パーペチュエイション Ⅱ
投稿者: klekkit 投稿日時: 2003/01/17 01:43 投稿番号: [117 / 17759]
1. 課題:「近親婚」でなく「近親性交」
「婚」という社会制度的なものに限定しない性関係一般をとりあげたい。近親婚もその一部として、なぜ禁忌とされるのかを問題にする。禁忌という、単なる禁止ではなく、不吉なもの、災厄をもたらす源をそこにみる考え方。行為と表象のレベルの差異と相互関係。近親性交への欲望の次元での強く深い吸引と反発は、近親性交を語る言説の「いかがわしさ」、表象の次元での近親性交の「禍禍(まがまが)しさ」ないしは「忌まわしさ」にも表れていよう。姪(兄の娘)に子を生ませた島崎藤村は、そのことに対する罪の意識を「いかがわしく」描いた『新生』で、亡妻の位牌のある仏壇に触れた姪の掌に訳の分からない血がべっとりと付くという、「まがまがしい」叙述をしている。
2. 視野:近親性交の対極に、異種間性交を置いて考えてみる 「畜(けもの)犯せる罪」は、『延喜式』六月晦の大祓(みなづきつごもりのおほはらへ)祝詞にも、「天つ罪」に対する「国つ罪」として、「おのが母犯せる罪、おのが子犯せる罪、母と子と犯せる罪、子と母と犯せる罪」につづいて挙げられている。 獣姦は『旧約聖書』「レビ記」には、同性愛(男性のみ)、月経中の女性との性交、姦淫とならぶ重罪として挙げられている。家畜(驢馬、牛など)との性交は、ブラジル東北地方の砂糖黍農場についてのジルベルト・フレイレの古典的研究書『お屋敷と奴隷小屋』にも記述されており、西アフリカ・旧モシ王国でも、驢馬との性交を目撃された男は、木で首をくくって自殺しなければならず、葬儀は行わないという言い伝えがある。 言語表象のレベルでは、「異類婚姻譚」として分類される説話群があるが、ヒト以外の動物(場合によって植物)との婚姻のあり方、その結末、生まれた子の行く末などは、文化によって著しく異なる。日本では、異類婚姻譚がきわめて豊かであるだけでなく、そこから生まれた子が超能力をもつとされることもある。平安中期の高名な陰陽家で、著書も遺している安倍晴明(921-1005)も、狐を母として生まれたとされており、芸能化されて広く流布している「葛の葉子別れ」伝説の主人公と歴史上実在の人物像との境も定かでない。『古事記』によれば、神武天皇の母(玉依姫)も、父の母(豊玉姫、玉依姫の姉)も、海神の娘で、鰐=鮫とされている。
2. 視野:近親性交の対極に、異種間性交を置いて考えてみる 「畜(けもの)犯せる罪」は、『延喜式』六月晦の大祓(みなづきつごもりのおほはらへ)祝詞にも、「天つ罪」に対する「国つ罪」として、「おのが母犯せる罪、おのが子犯せる罪、母と子と犯せる罪、子と母と犯せる罪」につづいて挙げられている。 獣姦は『旧約聖書』「レビ記」には、同性愛(男性のみ)、月経中の女性との性交、姦淫とならぶ重罪として挙げられている。家畜(驢馬、牛など)との性交は、ブラジル東北地方の砂糖黍農場についてのジルベルト・フレイレの古典的研究書『お屋敷と奴隷小屋』にも記述されており、西アフリカ・旧モシ王国でも、驢馬との性交を目撃された男は、木で首をくくって自殺しなければならず、葬儀は行わないという言い伝えがある。 言語表象のレベルでは、「異類婚姻譚」として分類される説話群があるが、ヒト以外の動物(場合によって植物)との婚姻のあり方、その結末、生まれた子の行く末などは、文化によって著しく異なる。日本では、異類婚姻譚がきわめて豊かであるだけでなく、そこから生まれた子が超能力をもつとされることもある。平安中期の高名な陰陽家で、著書も遺している安倍晴明(921-1005)も、狐を母として生まれたとされており、芸能化されて広く流布している「葛の葉子別れ」伝説の主人公と歴史上実在の人物像との境も定かでない。『古事記』によれば、神武天皇の母(玉依姫)も、父の母(豊玉姫、玉依姫の姉)も、海神の娘で、鰐=鮫とされている。
これは メッセージ 116 (klekkit さん)への返信です.
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