介とした交渉が進んでいるのかもしれませんが、ここまで「テロリストとは妥協しない」と大見得を切ってしまうと、交渉の道を自ら閉ざしてしまうように思われます。
おそらく軍事作戦での救出は難しいので、最終的には交渉での解放、交換となるでしょう。その場合にどうなるのか?
「交渉しないって言ったじゃないか」と、政権はぐらつくでしょうね。
さらに人質が死んでしまったり、数ヶ月ー数年にわたって消息不明となってしまったら、致命的なダメージでしょう。
これは メッセージ 9872 (gogatuno_rira さん)への返信です.
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