世界の国際法学会の常識?
投稿者: ju_so_jet_704 投稿日時: 2005/09/11 19:26 投稿番号: [11575 / 17759]
サンフランシスコ条約第11条の第1文は、次の通りです。
http://list.room.ne.jp/~lawtext/1952T005.html
Japan accepts the judgments of the lnternational Military Tribunal
for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within
and outside Japan, and will carry out the sentences imposed
thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan.
日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国
戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民に
これらの法廷が課した刑を執行するものとする。
(引用終り)
【解説】
judgment は、法律用語としては普通「判決」と訳します。OED(オックスフォード英語辞典)などを引いてみると、judgment が「裁判」の意味を持つのは、どちらかと言うと古語や神絡みの場合のようです。
ところが、東京裁判の判決には仕掛けがありました。1212ページに及ぶ判決(多数意見判決)の中に、次の内容が含まれていたのです。
・裁判所の設立の経緯に遡って記述。
・裁判が法に基いて正当に成立していると主張。
・ニュルンベルク裁判所条例も援用することを宣言(「ニュルンベルク裁判所の意見であって、本件に関連のあるものには、無条件で賛意を表する」)。
・弁護側が主張した「東京裁判設置の無権限」「裁判所条例の事後法的性格」などを退ける。
つまり、判決の中に、裁判が合法的に正当に成立する根拠が書いてありました。通常の裁判の判決には、そんなことは書いてありません。従って、「東京裁判の判決を受諾する」ことは、「東京裁判そのものの正当性を認める」ことです。結局、「裁判そのものを受け入れる、受諾する」ことを意味します。そのため、公定訳(日本政府が公式に訳した定訳)は、「裁判を受諾し」となっています。
だからと言って、「東京裁判史観」なるフィクションをでっち上げて攻撃するのは、おかしな言い掛かりに過ぎません。上で引用したように、日本政府は「個々の事実認識等につきまして積極的にこれを肯定、あるいは積極的に評価するという立場に立つかどうかということは」「別にいたしまして」と述べているからです。
さて、いわゆる歴史修正主義者たちは、次のように主張しています。
「日本は、刑の執行を引き継ぐためだけに、判決を受諾したのだ。執行引き継ぎに必要な部分以外は、受諾していない。その後、刑の執行は全て中止・終了したから、今や日本はこの裁判を認めない」。
彼らによれば、これは「世界の国際法学会の常識」だそうです。ところが、彼らが引用する国際法学者は、いつも決まって「佐藤和男」なのです。あいにく、パル(Radhabinod Pal)はそう言っていないようです。世界の国際法学会は、佐藤和男一派だけで持っているのでしょうか?
その主張が誤りであることは、第11条の英文を読めば分かります。11条によれば、日本国が判決を受諾するのは、"the lnternational Military Tribunal for the Far East" と "other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan" 、すなわち、東京裁判だけでなく、日本国内外のあらゆる日本人戦犯裁判です。そのうち、日本国外で拘禁中だったケースについては、日本は刑の執行を引き継ぎませんでした(日本の主権外だから)。それにもかかわらず、その国外の戦犯裁判も、日本は受諾したのです。
つまり、11条の第1文の意味は、「まず全ての戦犯裁判の判決を受諾する。その上で、日本国内で拘禁中のケースについては、日本が刑執行を(連合国から)引き継ぐ」ということです。
この条文のどこから、「刑の執行を引き継ぐために、そのために必要な部分だけ、判決を受諾する」という得手勝手な解釈が出てくるのでしょうか?
東京裁判の judgment は、英文で1212ページありました。日本政府の公式見解を再び引用すると、次のようになっています。
「ジャッジメントを受け入れたということでございますけれども、そのジャッジメントの内容となる文書、これは、従来から申し上げておりますとおり、裁判所の設立、あるいは審理、あるいはその根拠、管轄権の問題、あるいはその様々なこの訴因のもとになります事実認識、それから起訴状の訴因についての認定、それから判定、いわゆるバーディクトと英語で言いますけれども、あるいはその刑の宣告でありますセンテンス、そのすべてが含まれているというふうに考えております」(林景一・外務省国際法局長。肩書きは当時)
外務省国際法局
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/sosiki/joyaku.html
http://list.room.ne.jp/~lawtext/1952T005.html
Japan accepts the judgments of the lnternational Military Tribunal
for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within
and outside Japan, and will carry out the sentences imposed
thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan.
日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国
戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民に
これらの法廷が課した刑を執行するものとする。
(引用終り)
【解説】
judgment は、法律用語としては普通「判決」と訳します。OED(オックスフォード英語辞典)などを引いてみると、judgment が「裁判」の意味を持つのは、どちらかと言うと古語や神絡みの場合のようです。
ところが、東京裁判の判決には仕掛けがありました。1212ページに及ぶ判決(多数意見判決)の中に、次の内容が含まれていたのです。
・裁判所の設立の経緯に遡って記述。
・裁判が法に基いて正当に成立していると主張。
・ニュルンベルク裁判所条例も援用することを宣言(「ニュルンベルク裁判所の意見であって、本件に関連のあるものには、無条件で賛意を表する」)。
・弁護側が主張した「東京裁判設置の無権限」「裁判所条例の事後法的性格」などを退ける。
つまり、判決の中に、裁判が合法的に正当に成立する根拠が書いてありました。通常の裁判の判決には、そんなことは書いてありません。従って、「東京裁判の判決を受諾する」ことは、「東京裁判そのものの正当性を認める」ことです。結局、「裁判そのものを受け入れる、受諾する」ことを意味します。そのため、公定訳(日本政府が公式に訳した定訳)は、「裁判を受諾し」となっています。
だからと言って、「東京裁判史観」なるフィクションをでっち上げて攻撃するのは、おかしな言い掛かりに過ぎません。上で引用したように、日本政府は「個々の事実認識等につきまして積極的にこれを肯定、あるいは積極的に評価するという立場に立つかどうかということは」「別にいたしまして」と述べているからです。
さて、いわゆる歴史修正主義者たちは、次のように主張しています。
「日本は、刑の執行を引き継ぐためだけに、判決を受諾したのだ。執行引き継ぎに必要な部分以外は、受諾していない。その後、刑の執行は全て中止・終了したから、今や日本はこの裁判を認めない」。
彼らによれば、これは「世界の国際法学会の常識」だそうです。ところが、彼らが引用する国際法学者は、いつも決まって「佐藤和男」なのです。あいにく、パル(Radhabinod Pal)はそう言っていないようです。世界の国際法学会は、佐藤和男一派だけで持っているのでしょうか?
その主張が誤りであることは、第11条の英文を読めば分かります。11条によれば、日本国が判決を受諾するのは、"the lnternational Military Tribunal for the Far East" と "other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan" 、すなわち、東京裁判だけでなく、日本国内外のあらゆる日本人戦犯裁判です。そのうち、日本国外で拘禁中だったケースについては、日本は刑の執行を引き継ぎませんでした(日本の主権外だから)。それにもかかわらず、その国外の戦犯裁判も、日本は受諾したのです。
つまり、11条の第1文の意味は、「まず全ての戦犯裁判の判決を受諾する。その上で、日本国内で拘禁中のケースについては、日本が刑執行を(連合国から)引き継ぐ」ということです。
この条文のどこから、「刑の執行を引き継ぐために、そのために必要な部分だけ、判決を受諾する」という得手勝手な解釈が出てくるのでしょうか?
東京裁判の judgment は、英文で1212ページありました。日本政府の公式見解を再び引用すると、次のようになっています。
「ジャッジメントを受け入れたということでございますけれども、そのジャッジメントの内容となる文書、これは、従来から申し上げておりますとおり、裁判所の設立、あるいは審理、あるいはその根拠、管轄権の問題、あるいはその様々なこの訴因のもとになります事実認識、それから起訴状の訴因についての認定、それから判定、いわゆるバーディクトと英語で言いますけれども、あるいはその刑の宣告でありますセンテンス、そのすべてが含まれているというふうに考えております」(林景一・外務省国際法局長。肩書きは当時)
外務省国際法局
http://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/honsho/sosiki/joyaku.html
これは メッセージ 11408 (stefanie_nadeshiko さん)への返信です.
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