「終身強制重労働刑」――採算性の試算
投稿者: steffi_10121976 投稿日時: 2012/04/16 22:39 投稿番号: [17484 / 17759]
(17483よりつづく)
●>結論を再度要約すると「加害者が「終身強制重労働」により稼がなければならないお金は、最低でも年間78万円強であり、この額は、現在の受刑者による刑務作業の年間収入の10倍強に相当する。」ということになります。
piazzollajpさんがこのご結論を導き出されるにあたって前提とされたのは、「終身強制重労働刑」の受刑者に科される刑務作業は、現在の懲役刑受刑者のそれと同じということだと思います。
私がこの点についての具体像をお示ししていなかった以上、そうお考えになったのは当然のことでしょう。
けれども、前稿でも申しあげましたとおり、私が想定する刑務内容はもっともっとずっとヘヴィで苛酷なものであり、言葉を替えれば、その分だけ経済的付加価値が高いと思われるものです。
もちろん、だからといって常にマクロベースで採算が取れるとは限りません。
労働が生み出す貨幣的な成果は、携わる人間の資質、熟練度、モラル、健康状態、寿命といった個人的な属性に加えて、投下された教育投資の質や量、効率的な労務環境を維持するための設備投資とそのためのランニングコストなど、それを取り巻くさまざまな要因によって大きく左右されるからです。
ここでは基本的な考え方をわかりやすくするために、前回に引き続いて光市母子殺害事件をモデルケースとし、できるだけ簡略化した前提条件のもとで、制度としての経済的合理性の有無を検証してみたいと思います。
なお、「終身強制重労働刑」が導入されれば、当然にして現行の「犯罪被害者等遺族給付金」(以下「遺族給付金」)は存在理由がなくなりますから、その廃止によってもたらされる経済効果についても、ある程度合理性のあるロジックを整理したうえで計算に含めたことを付け加えさせていただきます。
1.前提条件とその根拠
(1) 収監費用年額 900千円
piazzollajpさんが17456でご引用くださいました「法務年鑑(平成22年)」による総受刑者1人当たり収監費(年間781.4千円)を基本とし、それにこの制度特有の監視・管理コスト負担を加算してこの金額としました。
(2)遺族給付金の、大月孝之の労働による1年当たり償却額理論値 235.5千円
A.本村洋さんへの遺族給付金
「生計維持関係遺族無」の場合の最高額12,100千円と推定しました。
http://www.npa.go.jp/higaisya/shien/kyufu/seido.htm
B.大月孝之(31歳)の平均余命
厚生労働省発表のH22年の数値を元に51.37年と推計しました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/01.html
A ÷ B = 235.5千円
2.「終身強制重労働刑」の具体的内容、およびその対価について
科する労役の具体例として、労基法で定める「危険有害業務」のうち、もっとも危険度が大きいもののひとつである潜水労働を取り上げました。
また、それによって生み出される対価としては、その想定賃金の下限を使用しました。
3.試算にあたっての上限年齢
当該刑罰は終身刑であることから、まずは上記の労役を受刑者が平均余命に達するまで科し続けることを想定しました。
しかしながら、高齢の人間に潜水労働のような労役を科すことは効率性の観点から現実的ではないとも考えられるため、一般的な就労年齢の上限とされている65歳まで科した場合の数値をも併せて算出しました。
4.試算の詳細
(1) 平均余命が尽きるまで科したと仮定
A.潜水士の想定最低年収 4,000千円
http://www.info-village.net/work/sensuishi-nensyu.html
B.受刑者の労働による年間純益(収監費用および遺族給付金償却額を加減)
4,000千円 − 900千円 + 235.5千円 = 3,335.5千円 > 収監費用年額900千円
C.その総計
3,335.5千円 × 51.37年 = 171,344.6千円
D.被害者遺族への損害賠償金(2億円)回収率(終身収監費用控除後)
(171,344.6千円 − 900千円 × 51.37年) ÷ 200,000千円 =62.56%
(2)満65歳まで科したと仮定
A.(同上)
B.(同上)
C. 受刑者の労働による年間純益総計
3,335.5千円 × (65歳 − 31歳) = 113,407千円
D. 被害者遺族への損害賠償金(2億円)回収率(終身収監費用控除後)
(113,407千円 − 900千円 × 51.37年) ÷ 200,000千円 = 33.59%
(つづく)
●>結論を再度要約すると「加害者が「終身強制重労働」により稼がなければならないお金は、最低でも年間78万円強であり、この額は、現在の受刑者による刑務作業の年間収入の10倍強に相当する。」ということになります。
piazzollajpさんがこのご結論を導き出されるにあたって前提とされたのは、「終身強制重労働刑」の受刑者に科される刑務作業は、現在の懲役刑受刑者のそれと同じということだと思います。
私がこの点についての具体像をお示ししていなかった以上、そうお考えになったのは当然のことでしょう。
けれども、前稿でも申しあげましたとおり、私が想定する刑務内容はもっともっとずっとヘヴィで苛酷なものであり、言葉を替えれば、その分だけ経済的付加価値が高いと思われるものです。
もちろん、だからといって常にマクロベースで採算が取れるとは限りません。
労働が生み出す貨幣的な成果は、携わる人間の資質、熟練度、モラル、健康状態、寿命といった個人的な属性に加えて、投下された教育投資の質や量、効率的な労務環境を維持するための設備投資とそのためのランニングコストなど、それを取り巻くさまざまな要因によって大きく左右されるからです。
ここでは基本的な考え方をわかりやすくするために、前回に引き続いて光市母子殺害事件をモデルケースとし、できるだけ簡略化した前提条件のもとで、制度としての経済的合理性の有無を検証してみたいと思います。
なお、「終身強制重労働刑」が導入されれば、当然にして現行の「犯罪被害者等遺族給付金」(以下「遺族給付金」)は存在理由がなくなりますから、その廃止によってもたらされる経済効果についても、ある程度合理性のあるロジックを整理したうえで計算に含めたことを付け加えさせていただきます。
1.前提条件とその根拠
(1) 収監費用年額 900千円
piazzollajpさんが17456でご引用くださいました「法務年鑑(平成22年)」による総受刑者1人当たり収監費(年間781.4千円)を基本とし、それにこの制度特有の監視・管理コスト負担を加算してこの金額としました。
(2)遺族給付金の、大月孝之の労働による1年当たり償却額理論値 235.5千円
A.本村洋さんへの遺族給付金
「生計維持関係遺族無」の場合の最高額12,100千円と推定しました。
http://www.npa.go.jp/higaisya/shien/kyufu/seido.htm
B.大月孝之(31歳)の平均余命
厚生労働省発表のH22年の数値を元に51.37年と推計しました。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life10/01.html
A ÷ B = 235.5千円
2.「終身強制重労働刑」の具体的内容、およびその対価について
科する労役の具体例として、労基法で定める「危険有害業務」のうち、もっとも危険度が大きいもののひとつである潜水労働を取り上げました。
また、それによって生み出される対価としては、その想定賃金の下限を使用しました。
3.試算にあたっての上限年齢
当該刑罰は終身刑であることから、まずは上記の労役を受刑者が平均余命に達するまで科し続けることを想定しました。
しかしながら、高齢の人間に潜水労働のような労役を科すことは効率性の観点から現実的ではないとも考えられるため、一般的な就労年齢の上限とされている65歳まで科した場合の数値をも併せて算出しました。
4.試算の詳細
(1) 平均余命が尽きるまで科したと仮定
A.潜水士の想定最低年収 4,000千円
http://www.info-village.net/work/sensuishi-nensyu.html
B.受刑者の労働による年間純益(収監費用および遺族給付金償却額を加減)
4,000千円 − 900千円 + 235.5千円 = 3,335.5千円 > 収監費用年額900千円
C.その総計
3,335.5千円 × 51.37年 = 171,344.6千円
D.被害者遺族への損害賠償金(2億円)回収率(終身収監費用控除後)
(171,344.6千円 − 900千円 × 51.37年) ÷ 200,000千円 =62.56%
(2)満65歳まで科したと仮定
A.(同上)
B.(同上)
C. 受刑者の労働による年間純益総計
3,335.5千円 × (65歳 − 31歳) = 113,407千円
D. 被害者遺族への損害賠償金(2億円)回収率(終身収監費用控除後)
(113,407千円 − 900千円 × 51.37年) ÷ 200,000千円 = 33.59%
(つづく)
これは メッセージ 17478 (pia**ollaj* さん)への返信です.
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