各派の計算・誤算:ハマス
投稿者: adventureoftheultraworld 投稿日時: 2006/07/11 07:09 投稿番号: [9875 / 20008]
一方で、ハマス側の狙いは上記のような苦境からの「一発逆転」です。今のところはうまく行っている様で、今回の拉致を「よくやった」「もっと捕まえたれ」とする声がパレスチナ内部では圧倒的で、内閣支持も上がっているようです。
しかし以下のような誤算もあるように思えます。
1 ハマス指導部の対立を露呈、国際的信頼度低下
今回の事件はハニヤ首相らと関係なく、ダマスカスにいる強硬派マシャールからの指示とする声が主流です。「囚人文書の内容に合意できないマシャールらが、『ハマス軟化』を食い止めるために出くわしたと。
事件からこれまでハニヤ首相は即時停戦を呼びかけたり、「この兵士は殺されてはならない」という声明を出すなどしています。カッサムを撃ちまくるハマス軍事部門の奮闘振りなど知らん振りで、いわば「いい子」を演じているようです。
この関係をみて思い出すのはアラファト政権の末期や、ハマス内閣誕生前のアッバスの姿です。「私はなんも悪いことはやっていない。下っ端というか民衆が怒りを堪えられないだけだ。だから武装闘争を止めてほしかったら、イスラエルが譲歩すればよい」という姿勢は、「お前が武装闘争を止めろ」というイスラエルやカルテットへの言い訳にはなりますし、自分の保身には有効です。
しかし「軍事部門のことはよくわからないので、ダマスカスに聞いてください」というのでは、「なーんだ。結局ハニヤさんって操り人形なのね。やっぱ相手にするのをやめよーっと」となってしまい、ますます内閣は国際的孤立を招くでしょう。過激派をコントロールできない過激派内閣なんて、なんの価値もありませんから。
「ハマス政府を皆も世界も理解してやらなくては」とおっしゃるgogatuno_riraさんの思いにとってみれば、少なくとも今回の拉致とカッサム激化は、まったくの逆効果だったと言えます。
2 民衆の歓声は続くか?
imonoyamashotengaiさんが貼っている各記事を読めば、「イスラエル軍への怒り」がガザに充満し、各武装組織への追い風になっているように見えます。
しかしその一方で「誘拐はよくやった! しかしカッサムは反撃をもたらすだけだから駄目だ」という社説がパレスチナ紙に掲載されたり、微妙な風向きの変化も出てきているようです。
イスラエル政府は「ガザの作戦は人質解放への圧力+カッサム対策+(今回の事件で使われたような)トンネルの摘発であり、最低2ヶ月は続く」と言っています。そのような長期作戦でさらにインフラが壊されれば、民衆はどう考えるでしょうか? 「やっぱり、また無駄な犠牲か。。。」と。(さらに、もしも囚人交換に失敗でもしたら。。)
ハマス内閣支持率が高まっている一方、ハニヤ氏への信頼度が落ちているという調査もあります。危機を作り出すことで、民衆の外敵への対決意識を高揚させてハマス支持を広げる、という作戦は一見うまく行っているようで、民衆はすでにハマス内閣を冷静に審判しているのかもしれません。
3 人質の処遇
人質になったイスラエル兵Gilad Shalit(写真を見て、なんとなくハリーポッターを連想してしまいました。)は負傷しているものの、まだ生きているようです。
しかし、彼が死んでしまった場合、ハマスの手札はあっというまにゼロになります。「イスラエル軍を出し抜いて兵士を掻っ攫い、囚人を解放させた栄えあるハマス」のはずが、一気に「カッサムという馬鹿げた挑発で反撃を招き、何も勝ち得ずに民衆に甚大な被害を与えたハマス」へ転落してしまう可能性があるわけです。
「一発逆転」の夢を、一人の人質の身にすべて賭けてしまうというのは、かなり無謀なギャンブルではないでしょうか? しかもこの兵士ってすごくひ弱そう。幸薄そうだし、ハマスがのんびり交渉の準備をしている間にぽっくり死んでしまうのではないかと心配です。
しかし以下のような誤算もあるように思えます。
1 ハマス指導部の対立を露呈、国際的信頼度低下
今回の事件はハニヤ首相らと関係なく、ダマスカスにいる強硬派マシャールからの指示とする声が主流です。「囚人文書の内容に合意できないマシャールらが、『ハマス軟化』を食い止めるために出くわしたと。
事件からこれまでハニヤ首相は即時停戦を呼びかけたり、「この兵士は殺されてはならない」という声明を出すなどしています。カッサムを撃ちまくるハマス軍事部門の奮闘振りなど知らん振りで、いわば「いい子」を演じているようです。
この関係をみて思い出すのはアラファト政権の末期や、ハマス内閣誕生前のアッバスの姿です。「私はなんも悪いことはやっていない。下っ端というか民衆が怒りを堪えられないだけだ。だから武装闘争を止めてほしかったら、イスラエルが譲歩すればよい」という姿勢は、「お前が武装闘争を止めろ」というイスラエルやカルテットへの言い訳にはなりますし、自分の保身には有効です。
しかし「軍事部門のことはよくわからないので、ダマスカスに聞いてください」というのでは、「なーんだ。結局ハニヤさんって操り人形なのね。やっぱ相手にするのをやめよーっと」となってしまい、ますます内閣は国際的孤立を招くでしょう。過激派をコントロールできない過激派内閣なんて、なんの価値もありませんから。
「ハマス政府を皆も世界も理解してやらなくては」とおっしゃるgogatuno_riraさんの思いにとってみれば、少なくとも今回の拉致とカッサム激化は、まったくの逆効果だったと言えます。
2 民衆の歓声は続くか?
imonoyamashotengaiさんが貼っている各記事を読めば、「イスラエル軍への怒り」がガザに充満し、各武装組織への追い風になっているように見えます。
しかしその一方で「誘拐はよくやった! しかしカッサムは反撃をもたらすだけだから駄目だ」という社説がパレスチナ紙に掲載されたり、微妙な風向きの変化も出てきているようです。
イスラエル政府は「ガザの作戦は人質解放への圧力+カッサム対策+(今回の事件で使われたような)トンネルの摘発であり、最低2ヶ月は続く」と言っています。そのような長期作戦でさらにインフラが壊されれば、民衆はどう考えるでしょうか? 「やっぱり、また無駄な犠牲か。。。」と。(さらに、もしも囚人交換に失敗でもしたら。。)
ハマス内閣支持率が高まっている一方、ハニヤ氏への信頼度が落ちているという調査もあります。危機を作り出すことで、民衆の外敵への対決意識を高揚させてハマス支持を広げる、という作戦は一見うまく行っているようで、民衆はすでにハマス内閣を冷静に審判しているのかもしれません。
3 人質の処遇
人質になったイスラエル兵Gilad Shalit(写真を見て、なんとなくハリーポッターを連想してしまいました。)は負傷しているものの、まだ生きているようです。
しかし、彼が死んでしまった場合、ハマスの手札はあっというまにゼロになります。「イスラエル軍を出し抜いて兵士を掻っ攫い、囚人を解放させた栄えあるハマス」のはずが、一気に「カッサムという馬鹿げた挑発で反撃を招き、何も勝ち得ずに民衆に甚大な被害を与えたハマス」へ転落してしまう可能性があるわけです。
「一発逆転」の夢を、一人の人質の身にすべて賭けてしまうというのは、かなり無謀なギャンブルではないでしょうか? しかもこの兵士ってすごくひ弱そう。幸薄そうだし、ハマスがのんびり交渉の準備をしている間にぽっくり死んでしまうのではないかと心配です。
これは メッセージ 9874 (adventureoftheultraworld さん)への返信です.
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