B.不戦条約②
投稿者: stefanie_nadeshiko 投稿日時: 2005/09/11 23:31 投稿番号: [11582 / 17759]
しかし、それ以上に重要なことは、この不戦条約は確かに侵攻戦争を違法なものと位置づけはしたものの、それをもって直ちに国家による国際犯罪としてはいないという点です。
ここを明確にするためには、当条約の発効に先立って1924年に検討された「ジュネーヴ議定書」を避けて通るわけには行きません。
驚くべきことに、この「ジュネーヴ議定書」には、非常に明確な形で「侵略戦争は国際犯罪である」という宣言が盛り込まれており、さらにそうした「国際犯罪」を犯した国家に対しては、他の加盟国が共同行動によってこれに対処するという規定まで謳われていたのです。
実現すればまことに画期的なものだったことでしょう。
しかし、この議定書は各国が批准を拒否したため、ついに日の目を見ることなく歴史の闇に葬り去られました。
このような経緯を念頭におけば、そのわずか4年後に発効した不戦条約の性格もおのずと明らかになってくるというものです。
つまり、このトピで以前某氏が垂れ流していた妄言「不戦条約違反はもっとも重大な犯罪である」などということは成り立ち得ないということです。
もし当時の国際社会がそのように意図していたのであれば、間違いなく不戦条約も「ジュネーヴ議定書」と同様の表現をとったはずです。
そうはならなかったということが、不戦条約が侵攻戦争を国家の犯罪とはみなしていなかったことの何よりの証ではありませんか?
(この点については、以前このトピでaikoku_heiwaさんも指摘されておられました。)
ましてやそれをそうした戦争政策を推進した国の元首や行政責任者個人を犯罪として処断する法理論など、これっぽっちも存在しないのです。
そしてマッカーサー自身それをよく認識していたからこそ、東京裁判の法的根拠として、苦しまぎれに「極東国際軍事裁判所条例(Charter)」などという事後法をでっち上げざるを得なかったのです。
パル博士が「法の範疇には全然入らず、交戦国の法律的立場、交戦状態から派生する法律的諸問題に何らの変化ももたらさなかった」と喝破し、田岡良一博士が「幻想」と一蹴した不戦条約の、これが実態なのです。
これは メッセージ 11581 (stefanie_nadeshiko さん)への返信です.
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