(続き)下條正男 なぜ、日韓は対立するか
投稿者: archiver_mag2001 投稿日時: 2006/05/08 15:33 投稿番号: [7053 / 9207]
第二の要因は海洋資源の保護をうたい、一九九四年に発効した国連の海洋法条約にある。日韓両国政府は、従来の日韓漁業協定を破棄し、新たな日韓漁業協定の締結を迫られた。
だが、竹島の領有権問題が解決していないため、双方ともEEZの基点をどこに置くか、結論がでなかった。そこで、とりあえず、韓国側は欝陵島、日本側は竹島を基点に、竹島周辺を共同管理水域とし、互いが主張するEEZの間を暫定水域として妥協を図った。
裏返せば、新漁業協定の締結時は、竹島の領有権問題に終止符を打つ千載一遇の好機だった。韓国側も、国連の海洋法を批准する以上、交渉に臨まねばならなかったからだ。にもかかわらず、日本政府は領有権問題を「棚上げ」にし、結局、災いの火種を残してしまったのである。
一方、韓国内では、竹島をEEZの基点とし、改めて漁業協定を結びなおそうとの声がくすぶり続けた。今年二月に、六十代の夫婦が竹島で生活を始めたのも、竹島を人の住む島とし、EEZの基点とするためだ。仮に実現すれば、韓国側のEEZは島根、鳥取両県の沿岸近くまで、格段に広がる。だからこそ、領有権問題を克服しなければならないのである。
対する日本政府は、今回の騒動をあくまで「海底地名問題」ととらえ、竹島の「領有権問題」に”接近”する意思がないようだ。せっかく、韓国側が、存在しないとしてきた領土問題という「土俵」に上がったのに、この外交感覚は噴飯物である。
韓国側は、EEZの問題が領有権問題の決着抜きに、進展しないことを知っている。そうなると、次に必要なのは、客観的な事実に基づく領有権問題の歴史的検証だ。
幸い、島根県は既に「竹島の日」条例の関連事業で啓発資料を作り、日韓の論点を整理している。日本政府による竹島研究の不備を指摘するとともに、韓国側の竹島研究の問題点にも言及している。
とはいえ、日本政府が「本腰」を入れなければ、事態は解決せず、対立が繰り返される。まず、今回の騒動の根本は竹島の「領有権問題」にあるとの認識、自覚を持つべきだ。
しもじょう・まさお
長野県出身。国学院大学大学院博士課程修了。韓国・仁川大学校客員教授、拓殖大学国際開発研究所教授などを経て、同大国際開発学部アジア太平洋学科教授。現在、島根県の竹島問題研究会の座長も務める。専攻は日本史。東京都在住。
('06/05/02 )
これは メッセージ 7052 (archiver_mag2001 さん)への返信です.
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