>死刑をめぐる日本の現状①
投稿者: steffi_10121976 投稿日時: 2007/07/22 16:38 投稿番号: [15284 / 17759]
dorawasabi5001さん、こんにちは。
まる二週間の遅レスになってしまって恐縮です。
フランスの特派員による興味深い記事をご紹介いただき、ありがとうございました。
拝見させていただきましたが、この記述内容には著しい事実誤認あるいは意図的な事実の捻じ曲げが多数存在すると感じましたので、それらのいくつかについて私見を述べさせていただくことをお許しください。
なお、誤解のないよう予めお断り申しあげておきますが、私自身は後述のとおり「条件つき死刑廃止論者」です。
●>国際的な、また、近年では国内からの圧力にもかかわらず、日本政府は絞首刑による死刑の適用を続けている。
死刑制度は日本国憲法を頂点とするわが国の法体系において明確に認められている制度です。
適用の可否はあくまでもわが国司法府が独自に判断することであって、「国際的、国内からの圧力」に左右されるものではありません。
また、行政府が司法府の最終判断に従って死刑を機械的に執行するのは三権分立の観点からもきわめて当然のことです。
●>証拠よりも自白を優越させるような司法システム
この指摘はまったくの事実無根です。
まず、わが国の刑事訴訟法は「自白」の証拠能力について次のとおり規定しています。
1.被疑者には取調べおよび裁判において自己の意思に反して供述をしなくてよいという権利(供述拒否権)があり、取調官(検察官、検察事務官、司法警察職員)および裁判官は都度、それを周知徹底させる義務を負います(第198条第2項、第291条第2項、第311条第1項)。
2.仮に自白がなされたとしても、その任意性にわずかでも疑義のあるものは証拠となり得ません(第319条第1項)。
3.仮に任意性に疑義がなく、自白それ自体に証拠能力が存在する場合であっても、それが唯一の証拠である場合、つまり他に有罪とすべき証拠が存在しない場合はその被疑者は有罪とはされません(第319条第2項)。
【刑事訴訟法】
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html
また、日本国憲法第38条にもこれとまったく同様の規定が置かれています。
【日本国憲法】
http://list.room.ne.jp/~lawtext/1946C.html
つまり、手続法である刑訴法のみならず、国家の最高法規たる憲法においても自白偏重主義を厳しく戒めているのですから、わが国に「証拠よりも自白を優越させるような司法システム」など存在しないことは明白です。
もちろん、現実には時としてこれを逸脱した取調べがなされ、結果として冤罪が発生する事例が皆無とは言いません。
しかし、それはあくまでも運用上の問題であって、【司法システムそれ自体】の欠陥の有無とはまったく次元の異なる議論です。
この記述はよほどの認識不足か、さもなくば悪意に満ちた誹謗のどちらかと考えます。
●>時には25年以上も拘禁されたあげく、不意に処刑当日の朝に呼び出される。
>彼は30年以上にわたって死刑囚舎房に収監されていた。
そもそも刑訴法においては、死刑は再審の請求や恩赦の出願等特別の事情がない限り、判決確定後6か月以内に執行することが定められています。
もっともこれについてはあくまでも「訓示規定」であって法的拘束力はないとする地裁判決も出されていますので、これを覆す上級審の判断が示されない限り、6か月を超えることが即違法とまでは言いきれませんが、だからといって、正当な理由もないまま、法律で定められた期間をいたずらに徒過させることが許されていいはずがありません。
25年や30年も拘禁した挙句処刑するのが酷というのならば、刑訴法の規定どおり、(原則)6か月以内にさっさと執行すればよいだけの話。
そのほうが死刑囚にとっても自分の人生の「最終期限」が明らかになり、心の準備が出来るとともに、本人の心がけ次第では残された時間の「クオリティ・オブ・ライフ」を高めることも可能となるでしょう。
(つづく)
まる二週間の遅レスになってしまって恐縮です。
フランスの特派員による興味深い記事をご紹介いただき、ありがとうございました。
拝見させていただきましたが、この記述内容には著しい事実誤認あるいは意図的な事実の捻じ曲げが多数存在すると感じましたので、それらのいくつかについて私見を述べさせていただくことをお許しください。
なお、誤解のないよう予めお断り申しあげておきますが、私自身は後述のとおり「条件つき死刑廃止論者」です。
●>国際的な、また、近年では国内からの圧力にもかかわらず、日本政府は絞首刑による死刑の適用を続けている。
死刑制度は日本国憲法を頂点とするわが国の法体系において明確に認められている制度です。
適用の可否はあくまでもわが国司法府が独自に判断することであって、「国際的、国内からの圧力」に左右されるものではありません。
また、行政府が司法府の最終判断に従って死刑を機械的に執行するのは三権分立の観点からもきわめて当然のことです。
●>証拠よりも自白を優越させるような司法システム
この指摘はまったくの事実無根です。
まず、わが国の刑事訴訟法は「自白」の証拠能力について次のとおり規定しています。
1.被疑者には取調べおよび裁判において自己の意思に反して供述をしなくてよいという権利(供述拒否権)があり、取調官(検察官、検察事務官、司法警察職員)および裁判官は都度、それを周知徹底させる義務を負います(第198条第2項、第291条第2項、第311条第1項)。
2.仮に自白がなされたとしても、その任意性にわずかでも疑義のあるものは証拠となり得ません(第319条第1項)。
3.仮に任意性に疑義がなく、自白それ自体に証拠能力が存在する場合であっても、それが唯一の証拠である場合、つまり他に有罪とすべき証拠が存在しない場合はその被疑者は有罪とはされません(第319条第2項)。
【刑事訴訟法】
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO131.html
また、日本国憲法第38条にもこれとまったく同様の規定が置かれています。
【日本国憲法】
http://list.room.ne.jp/~lawtext/1946C.html
つまり、手続法である刑訴法のみならず、国家の最高法規たる憲法においても自白偏重主義を厳しく戒めているのですから、わが国に「証拠よりも自白を優越させるような司法システム」など存在しないことは明白です。
もちろん、現実には時としてこれを逸脱した取調べがなされ、結果として冤罪が発生する事例が皆無とは言いません。
しかし、それはあくまでも運用上の問題であって、【司法システムそれ自体】の欠陥の有無とはまったく次元の異なる議論です。
この記述はよほどの認識不足か、さもなくば悪意に満ちた誹謗のどちらかと考えます。
●>時には25年以上も拘禁されたあげく、不意に処刑当日の朝に呼び出される。
>彼は30年以上にわたって死刑囚舎房に収監されていた。
そもそも刑訴法においては、死刑は再審の請求や恩赦の出願等特別の事情がない限り、判決確定後6か月以内に執行することが定められています。
もっともこれについてはあくまでも「訓示規定」であって法的拘束力はないとする地裁判決も出されていますので、これを覆す上級審の判断が示されない限り、6か月を超えることが即違法とまでは言いきれませんが、だからといって、正当な理由もないまま、法律で定められた期間をいたずらに徒過させることが許されていいはずがありません。
25年や30年も拘禁した挙句処刑するのが酷というのならば、刑訴法の規定どおり、(原則)6か月以内にさっさと執行すればよいだけの話。
そのほうが死刑囚にとっても自分の人生の「最終期限」が明らかになり、心の準備が出来るとともに、本人の心がけ次第では残された時間の「クオリティ・オブ・ライフ」を高めることも可能となるでしょう。
(つづく)
これは メッセージ 15280 (dorawasabi5001 さん)への返信です.
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