続き
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2012/04/12 01:23 投稿番号: [17477 / 17759]
【本件の場合、
①中学1年時に、共依存的関係にあった母親の自殺現場に直面したことでの「見捨てられ」ショック
②母親へのDVや被告人への暴力を続けた父親への屈折した怒りの感情
③基底にある幼児的万能感=小心で依存的でありながら子どもっぽい傲慢さを残した未熟な性格
④内面を見せない道化的対人交流
⑤自立への過度の不安、自信のなさなどが相俟って、母子一体的安
心世界を希求する心情が生じていたことを、一連の行為の背後に想定しなければ説明できない。
そして、若い義母への愛着が義母の出産で妨げられ、性愛的感情と依存感情が未分化なまま満たされていた状態の解消をどう評価するかが本件理解の鍵になる。
本件は、不安を解消できる母性的な安心を希求し、依存感情に刷り込まれる未成熟な性的欲求を満たすことができればよいという願望が潜んでいたと思われる。
【計画的犯行というよりも、結果的に自己愛的欲求が満たされることを望んだ行為と見たほうが合理的だと思われる。こうした仮説の検証が高裁判決では回避されている。】
犯罪は憎い。罪は許せない。今回の事件がどう説明されようとも、結果に対する責任は筆舌につくしがたい。被害者遺族の心情や多くの人たちの怒りの感情は理解できる。
しかし、どう裁くかは
社会の成熟度が試されているともいえる。ソーシャル・リスクを背負った未成熟な主体を形成した生活環境をどう評価するのか。被告人が十分責任を自覚できないでいるとすれば、その成長を促し贖罪を全うさせるにはどうしたらよいのか。厳罰あるいは極刑の意義をどう考えるのか。
重大事件は、市民感覚だけでは解けない謎も多い。
そこでは、精神医学や犯罪心理の協力が必要になる。例えば、人格に障害があるとはどんなことなのか。
DVや虐待により行動にどんな影響があるのか。
【それが解けてこそ事件の真相に迫ることができる。】
裁判員制度導入前夜のいま、事件を特定の視点から断罪するのではなく、専門的知見を含めて多面的な視点で判断することを大切にしたい。
加藤幸雄(かとう・さちお)=日本福祉大学教授。
1947年、名古屋市生まれ。名古屋大教育学部卒。
専門は非行臨床心理学。著書に『非行臨床と司法
福祉』など。多数の犯罪心理鑑定にかかわり、光市
事件の広島高裁差し戻し審で被告人の鑑定人を
務めた。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/katoh-sachio.htm
①中学1年時に、共依存的関係にあった母親の自殺現場に直面したことでの「見捨てられ」ショック
②母親へのDVや被告人への暴力を続けた父親への屈折した怒りの感情
③基底にある幼児的万能感=小心で依存的でありながら子どもっぽい傲慢さを残した未熟な性格
④内面を見せない道化的対人交流
⑤自立への過度の不安、自信のなさなどが相俟って、母子一体的安
心世界を希求する心情が生じていたことを、一連の行為の背後に想定しなければ説明できない。
そして、若い義母への愛着が義母の出産で妨げられ、性愛的感情と依存感情が未分化なまま満たされていた状態の解消をどう評価するかが本件理解の鍵になる。
本件は、不安を解消できる母性的な安心を希求し、依存感情に刷り込まれる未成熟な性的欲求を満たすことができればよいという願望が潜んでいたと思われる。
【計画的犯行というよりも、結果的に自己愛的欲求が満たされることを望んだ行為と見たほうが合理的だと思われる。こうした仮説の検証が高裁判決では回避されている。】
犯罪は憎い。罪は許せない。今回の事件がどう説明されようとも、結果に対する責任は筆舌につくしがたい。被害者遺族の心情や多くの人たちの怒りの感情は理解できる。
しかし、どう裁くかは
社会の成熟度が試されているともいえる。ソーシャル・リスクを背負った未成熟な主体を形成した生活環境をどう評価するのか。被告人が十分責任を自覚できないでいるとすれば、その成長を促し贖罪を全うさせるにはどうしたらよいのか。厳罰あるいは極刑の意義をどう考えるのか。
重大事件は、市民感覚だけでは解けない謎も多い。
そこでは、精神医学や犯罪心理の協力が必要になる。例えば、人格に障害があるとはどんなことなのか。
DVや虐待により行動にどんな影響があるのか。
【それが解けてこそ事件の真相に迫ることができる。】
裁判員制度導入前夜のいま、事件を特定の視点から断罪するのではなく、専門的知見を含めて多面的な視点で判断することを大切にしたい。
加藤幸雄(かとう・さちお)=日本福祉大学教授。
1947年、名古屋市生まれ。名古屋大教育学部卒。
専門は非行臨床心理学。著書に『非行臨床と司法
福祉』など。多数の犯罪心理鑑定にかかわり、光市
事件の広島高裁差し戻し審で被告人の鑑定人を
務めた。
http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/katoh-sachio.htm
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