“平和ボケ”のお部屋

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パーペチュエイション Ⅲ

投稿者: klekkit 投稿日時: 2003/01/17 01:43 投稿番号: [116 / 17759]
3. 論題A:近親性交の願望=欲求/忌避・災厄、穢視/聖化の両極性をどう考えるべきか   近親性交が穢れた行為として忌避される一方で、始祖神話には母子、兄妹などの近親性交がしばしば語られている。神武天皇(カムヤマトイハレヒコノミコト)の父、ウガヤフキアヘズノミコトも、母の妹と結婚してカムヤマトイハレヒコノミコトをもうけている。前述のモシ王国草創期の王の一人も、近親相姦(父と娘、兄と妹などの異伝あり)の故に穢れた存在として「己が肉」(ニングネムド)という名をつけられ、墓を別にされている。だが穢れた存在とされながら、そのような者としての「己が肉王」の事跡が、その内容の史実性への顧慮を超え、敢えて王国の歴史伝承のなかで語られ続けてきたということこそ、注目に値する。   古代エジプトの地母神イシスとその息子であり夫でもある穀精オシリス、メキシコ先住民文化の地母神=穀母テテオインナンの夫である穀神マイクルショチトルショチピーリ(息子のシンテオトルと同一神格)、西アフリカ・バンバラの創世神話における、母の胎盤である大地に雨(精液)を注いで穀物を稔らせる息子のファロなど、母子相姦的性格の強い地母神と穀精のカップルは、洪水神話と結びついた兄妹相姦と同様、世界の始源にかかわる神話に頻繁に登場する。   その変形と見なしうる、夫の影が薄い、偉大な母と異能児の息子のコンビも、マリアとキリスト、山姥と金太郎など、洋の東西で崇敬を集めている。日本で広く採録されている、兄妹相姦と塞(さえ)の神=道祖神の由来を結びつける伝承も、人間が近親相姦にある種の聖性を付していることを示している。人間集団の起源神話に近親性交が頻出するのは、近親性交というものが、まだ見ぬ始源性への憧憬をこめたノスタルジアの一部をなしているからではないのか。キリスト教における聖母マリアの処女性、イエス・キリストの童貞性へのこだわりは、ピエタ像にも明確に表象されている、イシス/オシリス=大地母神/穀精信仰を基層とする東部地中海古文明の視野で見れば、母子相姦への強い引力の反面として捉えることができるだろう。   他方、『旧約聖書』(「レビ記」など)は、獣姦(男女どちらに対しても)、男性の同性愛(ソドムの町が焼き滅ぼされる)と並んで、母、姉妹、父方母方双方の伯叔母との性交を死罪に当たるものとし、前記の『延喜式』と同様、男が母と娘の双方と性の交わりを結べば、「三者とも焼き殺される」べきものと定めている(絶対者がくだす厳罰)。エディプス神話が母子相姦から国の災厄を発生させているのは、母子相姦の必然性と、それに対する罰と不吉感の両極性の表明といえようが、直接の近親性交ではないにも関わらず、母と共にその娘と性交することを忌むのは、人間にとって始源的な母・息子の性交がはらむ両極性の、枝分かれした一つの表れではないのか。
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