“平和ボケ”のお部屋

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③リスクではなく必要コスト

投稿者: steffi_10121976 投稿日時: 2012/06/05 00:15 投稿番号: [17531 / 17759]
(17530よりつづく)
●>仮に大月が終身強制重労働に耐えられず、早々に自殺したとしたらどうでしょう。国が代位給付した2億円は、丸々国庫負担となります。現行制度なら、1210万円で済んでいたはずなのに、です。「賠償金全額代位給付」には、そういうリスクを孕んでいます。

その「現行制度なら、1210万円で済んでいたはず」というご発想そのものが、犯罪被害者等基本法の精神と現実とのギャップをご認識なさっていないと申しあげざるを得ません。
お言葉尻を捕らえるようで恐縮ですけれども、「1210万円で【済んでいた】」のではありません。
「たったの1,210万円」で遺族の方々は、この不条理を耐え忍ばざるを得ない立場にずっと放置され続けているのです。
遺族の心の痛み、悲しみ、苦しみにもっと思いをめぐらせていただきたいのです。
それを考えれば、仮に2億円が全額国庫負担になったとしても、それがいったい何ほどのものでしょうか?
2億円という金額は、納税者総数を60百万人とすれば、単純計算で1人当りわずか3.3円の負担額にしか過ぎません。
しかもその負担は1回かぎりのものです。
より極端な例を申しあげれば、1円も稼がずに自殺した受刑者が毎年毎年50人ずつ出続けたとしても、国庫負担の総額は年100億円、納税者1人当りの負担額は年167円程度です。
この金額は、いま問題となっている生活保護費不正受給者を一掃すれば簡単に捻出可能なレベルです(不正受給費の総額は平成22年度実績値で約130億円)。
生活保護費不正受給者には一片の同情の余地すらありませんけれども、何の落ち度もなく犯罪被害者等になった人については、犯罪被害者等基本法に基づく社会連帯共助の精神によって国全体で支えていくのは当然であって、そのために1人年間数円〜数十円程度のコストが生じたとしても、それをリスクとは呼びません。
なぜなら、そのコストは不幸にして自分自身が同様な立場に立たされたときに、その尊厳を担保する“原資”でもあるのですから。
リスクとおっしゃるのならば、私は自分が1,210万円で泣き寝入りしなければならない立場に立たされるリスクのほうをはるかに恐れます。



●>「賠償金全額代位給付」という高すぎるハードルをいきなり課すよりは、まずは、国が、従来どおりの遺族給付金相当額を最低補償し、それに「終身強制重労働刑」による加害者の稼ぎを、被害者遺族への支払い額に上乗せするという、緩やかな改善を狙うのが現実的かと思った次第です。

現行の遺族給付金の水準が、法目的に照らしてそれなりの合理性を持っているのであれば、こうしたお考えも妥当性があると思います。
けれども、現実はまったくそうでないことは再三申しあげたとおりです。
特に死亡あるいは重度の障害を負われた方が家計の支え手であった場合、家族はたちまちにして生活困窮という二次被害に見舞われるということは、前掲のウェブサイトでも複数の委員が指摘しています。
現行制度に比べて「高すぎるハードル」であることは確かです。
しかしながら、多くの犯罪被害者等が事件後何年にもわたって苦しみ続けなければならないのは、その「現行制度」があまりに非合理なためです。
彼らの現状、そしてある日突然私たちが同様の立場に立たされたときのことを考えれば、「緩やかな改善」などと、悠長に構えている状況ではないのです。
合理性のない「現行制度」は、どんなにハードルが高かろうとも速やかに改変すべきです。



(つづく)
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